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ОЙ МОРОЗ, МОРОЗ 作詞・作曲:А.М.ウヴァーロフ、М.П.ウヴァーロヴァ
ひとりごと MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36)
おお、しばれよ、しばれ
「うちに妻がいるから無事に帰らせてくれ」と酷寒に頼んでいます。
1955年著作・発表。但し民謡を素材としているかもしれません。ガイド参照。
『おお、酷寒よ』
『荒波のしぶき』など
◆原歌詞:1〜6番
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句
1.
オーィ、マロース マロース
Ой, мороз мороз,
ニェー マロース ミニャー
Не морозь меня,
ニェー マロース ミニャー
Не морозь меня,
マィエヴォー カニャー
Моего коня.
ニェ マロース ミニャー
Не морозь меня,
マィエヴォー カニャー
Моего коня.
おお、しばれよ、しばれ
私を凍えさせないでおくれ
凍えさせないでおくれ、
私の馬を
凍えさせないでおくれ、
私の馬を
ここでは、もっとこなれた日本語として「しばれ(凍れ)」を選択しました。
коня【動物・単数対格形】〔おもに軍事・馬事・詩語で〕ウマ。
2.
ニェ マロース ミニャー
Не морозь меня,
マィエヴォー カニャー
Моего коня,
マィエヴォー カニャー
Моего коня
ビェーラグリーヴァヴァ
Белогривого.
凍えさせないでおくれ、
私の馬を
白いたてがみをした
私の馬を
白いたてがみの。
「白い」を意味する接頭辞белоと、「грива(たてがみ)」とを併せた合成語です。
3.
マィエヴォー カニャー
Моего коня,
ビェーラグリーヴァヴァ
Белогривого…
ウゥ ミィニャー ジィナー
У меня жена,
オーフ、リヴニーヴァヤ
Ох, ревнивая.
白いたてがみをした
私の馬を…
私には妻がいる
これがやきもち焼きなんだ
嫉妬深い。
4.
ウゥ ミィニャー ジィナー
У меня жена,
オーフ、クラサーヴィツァ
Ох, красавица,
ジョーッ ミィニャー ダモーィ
Ждёт меня домой,
ジョーッ ピチャーリッツァ
Ждёт печалится.
私には妻がいる
これが美人なんだ
私を家で待っている
心配して待っている
心配する、悲しむ。
5.
ヤー ヴェルヌース ダモーィ
Я вернусь домой
ナ ザカーチェ ドニャー
На закате дня,
アブニムゥー ジィヌゥー
Обниму жену,
ナパィユー カニャー
Напою коня.
私は家に帰りつく
日暮れのころに
妻を抱きしめて
馬に水を飲ませるんだ
<вернуться 帰る。
закате【単数前置格】日暮れ、日没時。
обниму【動詞・一人称単数現在】
<обнять 抱擁する。
напою【動詞・一人称単数現在】
<напоить 飲ませる。
6.
アブニムゥー ジィヌゥー
Обниму жену,
ナパィユー カニャー
Напою коня.
チィー、マロース、マロース
Ты, мороз мороз,
ニェー マロース ミニャー
Не морозь меня.
妻を抱きしめて
馬に水を飲ませるんだ
そなたよ、しばれよ、しばれ
私を凍えさせないでおくれ
…と書いてこのガイドの項を終わってしまうつもりだったのですが、インターネットを当たっていると、思わぬ情報にぶつかりました。どうやらこの歌、今からほんの半世紀ばかり前、つまり20世紀の半ばの1955年に作られた歌だという話があるのです。
各種の記事(下を参照)によると、歌の作者は音楽家のアレクサンドル・ミハイーロヴィチ・ウヴァーロフ(Александр михайлович Уваров、1924?〜2003、享年79歳)と、彼の妻で歌手のマリーヤ・パヴローヴナ・ウヴァーロヴァ(Мария Павловна Уварова、旧姓はモローゾヴァ〔Морозова〕、生年は調査中)によるものだそうです。ウヴァーロフ夫妻がある合唱隊の歌を聴きにいったとき、一人の娘が歌った歌を聞いて、メロディーは良いと思ったけれど歌詞が気に入らなかったとか。そこで、その歌をもらってまっとうな歌詞に作り直し、それに合わせてメロディーにも手を入れたということです。
つまり、この歌は、元は民謡だったかもしれないが、ウヴァーロフ夫妻によって現在知られている形式の歌曲になったというわけです。
ウヴァーロフ夫妻は大衆歌の歌唱グループの指導者でもあり、この新曲をグループ内のソリストの題目にしたようです。
・参照サイト:
なお、J-WIDで検索すると、「著作権は消滅しています」というメッセージが出るので、筆者は、このサイトで『Ой, Мороз, Мороз』を取り上げることについて、何らの問題もないと判断しています。
http://www.telesem.ru/music/music.php?publication=2518
http://www.izvestia.ru/incident/article42452/
http://pravda.kursknet.ru/news.php?article=264
http://www.rodgaz.ru/index.php?action=Articles&dirid=25&tek=13724&issue=172
この文章を書いている今、窓の外では雪が降っています(4月なのに)。もっとも、当地は日本国内ですから、大陸ほど冷え込むことはないので(行ったことはないけれど)、べつに寒すぎるということもありません。
全体的に平坦なロシアは、山がちな日本と違って、あまり雪が積もらないのか、雪にちなんだ民話や歌は思っているほどには数がありません。知られているものでは『郵便馬車の御者だったころ』くらいでしょうか。むしろ、寒さや冷え込みを重点的に扱ったものがしばしば見受けられます。
この歌でも、主人公の男性が馬に乗って移動していることから、馬が歩けるくらいの浅い雪しか積もっていないと推察できます。
話は変わりますが、「馬に水を飲ませる」が妙に唐突に出てくるような感があります。ここでは字義どおりに翻訳しましたが、察するに秘め事のことかもしれません。
こちらのビデオで当ページの和訳とフリガナを使っていただいてます。
参考URL
http://www.pesni.ru/song/19667/ (メイン歌詞)
http://www.tsiganova.ru/ojmoroz_r.html
http://www.prazdnik.by/essential/songs/narod/moroz
http://pesni.retroportal.ru/np2/24.shtml
http://www.karaoke.ru/song/834.htm
http://www.all4wedding.com/articles_261.htm
http://www.smeh.nm.ru/prikol/zastolpesni/morozmoroz.html
http://www.orden.ru/moroz.htm
http://lib.pagan.ru/books/_zpesennik/love/moroz.php
http://www.telesem.ru/music/music.php?publication=2518
http://www.izvestia.ru/incident/article42452/
http://pravda.kursknet.ru/news.php?article=264
http://www.rodgaz.ru/index.php?action=Articles&dirid=25&tek=13724&issue=172
ページ作成:2007年4月
ページ最終更新:2010/07/24