トップページ    ドイツ語の愛唱歌

ALLE VÖGEL SIND SCHON DA
(FRÜHLINGS ANKUNFT)
鳥たちがみんなやってきた(春の訪れ)

小鳥のさえずりに春を感じる歌。

作詞:A.H.ホフマン・フォン・ファラースレーベン(ファレルスレーベン)
作曲:不詳  /  19世紀半ば成立

邦題
『霞か雲か』
『小鳥はみんなやってきた』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)

◆原歌詞:1〜3番
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句

1.
アーレ フェーゲル ズィン ショーン ダー
Alle Vögel sind schon da,

アーレ フェーゲル アーレ
Alle Vögel, alle!

ヴェルヒ アィン ズィンゲン ムーズィツィーァン
Welch ein Singen, Musiziern,

プァイフェン ツヴィッチェァン ティリリィーァン
Pfeifen, Zwitschern, Tiriliern!

フルューリン゜ ヴィル ヌン アィンマーァシィァン
Frühling will nun einmarschier'n,

コムト ミッ ザン゜ ウン シャーレ
Kommt mit Sang und Schalle.

1.
鳥たちがみんなやってきた
鳥たちがみんな、みんな!
なんと素敵に歌ったり、奏でたり、
口笛を吹いたり、さえずったり、
ピイピイ鳴いたりしているんだ!
春はもうすぐやって来る
歌声と響きわたる音とともにやって来る

Musiziern 音楽を奏でること。
Pfeifen 笛を吹くこと。
Tiriliern チイチイとさえずること。
einmarschier'n【動詞】行進してやって来る。 


2.
ヴィー ズィ アーレ ルスティヒ ズィン
Wie sie alle lustig sind,

フリンク ウンッ フロー ズィヒ レーゲン
Flink und froh sich regen!

アムゼル ドロッセル フィンク ウンッ シュターァ
Amsel, Drossel, Fink und Star

ウン ディ ガンツェ フォーゲルシャーァ
Und die ganze Vogelschar

ヴュンシェン ディア アィン フローエス ヤー
Wünschen dir ein frohes Jahr,

ラォテァ ハイル ウンッ ゼーゲン
Lauter Heil und Segen!

2.
みんな、なんて楽しそうなんだ
すばしこく、嬉しげに動き回っている
クロウタドリにツグミにアトリにホシムクドリ
それから全部の鳥の群れが
きみに幸せな年が訪れるようにと願っている
まことの安寧と幸福が訪れるようにと願っている

Amsel【鳥類】クロウタドリ(ヒタキ科)。
Drossel【鳥類】ツグミ(ヒタキ科)。
Fink【鳥類】アトリ(アトリ科)。
Star【鳥類】ホシムクドリ(ムクドリ科)。


3.
ヴァス ズィ ウンス フェアクュンデン ヌン
Was sie uns verkünden nun

ネーメン ヴィア ツー ヘーァツェン
Nehmen wir zu Herzen:

ヴィア アォホ ヴォレン ルスティヒ ザイン
Wir auch wollen lustig sein,

ルスティヒ ヴィー ディ フェーゲラィン
Lustig wie die Vögelein,

ヒーァ ウン ドーァト フェルタォス フェルタィン
Hier und dort, feldaus, feldein,

ズィンゲン シュプリンゲン シェアツェン
Singen, springen, scherzen!

3.
鳥たちが僕らに告げていること
心にしっかり受け止めよう
僕らも陽気になろう
鳥たちのように陽気に
そこかしこで、外に出て行って、
歌ったり、飛んだりはねたり、ふざけ合ったり!

verkünden【動詞・三人称複数現在系】
 〜を告げる、触れ渡す。
feldaus【副詞】(屋内から出て)野外へ。
feldein【副詞】野外に(やって来て)。

このページのてっぺんへ


 ガイド   明治時代に、本邦に『霞か雲か』のタイトルで紹介されたドイツの歌です。ドイツ語の作詞は、『Summ Summ Summ(ぶんぶんぶん)』の詞を書いたことでも知られる、ドイツ国歌の作詞者アウグスト・ハインリヒ・ホフマン・フォン・ファラースレーベン(August Heinrich Hoffmann von Fallersleben、1798〜1874)によるものです。
 『霞か雲か』は、文部省唱歌として、原作とは大きく異なる歌詞を施された歌です。戦前までは教科書にも頻出した歌のようで、年配のかたならおそらくご存知の歌でしょう。原作と同じく、春の訪れをことほぐ内容となっていますが、『霞か雲か』で主体にあげられているのは、鳥ではなく、満開の桜の花です。
 なお、このドイツ語歌詞が日本で紹介されるとき、題名が『小鳥はみんなやってきた』とされていることが多いのですが、「Vogel」には必ずしも「小鳥」という含みはありません。歌詞に登場する鳥はいずれも小鳥ですが。

ひとりごと
 戦後世代で、この歌を「学校で習った、歌った」という人がどのくらいいるか、はなはだ疑問ですな。ネットで当たってみても、「『霞か雲か』なんて歌は知らない」「初めて聴いた歌だ」という文が見受けられました。ちなみに、戦後世代でこの曲を聴いた経験のある人の多くは、ドイツ語のレッスンでこの歌を聴いたか、ピアノやバイオリンなど楽器のレッスンでこの曲を演奏したか、のいずれかがほとんどのようです。
 むろん私も同様で、初めてこの歌を聞いたときに、『きらきら星』と勘違いしたくらいです。
 もっとも、『きらきら星』のオリジナルは隣国フランスの民謡ですし、モーツァルトやハイドンがアレンジしているほど有名な曲ですから、フランスと地続きのドイツで、同じメロディーの歌が民謡として歌われていても、別段おかしくもなんともないのですが。




参考URL:
http://web.utanet.at/toscherf/Kinder/Alle_Voegel_sind_schon_da.htm
http://ingeb.org/Lieder/allevoge.html
http://www.kleinkind-online.de/seiten/kinderlieder/index.htm
http://www.singen-mit-kindern.de/monatslieder/03/Maerz.pdf

MIDI作成ソフト:てきとーシーケンサ Version2.15

このページのてっぺんへ    トップページ    ドイツ語の愛唱歌