発音の手引き・言語別

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 ポルトガル語を発音するときに心に留めておくと発音が上手になる、そんなキーポイントをまとめてあります。
 文字や発音記号の一つ一つの発音は、発音の手引きの「母音」ないし「子音」にこれでもかと言うほど記述いたしましたので、そちらをご覧くださるようご案内いたします。


発音の総括的説明

母音のルール

子音のルール

アルファベート

カタカナ表記との関係





ポルトガル語

○ポルトガル語・発音の総括的説明

  1. ポルトガル語の発音は、綴りに対して比較的規則的にできていますが、アクセントがあるかどうか、語中でどのあたりに来ているかによって、同一の文字・綴りであっても発音が変わってくることがしばしばあります。
    但し、その発音の変化も規則的に出来ていますので、ルールをしっかり覚えれば、文字から発音を類推するのはたやすいはずです。
  2. ポルトガル語のアクセントは、強弱アクセントです。アクセントのある母音は強くはっきりと発音されます。
  3. ポルトガル語では、鼻母音が非常に発達しています。他の言語には例の少ない二重鼻母音も多種類が存在します。
  4. ポルトガル語は、使用地域別に大きく3種類の方言に分けられます。
  5. 他のロマンス語同様、前の語の語尾の子音と次の語の語頭の母音とが繋がってひとつの音節を形作る「アンシェヌマン」が見られます。
  6. ポルトガル語を特徴付ける音は、豊富な二重子音、頻度、種類ともに豊富な鼻母音、「チ」「ヂ」を除き「チャ」・「ヂャ」行や「ツァ」行の発音が見られないこと、アクセントの無い部位の母音が閉母音になりやすいことなどでしょう。

○ポルトガル語・母音のルール

以下では、とくに断らない限り、イベリアポルトガル語の発音ルールについて解説します。
  1. ポルトガル語には、口母音(こうぼいん)と鼻母音(びぼいん)の2種類の母音が存在します。
    口母音は、他の言語にも見られる、鼻にかからない一般的な母音です。単母音と二重母音との2種類があります。
    鼻母音は、呼気を口と鼻の両方に通して発音するものです。フランス語に存在するものがよく知られていますが、ポルトガル語はフランス語よりもはるかに種類に富んだ鼻母音を有しています。単母音と二重母音の2種類があります。
  2.   

  3. 軟母音 я е и ё ю 発音イメージは「ィヤー、ィエー、ィイー、ィヨー、ィユー」
    硬母音 а э ы о у 発音イメージは「アー、エー、ゥイー、オー、ウー」
  4. です。
  5. アクセ。
  6. ア。

○ポルトガル語・子音のルール

以下では、とくに断らない限り、イベリアポルトガル語の発音ルールについて解説します。
  1. ロシア語では、ひとつの単語の中で子音が連続して現れることが、非常に頻繁に見られます。2つ、3つは他のヨーロッパ言語にもありますが、ロシア語では、4つの子音がつながって出てくることもあります。
     また、西ヨーロッパの言語(英語、フランス語、スペイン語など)では見られない子音の組み合わせも存在します。スラブ語系の言語としてはごく普通なんですけれどね。
    • встреча「フストリェーチャ」(『出会い、迎え』。子音が4つ続く)
    • скрипка「スクリープカ」(『ヴァイオリン』。子音が3つ続く)
     西欧諸言語には見られない子音の発音を含んだ語としては、
    • мрамор「ムラモール」(『大理石』。/mr/の組み合わせ)
    • здравствуйте「ズドラーストヴィーチェ」(『こんにちは』。/zdr/の組み合わせ)
    • дневной「ドニィヴノーィ」(『昼間の』。語頭の/dn/の組み合わせ)
  2. 語尾、または無声音の子音の直前に来た有声音の子音は、対応する無声音の子音として発音します(下の表を参照)。前置詞の後に単語が続く場合も同様です。
  3. 有声音の子音の直前に来た無声音の子音は、対応する有声音の子音として発音します(下の表を参照)。前置詞の後に単語が続く場合も同様です。
     ただし、「в」は有声子音ですが、この直前に来る無声子音は、無声子音のままで、有声化しません。
    下の子音に対応する有声子音 б в г д ж з
    上の子音に対応する無声子音 п ф к т ш с
    • второи「フタローィ」(『2番めの』。発音に合わせるとфторои。тの存在によるвの無声化)
    • сдать「ズダーチ」(『引き渡す』。発音に合わせるとздать。дの存在によるсの有声化)
    • твёрдыи「トヴョールディ」(『固い、しっかりした』。発音の変化が無いことに留意)
  4. 子音が連続することで、前の方の子音が、後ろの方の子音の影響を受けて、調音法の異なる発音になることがあります。
    • гкを「フク」と発音:легко「リェフコー」(『軽い』。発音に合わせるとлехко)
    • зжを「ジジ」と発音:езжу「ィエジジュー」(『〔私は〕乗り物で行く』。発音に合わせるとежжу)
    • сшを「シシ」と発音:сшить「シシーチ」(『縫いつける』。発音に合わせるとшшить)
    • тьсяを「ッツァ」と発音:ломаться「ラマーッツァ」(『壊れる』。発音に合わせるとломатца)
    • чнを「シヌ」と発音:конечно「カニェーシナ」(『もちろん』。発音に合わせるとконешно)
    • чтを「シト」と発音:что「シトォー」(『何が』。発音に合わせるとшто)
  5. 子音が連続することで、他の子音に挟まれた子音が脱落することがあります。
    • тの脱落:счастливый「シャスリーヴィ」(『幸運な、幸福な』)
    • тの脱落:частный「チャースニィ」(『一部の、個人的な』)
    • дの脱落:звёздный「ズヴョーズニィ」(『星の』)
    • вの脱落:здравствовать「ズドラーストヴァヴァーチ」(『健康でいる』)
    • лの脱落:солнце「ソーンツェ」(『太陽』)
  6. 子音が連続することで、子音が一体化してひとつの音として発音されることがあります。
    • счを、「щ」の音で「シ」と発音:считать「シターチ」(『数える』。発音に合わせるとщитать)
    • жчを、「щ」の音で「シ」と発音:мужчина「ムシーナ」(『男性』。発音に合わせるとмущина)
  7. 語尾の「его」や「ого」は、「イヴォー/イヴァ」、「アヴォー/アヴァ」のように発音されます。「г」の字が「в」の音で発音されるわけです。
    なお、上記カタカナ発音は、斜線の左が語尾にアクセントの来る場合、右が来ない場合を表しています。
    • ничего「ニチヴォー」(『平気だ、なんともない』。発音に合わせるとничево)
    • доброго「ドーブラヴァ」(『良い』〔男性・中性生格〕。発音に合わせるとдоброво)

○ポルトガル語のア ト一覧(左の列から縦に見ていってください。)

А а アー  К к カー Х х ハー
Б б  ベー  Л л エル Ц ц ツェー
В в  ヴェー  М м エム Ч ч チェー
Г г ゲー  Н н エヌ Ш ш シャー
Д д ベー  О о オー Щ щ シシャー(シチャー)
Е е  ィエー  П п ペー Ъ ъ (硬音記号)
Ё ё ィヨー  Р р エル(エール) Ы ы ウィー(ゥイ)
Ж ж  ジェー  С с エス Ь ь (軟音記号)
З з ゼー  Т т テー Э э エー
И и イー  У у ウー Ю ю ユー
Й й イー・クラートコエ  Ф ф エフ Я я ヤー



○ロシア語とその一般的なカタカナ表記の関係

  1. 「о」は、アクセントの有無に関わらず「オ」と表記するのが一般的ですが、最近に移入された語では発音に従い「ア」と表記する例もあります。
      [例]Толстой「タルストーィ」(ロシアの小説家。日本語では一般に「トルストイ」と表記)
         самовар「サマヴァール」(『サモワール、湯沸かし器』。日本語では一般に「サモワール」と表記)
         хорошо「ハラショー」(『素晴らしい』〔中性・短語尾形〕。日本語では一般に「ハラショー」と表記。近年感嘆詞として使用が増加)
  2. 硬母音は「ア、イ、ウ、エ、オ」で、軟母音は「ヤ、イ、ユ、エ、ヨ」で表すのが一般的です。アクセントの有無に関わらず、ロシア語の文字表記に従ってカナ表記します。
    但し、最近では、アクセントのある「е」は「イェー」と書き表したり、アクセントの無い母音は「ア」「イ」で書き表すなど、原音の発音を意識した表記をする動きも出てきました。
      [例]Фёдор「フョーダル」(男性名。日本語では一般に「フョードル」と表記)
         ненец「ニェーニツ」(ロシア北部の民族。日本語では「ネネツ」「ニニェーツ」「ニェーニェツ」などと表記)
         чернозём「チェルナジョーム」(『黒土』。日本語では一般に「チェルノーゼム」と表記するが、原音を誤記しています)
  3. 「й」は「イ」または「ヤ」行の子音として表記します。「ь」は無視するか「イ」として表すのが一般的です。
      [例]Енисей「イニスェーィ」(シベリアの河川名。日本語では一般に「エニセイ」と表記)
         большевик「バリシェヴィーク」(『ボリシェビキ、過激派』。日本語では一般に「ボリシェビキ」と表記)
         Казань「カザーヌ」(ロシア西部の都市名。日本語では一般に「カザン」または「カザニ」と表記)
  4. アクセントがある母音は、カナ表記でも長音として扱われることがありますが、必ずしも長音とされるわけではありません。
      [例]комбинат「カンビナーッ」(『企業連合』。日本語では一般に「コンビナート」と表記)
         Достоевский「ダスタィエーフスキィ」(ロシアの小説家。日本語では一般に「ドストエフスキー」と表記)
  5. ロシア語の「л」と「р」は、いずれも「ラ」行のカナで表します。
      [例]икра「イクラー」(『魚卵』。日本語では一般に「イクラ」と表記)
         интеллигенция「インティリギェーンツィャ」(『知識階級』。日本語では一般に「インテリゲンチヤ」と表記)
  6.      
  7. 「в」は、有声ならば伝統的に「ワ」行または「バ」行の仮名で、無声なら「フ」で表します。但し、現在では「ヴ」を用いることも多くなっています。
      [例]Москва「マスクヴァー」(ロシアの首都名。日本語では一般に「モスクワ」と表記。「モスコー」は英語よりの移入)
         Павлов「パーヴラフ」(ロシアの生理学者。日本では一般に「パブロフ」「パヴロフ」と表記)
         Владивосток「ヴラヂィヴァストーク」(東シベリア南東部の都市名。日本では一般に「ウラジオストク」「ウラジボストク」と表記)
  8. 「щ」は、伝統的に「シチ」と書いていますが、最近では「シシ」と表記することもあります。
      [例]борщ「ボールシ」(『ボルシチ』。日本語では一般に「ボルシチ」だが最近は「ボールシ」とも表記)
  9. 「х」は、前後の綴りによって「ハ」または「フ」と表記します。
      [例]Рахманинов「ラハマニナフ」(ロシアの作曲家。日本語では一般に「ラフマニノフ」と表記)
         Саха「サハー」(シベリア東部の自治共和国。日本語では一般に「サハ」と表記)

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