発音の手引き・母音

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あたりが、主な理由として挙げられるでしょう。

「ア」に似た母音
(A-1〜4)

「イ」に似た母音
(I-1〜4)

「ウ」に似た母音
(U-1〜5)

「エ」に似た母音
(E-1〜4)

「オ」に似た母音
(O-1〜2)

半母音
(J-1〜4)

鼻母音
(B-1〜4)

二重母音
三重母音
(D-1〜10)



「類似するカタカナ発音」は、あくまで「日本語表記ではこの発音が類似している」という目安であり、カタカナどおりに発音すれば他言語でもやすやすと通じるというものではありません。
※各発音記号の上についている「A-1」などの記号は、整理番号です。
※説明文中の「この発音のある言語」として挙げている言語は、見出しとなっている発音を持つ言語のうちの一部であり、「これらの言語以外にその発音をもつ言語は存在しない」という意味ではありません。

「ア」に似た母音

A-1

類似するカタカナ発音:「エァ」「ア」
 北ヨーロッパの言語に特徴的な発音であり、日本人が英語を始めたときに、最初にぶつかる発音の壁でもあります。でも、そんなに難しい発音ではないんですよ。
 まずは口を大きめに開いて「エー」と言ってみましょう。舌が舌の前歯の裏につくのがわかりますね?その位置から、舌を動かさないように気をつけて、「アー」と発音してみます。ほら、これだけでもだいぶネイティブ発音に近づきました。
 さらにネイティブ発音に近づけたいならば、口を上の状態からもう少し大きく開いて、下顎を下げ気味にしてみましょう。 

○この発音のある言語:英語、デンマーク語、スウェーデン語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   cat「ケァッ」(英語『ネコ』)
   drag「ドレァグ」(英語『引きずる』)

A-2

類似するカタカナ発音:「ア」
 日本人には鬼門と言ってよい発音のひとつです。一見易しいように見えますが、日本語の「ア」とはかなり音質が異なるので、注意が必要です。
 口を中途半端にポカンと開いて、やや高めの声域で「ア」と発音してみましょう。
 コツは、「唇が、発音記号と同じように、三角形になっている」とイメージしてみることです。
 音声学では、「下のU-3の発音と基本的に同じで、単にアクセントの有る無しで分ける」とされていて、実際にそれで正しいのですが、初学者は、別々の発音とみなして練習したほうが、早く上達します。

○この発音のある言語:英語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   come「カム」(英語『来る、〜になる』)
   wonder「ワンダ」(英語『〜と疑問に思う』)

A-3

類似するカタカナ発音:「ア」「アー」
 日本語の「ア」に、いくぶん「オ」の音が混ざった響きを持っています。
 発音するときには、口を大きく開いて、舌はいくぶん奥に引っ込めます。
 そのまま、「ア」と「オ」の真ん中くらいの声を出すようにしてみてください。

○この発音のある言語:英語、イタリア語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   hot「ハッ」(英語『熱い、暑い』)
   card「カーッ/カード」(英語『札、カード』)

A-4


類似するカタカナ発音:「ア」「アー」
 この発音は、比較的たやすいでしょう。口を大きく開いて「ア」と言ってみれば、それで良いです。アクセントがないときなど、場合によっては、日本語の「ア」でじゅうぶん用が足ります。

○この発音のある言語:ドイツ語、フランス語、ロシア語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   alle「アッレ」(ドイツ語『すべての』)
   matelot「マトロ」(フランス語『水夫』)

A-5

類似するカタカナ発音:「ア」
 日本語の「ア」に比べ、ややくぐもった印象のある発音です。日本語の「ア」よりもわずかに口の開きを小さめに抑え、舌をほんの少し後ろに引いて発音します。わずかに「エ」の雰囲気の混じった「ア」として聞き取れることでしょう。

○この発音のある言語:ポルトガル語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   prato「プラートゥ」(ポルトガル語『銀』)
   amarelho「アマレーリョ」(ポルトガル語『黄色』)



「ア」に似た母音

「イ」に似た母音

「ウ」に似た母音

「エ」に似た母音

「オ」に似た母音

半母音

鼻母音

二重母音
三重母音






「イ」に似た母音

I-1

類似するカタカナ発音:「イ」
 日本語の「イ」に、「エ」の音色を加えた発音です。なまじ日本語の「イ」に遠からず近からずという発音のため、日本人にはけっこう難しいかもしれません。
 日本語の「イ」よりも、のどを開き、舌を上あごからもう少し遠ざけて、唇の力もやや抜き加減にしてみると、この発音になります。
 日本の方言でも、「イ」と「エ」を区別せずに発音するものがありますが、その音に比較的近いと考えて差し支えない音です。

○この発音のある言語:英語、ドイツ語(まれにロシア語にも)

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   hill「ヒォ」(英語『丘』)
   bringen「ブリンゲン」(ドイツ語『持ってくる、もたらす』)

I-2

類似するカタカナ発音:「イ」
 日本語の「イ」にかなり近い発音です。実質上、日本語式の「イ」で代用が利きます。
 日本語の「イ」よりも、もう少し口を横に引くようにしましょう。「イ」を単独ではっきり発音すると、ほぼこの発音になります。
 日本語で「甲斐甲斐しい」や「親しい」を「か・い・が・い・し・い」や「し・た・し・い」と、一音節ずつ区切って発音すると、要領がつかめるでしょう。

○この発音のある言語:ロシア語、フランス語、英語、ドイツ語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語など諸言語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   berry「ベリ」(英語『漿果、ベリー』)
   Uniform「ウニフォァム」(ドイツ語『制服』)

I-3

類似するカタカナ発音:「イィ」「イー」
 日本語の「イ」にかなり近い音です。上記のI-2よりも唇をさらに横に引いて、舌は心もち上あごに向かって持ち上げます。このとき、あまり上げすぎると、J-1の「j(ィイ)」の音になってしまいますので、気をつけましょう。日本語の「イ」よりも、鋭い発音になります。
 俗に、駄々をこねて「イーッだ!」と発音するときの「イー」に似ているとも言います。日本語で「イー」と言うときよりも心もち短めに発音してみると、ネイティブの発音に近く聞こえます。

○この発音のある言語:英語、ドイツ語、フランス語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   eagle「イーグォ」(英語『ワシ』)
   tief「ティーフ」(ドイツ語『深い』)

I-4

類似するカタカナ発音:「ウィ」「ゥイ」「イ」
 ロシア語はじめスラブ語系言語に特有にみられる音です。上下の奥歯を近づけて、舌を日本語の「イ」より後ろに移動させた状態で、「イー」と発音します。なんとなく「ウー」の音がかぶっているように聞こえたら成功です。
 ロシア語の母音の分類では「硬母音」とされますが、音の響きはわりと柔らかく聞こえます。

○この発音のある言語:ロシア語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   рыбный「ルィープニィ」(ロシア語『魚の』)
   мы「ムィ」(ロシア語『私たちは』)



「ア」に似た母音

「イ」に似た母音

「ウ」に似た母音

「エ」に似た母音

「オ」に似た母音

半母音

鼻母音

二重母音
三重母音







「ウ」に似た母音

U-1

類似するカタカナ発音:「ゥウ」
 日本語の「ウ」とはかなり違うので注意しましょう。そもそも、下のU-2とともに、日本語の標準語には存在していない発音です(西日本ではこの発音が用いられています)。
 まず、唇をすぼめて丸くし、舌先は口の中ほどまで後方に引きます。口をその形に保ったまま、「ウ」と「オ」の間くらいの中途半端な声で発音してみましょう。ほらね、だいぶバタ臭くなったはずです(おいおい)。
 あとは、その発音からバタ臭さが抜けるまで練習してみてください。「ウ」と「オ」の中間の発音が難しい、というかたは、唇と舌を上の説明のようにした後、「ウ」の発音をしてみるだけでもよいです。
 とにかく、日本語東部・北部方言の「ウ」とは、まるっきりずれた発音だということを、くれぐれもお忘れなく(繰り返しになりますが、西日本の人たちはこの「ウ」を使って日本語を話しています!)。

○この発音のある言語:ロシア語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、中国語ほか

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   und「ウント」(ドイツ語『そして』)
   Wunsch「ヴンシュ」(ドイツ語『願い』)

U-2


類似するカタカナ発音:「ゥウ」「ウー」
 この発音も、上と同様、日本語の「ウ」とはかけ離れた発音です。
 上の「U-1」の発音よりも、さらに舌を後ろに引き、唇は丸く細くすぼめて突き出し気味にします。このとき、舌の後ろの部分が、自然に上へと持ち上がるはずです。
 長母音にするとき(左の下のほうの記号に従って発音するとき)は、さらに口を細くすぼめ、舌も後ろによく引っ込ませるようにします。
 長母音のほうは、カタカナ表記では、よく「ウー」というように長音記号をつけて書かれる発音ですが、実際にはそれほど伸ばすことはありません。他の長母音についても共通することですが、一般に、短母音の1.5倍くらいだけ伸ばせばすみます。

○この発音のある言語:ロシア語、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語、中国語ほか

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   лук「ルゥク/ルーク」(ロシア語『ネギ』)
   vous「ヴゥ」(フランス語『あなた(がた)は/あなた(がた)を』)

U-3


類似するカタカナ発音:「ア」「ウ」「ゥァ」「ェァ」
 なぜか大抵の日本人が苦手とする発音です。いっぽう、ヨーロッパ系統の言語では頻出しまくりの発音ですので、美しい発音を心掛けるためには避けて通ることのできない難関であります。ここで学んでいってください。
 まず、この音を、日本語式に「アー」と発音するのはご法度です。この発音記号で表される音は「あいまい母音」とも呼ばれ、「アー」でも「イー」でも「ウー」でも「エー」でもない、中途半端な発音だということをご了承ください(もちろん「オー」とも似ていません)。
 この発音のコツは、口をだらしなく開け、あごと舌はやや後ろに引いて、気の抜けたような声で「ア」と「ウ」と「エ」の渾然一体となったような声を出すことです。上記のA-2の「ア」を、だらしなく力を抜いて発音しても、良い音になります。
 カタカナ表記では、英語やドイツ語の場合は「ア」、フランス語の場合は「ウ」と表記されることが一般です。

○この発音のある言語:英語、ドイツ語、フランス語、ロシア語、中国語ほか

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   animal「アニマォ」(英語『動物』)
   secret「スクレ」(フランス語『秘密』)

U-4


類似するカタカナ発音:「アァ」「ゥァ」「ェァ」
 上のU-3と同様、なぜか日本人にはできない発音です。べつに難しくはないのですが、しばしばアクセントを伴うことがあり、そうなると英語を話さない世界中の人たちにとって俄然難しい発音へと変化するようです。
 一般には、「U-3に巻き舌がくっついた音」とされますが、実際には、U-3とはいささか異なる発音です。
 まず、口を中途半端にだらしなく開き、あごを精一杯引いたら、舌も、のどの方へといっぱいに引きます。そして、舌の先に少し力を込めるイメージを持って発音してください。
 コツを掴むまで、多少練習は必要だと思いますが、いったんできるようになると、英語の発音が俄然ネイティブっぽくなること請け合いです。

○この発音のある言語:英語(とくにアメリカ英語)

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   bird「ブァーッ」(英語『鳥』)
   world「ウェァォッ」(英語『世界』)

U-5


類似するカタカナ発音:「ユー」「ィユ」
 中国語には類似の音があるのですが、日本語には存在しないという厄介な発音です。
 上の「U-1」の要領で唇を細くすぼめて、「ウ」を発音してみましょう。これができたら、舌が口の真ん中あたりで止まっているはずですので、前歯にぶつかるくらいまで押し出してやります。このとき、唇のすぼまりが崩れないようにしましょう。
 唇をすぼめたまま「イ」を発音したほうが、きれいに出来る、という人もいるかもしれません。好きなほうを選んでください。
 日本語の「ユー」とはだいぶ違った音ですので、カタカナ表記には惑わされないようにしましょう。とはいえ、当サイトでも、この音を表記するのに「ユ」の字を使用しているのですが。

○この発音のある言語:ドイツ語、フランス語、中国語ほか

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   Flügel「フルューゲル」(ドイツ語『翼』)
   sur「スュル」(フランス語『〜の上に』)



「ア」に似た母音

「イ」に似た母音

「ウ」に似た母音

「エ」に似た母音

「オ」に似た母音

半母音

鼻母音

二重母音
三重母音






「エ」に似た母音

E-1

類似するカタカナ発音:「エ」
 日本語の「エ」よりも、いくぶん唇を左右に引きます。唇の上下の開きは、自然と狭まることになります。
 いくぶんくぐもった音の「エ」になります。下のE-2との口の形の違いに留意しましょう。
 ドイツ語では、かなり強く唇を左右に引くので、初学者には「イ」なんだか「エ」なんだか分からない(と言うより、ほとんど「イ」に聞こえる)ことがあります。講談師が「エ〜、本日は…」などと語り始めるときの発音に似ているというので、俗に「講談師の『エ』」などとも呼ばれます。
 フランス語では、動詞の原型の語尾にこの音が現れます。それ以外にもありますけれど。下の例もその一つです。

○この発音のある言語:ロシア語、英語、ドイツ語、フランス語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   settle「セツォ」(英語『〜を据える』)
   terminer「テルミネ」(フランス語『〜を終える』)

E-2

類似するカタカナ発音:「エ」
 かなり日本語の「エ」に近い発音です。日本語の「エ」よりも、口を大きくはっきりと開くようにしましょう。びっくりして「エーッ!?」と言うときの口を、さらに大げさにしてみたときのような感じです。
 上のE-1との口の形の違いに注目して、口をきちんと開けて発音しましょう。

○この発音のある言語:英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、イタリア語ほか

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   песня「ピェースニャ」(ロシア語『歌』)
   fremd「フレムト」(ドイツ語『見知らぬ』)

E-3


類似するカタカナ発音:「エ」「エー」「ェユ」「ォエ」
 ドイツ語の「ウムラウト音」として知られる発音のひとつで、日本語には似た音が無いため(奈良時代までは存在していたようですが)、日本人にはその発音感覚を掴むことすら難しい音となっています。しかもドイツ語やフランス語には頻出の音であるため、なおさら大変ですね。でも、心配ご無用。2年間くらいも練習すれば、きちんと発音できますよ(そんな無茶な)。
 まず、日本語式でよいので、「エ」と発音してみましょう。このとき、舌は口腔の下側に下がり、さらに舌先が前歯か歯茎に付いているはずです。
 このことを確認したら、今度は、舌の位置を変えないまま、口をすぼめ気味にして、「エー」と発音してみましょう。なるべくのどを開いて、奥から声が出るようにすると、良い発音になります。胃袋の中身を戻しているのではないんですから、のどを閉めたりしないようにしてください。
 あるいは、上記とは反対に、唇を「オ」と発音するつもりで丸めたうえで、むりやり「エ」と発音してみたほうが、良い発音になる人もいるかもしれません。このとき、唇は、ヨーロッパ式に「オ」を発音することを意識して、ぐいっとすぼめることです。要領としては、下のO-1の方法で丸めると、良好な音になるでしょう。このとき舌の位置を直すのをお忘れにならないように。
 単語によっては、「ユ」のような響きになることもあります(下例参照。「schön」は、一般に「シェーン」と仮名を振られますが、日本語に慣れた耳には「シューン」「シャーン」と聞こえることもあります。昔「シャン」という言葉がありましたが、この「schön」が語源です)。

○この発音のある言語:ドイツ語、フランス語、デンマーク語、スウェーデン語ほか

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   yeux「ェユー」(フランス語『目』〔複数形〕)
   schön「シェーン」(ドイツ語『素晴らしい』)

E-4

類似するカタカナ発音:「ォエ」
 上のE-3よりも口を大きめに開いて発音する音です。舌の位置は、日本語の「エ」と同じ位置で構いません。問題は、唇の形をきれいに保つことでしょう。
 日本語の「オ」と「ア」の間くらいの大きさに口を開いて、舌の位置を「エ」で保ったまま、のどを開けて「エー」と発音すると、安定した発音になります。

○この発音のある言語:フランス語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   cœur「ケュル」(フランス語『心、心臓』)
   heure「エゥル」(フランス語『時間』)



「ア」に似た母音

「イ」に似た母音

「ウ」に似た母音

「エ」に似た母音

「オ」に似た母音

半母音

鼻母音

二重母音
三重母音






「オ」に似た母音

O-1


類似するカタカナ発音:「オ」「オー」
 また出現いたしました。日本人が、自分達の母語にもある発音だと勘違いしやすい母音のナンバー2です。ちなみにナンバー1は「u」で、上のU-1とU-2が該当します。(いずれも筆者の独断と偏見に基づくものです。)
 まず、舌は口の奥か、あるいは口の下側に引っ込めるようにいたしましょう。こうすることで、自然と唇がすぼまり、また、のどが開くので、きれいなヨーロッパ言語式の発音ができるようになります。
 こうなればしめたもの。あとは、鏡でも見ながら、唇をきれいな円環状に整えてやればよいだけです。
 これで貴方も、今日からダサダサな発音とはお別れ…かな?
 英語にはこの発音は無く、O-2かあるいはD-10の発音を使います。その差異をはっきりと弁別してください。
 また、この発音は、「e−ウムラオト」(上のE-3)の発音をするうえでも重要ですので、きちんとマスターすることをお勧めいたします。

○この発音のある言語:ロシア語、ドイツ語、フランス語、スペイン語ほか

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   mot「モ」(フランス語『手紙』)
   школа「シコーラ」(ロシア語『学校』)

O-2


類似するカタカナ発音:「オ」「オー」
 韓国語には類似の発音があるのですが、日本語には、これと同じ発音というのはちょっと見当たりません。
 唇は「ア」と発音するときの格好のままで、声は「オ」と出してやればよいのですが、言うは易く行うは難しで、なかなかうまくは出来ないものです。
 この音を発音するとき、舌がいくぶん後ろに下がることに気をつけましょう。
 長母音の発音は、短母音の1.5倍くらいでじゅうぶんです。英語の長母音は、それほど伸ばすものではありません。
 なお、イギリス英語だと、日本語の「オ」にかなり近い音価を持った発音になります。

○この発音のある言語:英語、韓国語、イタリア語ほか

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   wall「ウォーォ」(英語『壁、塀』)
   dolce「ドルチェ」(イタリア語『甘い、優しい』)



「ア」に似た母音

「イ」に似た母音

「ウ」に似た母音

「エ」に似た母音

「オ」に似た母音

半母音

鼻母音

二重母音
三重母音






半母音

J-1

類似するカタカナ発音:「ィ」「ヤ」「ユ」「ィエ」「ヨ」の子音部
 ドイツ語で「ィイ」の発音を示すことから、この半母音を表す発音記号になったものらしいのですが、はて事実はどうだか。
 日本語でも、平安時代初期までは、ヤ行の「イ」や「エ」を発音していたようですが、そのうち消えてしまったようです。
 さて、発音の仕方ですが、舌全体を緊張させて、上顎に思いっきり近づけ、上顎すれすれに保つようにしましょう。決してくっつけないこと。くっつけると、「n」の音になってしまいますので。
 おそらく、日本人にとって難しいのは、この子音の後に「i」が来るときでしょう。これは、初めに緊張させていた舌を、少し力を緩めて下げてやることで、簡単に発音できるようになります。この微妙な力加減は、練習で身に付けてください。

 ロシア語の軟母音、すなわち「я、е、и、ё、ю」は、硬母音「а、э、ы、о、у」の直前に、この半母音を伴ったものとされます。したがって、硬母音が
   「アー、エー、ゥイー、オー、ウー」
と発音されるのに対し、軟母音は
   「ィヤー、ィエー、ィイー、ィヨー、ィユー」
という感覚で発音されます。

○この発音のある言語:ロシア語、ドイツ語、フランス語、英語、イタリア語など

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   ясный「ヤースヌィ」(ロシア語『澄んだ、晴れ晴れとした』)
   accueil「アケゥル」(フランス語『もてなし』)

J-2

類似するカタカナ発音:「ュ」、「ゥュ」
 U-5の発音の後に母音が続くと生じる音です。
 唇をすぼめて突き出し、舌先を前の方に持っていくのは、U-5とだいたい同じですが、このときの唇のすぼめ具合が、U-5よりもいくぶん抑え気味になっています。だからと言って、唇をすぼめないわけではないのでご用心あれ。
 フランス語でよくみられ、必ず後ろに母音を伴います。「i」の音がつくと、D-6のように、しばしば二重母音化します。

○この発音のある言語:フランス語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   nuage「ヌュアージ」(フランス語『雲』)
   tuile「テュィル」(フランス語『かわら』)

J-3

類似するカタカナ発音:「ゥ」、「ワ」行の子音部
 唇を使った音の典型例。とにかくひたすら唇をつぼめてつぼめて丸めて突き出し、舌はやや奥寄りに引っ込めてやればよいのですが、日本語の「ワ」はわずかしか唇をすぼめないので、かなりの人が悩む発音となっています。
 唇を存分にとんがらせて、口に含んだ息を、いっぺんに「ゥワッ」と吐き出すくらいの勢いでやりましょう。
 ヨーロッパ系言語では、この発音が音節の頭に立つ言語は比較的少ないほうですが、音節の途中に。

○この発音のある言語:英語、フランス語、イタリア語、中国語、韓国語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   window「ウィンドウ」(英語『窓』)
   voyage「ヴヮヤージ」(フランス語『旅行』)

J-4

類似するカタカナ発音:「ァ」
 英語、特にアメリカ英語の語末に頻繁に見られる発音です。なぜか「rは舌を巻くものだ」と思い込んで、語末でわざわざ舌を巻く人がいますが、英語の場合には、そんな労力をする必要はありません。ドイツ語でも、しなくてよいことが多々あります。
 英語の音節末に来たときは、舌先をほんの少し持ち上げてやるくらいの感覚で発音すればじゅうぶんです。もともと舌の先端というものは垂れ気味ですので、それを水平にしてやる程度の意識で持ち上げればよいのです。ドイツ語でも日常会話レベルでは同じ要領で発音すればよいです。
 なお、ドイツ語の一部の単語や、ロシア語、スペイン語、イタリア語などでは、音節末に来たときこの「半母音」が用いられず、子音の「r」(R-2)で発音されます。

○この発音のある言語:英語、ドイツ語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   Tochter「トホテァ」(ドイツ語『娘』)
   more「モーァ」(英語『より多くの』)



「ア」に似た母音

「イ」に似た母音

「ウ」に似た母音

「エ」に似た母音

「オ」に似た母音

半母音

鼻母音

二重母音
三重母音






鼻母音

B-1

類似するカタカナ発音:「オン」、「アン」
  口を大きく開きます。とくに縦方向に開くようにしましょう。そして、鼻から息を抜きつつ「オ〜」と言ってみるようにすればよろしい。
 …と書くと一見易しいように見えてしまうのですが、この「鼻から息を抜きつつ発音」が曲者なのです。
 文字で書くと易しそうに見えるのですが、実際に発音してみるとコツが要ります。まず、口は閉じないで、大きく開けた状態を保つこと。そして、舌の後ろの方を軟口蓋に近づけ、喉から出る息が鼻のほうへ送り込まれるように調節します。
 これでも難しい場合は、首をぐっとのけぞらせて発音してみましょう。舌が勝手に軟口蓋にくっついて、口の奥を塞いでくれるので、かなり近い発音ができるようになります。
 なお、この発音は、日本人の耳には「アン」よりもむしろ「オン」に近く聞こえるのが一般的です。

○この発音のある言語:フランス語など

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   ensemble「オンソンブル」(フランス語『ともに』)
   chance「ションス」(フランス語『機会、チャンス』)

B-2

類似するカタカナ発音:「アン」
 この発音では、口をE-2の「エ」を発音するときのように、大きく開きます。やや横長に開くようにしましょう。そして、鼻から息を抜きつつ「ア〜」の音を出すようにすればよろしい。…と、上とほとんど同じことを書いております。
 ということは、難しいポイントも、B-1と同様だということです。「鼻から息を抜きつつ発音」は、慣れないと厄介です。
 存分に練習してください。

 とは言いつつも、この発音、日本語にもあったりします。「ンエ」と続く発音があるとき、早口で発音すると、「ン」の音が鼻音化してこの音になります。
 「信越本線(しんえつほんせん)」「田園調布(でんえんちょうふ)」「挽曳競馬(ばんえいけいば)」「千円札(せんえんさつ)」「前衛的(ぜんえいてき)」などの単語が好例です。

○この発音のある言語:フランス語など

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   inconnu「アンコヌュ」(フランス語『見知らぬ』)
   cinq「サンク/サン」(フランス語『五、五つの』)

B-3

類似するカタカナ発音:「オン」
 口をO-2の形にして、鼻に同時に息を通す感覚で、「オ〜」と発音します。このとき、舌の奥は、軟口蓋に接しているか、ごく近づいているはずです。
 鼻母音は、どれをとっても、慣れないうちは発音に苦労するものです。もちろんこの発音も例外ではありません。
 まあコツを掴むまで練習あるのみです。

 じつはこの発音、日本語にもあるんですよ。「ンオ」と続く発音があるとき、早口で発音すると、「ン」の音が鼻音化してこの音になります。
 「観音寺(かんおんじ)」「新大阪(しんおおさか)」「金華山沖(きんかざんおき)」「卵黄(らんおう)」「半音(はんおん)」などの単語が例になります。

○この発音のある言語:フランス語など

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   garçon「ガルソン」(フランス語『男の子』)
   tromper「トロンペ」(フランス語『だます、裏切る』)

B-4

類似するカタカナ発音:「エン」「オン」
 口の形は、E-4の「ォエ」の形にします。その上で、鼻に息を通す感覚で、「ォエ〜」と発音してみましょう。舌の奥は、軟口蓋に接しているか、ごく近づいた状態になっているはずです。
 現在では、この発音は、B-2の音と同化する傾向にあります。したがって、この発音が難しいと感じる方は、B-2の方式で発音しても問題ないでしょう。
 「どっちも難しい」とおっしゃるかたは…練習してください。 

○この発音のある言語:フランス語など

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   parfum「パルフォン」(フランス語『香水』)
   oucun「オコン」(フランス語『ひとり/ひとつも〜ない』)

B-5

類似するカタカナ発音:「アン」「アィン」
  まず、A-5の要領で「ア」を発音します。そのまま息を口と鼻の両方から押し出します。
 このとき舌の後ろ側を持ちあげると上手に息を抜くことができます。ただの「アン」ではなく「アィン」というように「イ」の音調を帯びるのはそのためです。
 フランス語の「アン」(B-1やB-2)と混同しないようにしましょう。

○この発音のある言語:ポルトガル語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   andar「アンダル」(ポルトガル語『移動する、動く』)

B-6

類似するカタカナ発音:「エン」
 この発音では、口をE-2の「エ」を発音するときのように、大きく開きます。やや横長に開くようにしましょう。そして、鼻から息を抜きつつ「ア〜」の音を出すようにすればよろしい。…と、上とほとんど同じことを書いております。
 ということは、難しいポイントも、B-1と同様だということです。「鼻から息を抜きつつ発音」は、慣れないと厄介です。
 存分に練習してください。

 とは言いつつも、この発音、日本語にもあったりします。「ンエ」と続く発音があるとき、早口で発音すると、「ン」の音が鼻音化してこの音になります。
 「信越本線(しんえつほんせん)」「田園調布(でんえんちょうふ)」「挽曳競馬(ばんえいけいば)」「千円札(せんえんさつ)」「前衛的(ぜんえいてき)」などの単語が好例です。

○この発音のある言語:フランス語など

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   inconnu「アンコヌュ」(フランス語『見知らぬ』)
   cinq「サンク/サン」(フランス語『五、五つの』)

B-7

類似するカタカナ発音:「オン」
 口をO-2の形にして、鼻に同時に息を通す感覚で、「オ〜」と発音します。このとき、舌の奥は、軟口蓋に接しているか、ごく近づいているはずです。
 鼻母音は、どれをとっても、慣れないうちは発音に苦労するものです。もちろんこの発音も例外ではありません。
 まあコツを掴むまで練習あるのみです。

 じつはこの発音、日本語にもあるんですよ。「ンオ」と続く発音があるとき、早口で発音すると、「ン」の音が鼻音化してこの音になります。
 「観音寺(かんおんじ)」「新大阪(しんおおさか)」「金華山沖(きんかざんおき)」「卵黄(らんおう)」「半音(はんおん)」などの単語が例になります。

○この発音のある言語:フランス語など

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   garçon「ガルソン」(フランス語『男の子』)
   tromper「トロンペ」(フランス語『だます、裏切る』)

B-8

類似するカタカナ発音:「エン」「オン」
 口の形は、E-4の「ォエ」の形にします。その上で、鼻に息を通す感覚で、「ォエ〜」と発音してみましょう。舌の奥は、軟口蓋に接しているか、ごく近づいた状態になっているはずです。
 現在では、この発音は、B-2の音と同化する傾向にあります。したがって、この発音が難しいと感じる方は、B-2の方式で発音しても問題ないでしょう。
 「どっちも難しい」とおっしゃるかたは…練習してください。 

○この発音のある言語:フランス語など

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   parfum「パルフォン」(フランス語『香水』)
   oucun「オコン」(フランス語『ひとり/ひとつも〜ない』)



「ア」に似た母音

「イ」に似た母音

「ウ」に似た母音

「エ」に似た母音

「オ」に似た母音

半母音

鼻母音

二重母音
三重母音






二重母音・三重母音

D-1

類似するカタカナ発音:「アィ」
 この発音を見かけたら、「ア」と「イ」を分けて発音してはいけません。
 「そりゃそうだろう」と、誰しも思いますよね。なんたって「ア」と「イ」が続いているんですから。でも、この続け具合が曲者だったりします。なんといっても、日本語の「愛」や「相手」に含まれる「アイ」とは違って、「アィ」は音節1つぶんしか取らないのですから。
 つまり、2つの音をただ続けるというのではなく、ほとんどいっぺんに発音しなければならないのです。とくに、歌を歌うとき(このサイトの主目的は、「海外の歌をきちんとした発音で歌うこと」ですからね)には、「アィ」の音が音符1個分に相当してしまうため、二重母音をうまく発音することがたいへん重要になってきます。
 うまく発音するには、単に「ア」と「イ」を続けてすばやく発音するだけではいけません。というより、ただそのように発音するだけでは、逆にぎこちなくなります。むしろ、「ア」をはっきりと強く発音し、「イ」は添え物程度にするのがコツです。そのため、当サイトでは、カナ表記を「アイ」ではなく「アィ」としているわけです。

○この発音のある言語:英語、ドイツ語、ロシア語など

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   type「タィプ」(英語『種類、様式』)
   Kleid「クラィッ」(ドイツ語『ワンピース、ドレス』)

D-2

類似するカタカナ発音:「アゥ」「アォ」
 この発音も、上の「アィ」同様に、多少のコツが必要です。
 口を広げて「ア」の発音をし、そのまま声を止めずに一気に口をすぼめて「ウ」または「オ」の発音に持っていきます。
 「アゥ」は英語やロシア語などにみられ、「アォ」はドイツ語にみられる発音です。どちらも仕組みやコツは同じで、口のすぼめ具合と、舌の引き込み具合が異なるくらいです。

○この発音のある言語:英語、ロシア語、ドイツ語など

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   Kraut「クラォッ」(ドイツ語『草、ハーブ』)
   bough「バゥ」(英語『大枝』)

D-3

類似するカタカナ発音:「アゥァ」「アワ」
 二重母音というのは比較的多く見られるのですが、三重母音というのはあまり見当たりません。これは、その数少ない三重母音のひとつです。
 上のD-2の要領で「アゥ」を発音したあと、唇から力を抜いて、余力で「ア」とも「ウ」ともつかない曖昧な音を出します。この最後の音の要領は、U-3を見てくださいませ。
 二重母音と同様に一気呵成に発音するわけですが、どうしても長めになるので、歌ではこの発音に対して音符2個分を充てていることもあります。
 この発音は、英語とドイツ語に見られますが、他の言語の例は、筆者は知りません。

○この発音のある言語:英語、ドイツ語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   tower「タゥァ」(英語『塔』)
   Bauer「バォァ」(ドイツ語『農夫』)

D-4

類似するカタカナ発音:「イァ」
 まず「イ」をきちんと発音しましょう。そして、その後に、添えてつけるかのごとく「ァ」を発音します。この「ァ」は、発音記号からも見て取れるように、U-3の「あいまい母音」を使います。決して、日本語の「ア」のつもりではっきりした発音をしないように心掛けましょう。

○この発音のある言語:英語、ドイツ語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   Familie「ファミーリァ」(ドイツ語『家族』)
   clear「クリァ」(英語『澄んだ』)

D-5

類似するカタカナ発音:「ウァ」「ウア」「ウワ」
 まず最初に、U-1の要領で「ウ」を発音します。そしてその後に添えてつけるようにして、あいまい母音の「ァ」を続けます。
 「ウーア」と発音しないようにしましょう(同名の女性歌手もいますが、彼女の名前をここで呼んではいけません)。

○この発音のある言語:英語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   poor「プゥァ」(英語『貧しい、下手な』)
   moor「ムゥァ」(英語『〔泥炭質の〕荒野』)

D-6

類似するカタカナ発音:「ウイ」「ウィ」
 フランス語に特徴的な発音です。U-5の方法で発音する「ユ」の音のあとに「イ」の音を軽く添えた発音です。
 J-2でも取り上げていますが、「ユ」に相当する方の発音は、あまり唇をすぼめすぎないようにしましょう。だからと言って、全くすぼめないのはいけませんけれど。

○この発音のある言語:フランス語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   nuit「ヌュィ」(フランス語『夜』)
   suivre「スュィヴル」(フランス語『〜に続く』)

D-7

類似するカタカナ発音:「エィ」
 E-2の要領で、口を大きく開けて「エ」を発音した後、一気に口を狭めて「イ」の形にもっていきます。こうすることで、発音も自然と「エ」から「イ」に移行してくれます。
 英語には頻繁に出る発音ですので、ぜひマスターしておくべきでしょう。

○この発音のある言語:英語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   frame「フレィム」(英語『枠』)
   say「セィ」(英語『言う』)

D-8

類似するカタカナ発音:「エア」
 E-2の要領で、口を大きく開けて「エ」を発音します。そのまま口と舌の力を抜き、U-3の発音に徐々に変えていきます。
 二重母音を構成する2つの音の響きの違いがはっきりしないので、はじめのうちはやや難しいかもしれません。コツは、必ず、前半の「エ」のほうを強く発音して、後ろの「ア」は添えるだけにとどめることです。日本語の「エア」のような平板な発音にならないように気をつけてください。

○この発音のある言語:英語、ドイツ語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   air「エア」(英語『空気』)
   there「ヅェァ」(英語『そこに、〜がある』)

D-9

類似するカタカナ発音:「オィ」
 O-2の要領で、口を開きぎみにして「オ」を発音した後、一気に口を狭めてI-1の「イ」の形にもっていきます。発音は勝手に「オ」から「イ」に移行してくれます。
 「イ」の音は、あくまで添えるだけです。日本語式の「ボイル」や「ボーイ」のような発音になってはいけません。

○この発音のある言語:英語、ドイツ語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   boil「ボィォ」(英語『沸く』)
   neu「ノィ」(ドイツ語『新しい』)

D-10

類似するカタカナ発音:「オゥ」
 O-1の方法で「オ」を発音した後、すぐに唇をすぼめ、同時に舌は口の奥へ引いてやります。つまり、U-1の「ウ」の発音に遷移させるわけです。
 コツは、「オー」とまっすぐ伸ばさないことです。伸ばすのは、O-1O-2の発音です。必ず唇をすぼめることに留意しましょう。

○この発音のある言語:英語

○この発音を含んだ代表的な単語(カタカナ発音は目安です)
   boat「ボゥッ」(英語『舟』)
   sole「ソゥォ」(英語『靴底』)



「ア」に似た母音

「イ」に似た母音

「ウ」に似た母音

「エ」に似た母音

「オ」に似た母音

半母音

鼻母音

二重母音
三重母音




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