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◎カタカナ表記の手引き

 このサイトでは、アルファベットにカタカナで読み仮名を振っています。
 製作者がカタカナと原音をどのように対比させているかを、一覧にしました。

てっとり早いのが良い人は…
◎超速!フリガナの法則解説をご覧になってください。

ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 



「ア」「イ」「ウ」「エ」「オ」「ヴ」

発音記号
なら…










など。
 基本的に、口を大きく開き、舌をあまり前には出さない母音を表します。
   ロシア語・ドイツ語・フランス語・スペイン語などでは、日本語の「ア」よりも口を大きめに開いて明るく発音した母音の表記に用いています。
 英語の場合は、
 [1]口を大きく開け、舌をやや前に出した「ェア」に近い発音。舌の出しすぎには注意。「cat」の「a」の音。
 [2]口を半開きにして、舌の力を抜いた発音。「cup」の「u」の音。
 [3]口を半開きにし、顎と舌の力を抜いた発音。いわゆる「アクセントのないa」。
を表しています。
●「ア」「アー」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:а、о 
ドイツ語:a、ah 
フランス語:a 
英語:a、u、ar
スペイン語:a 
イタリア語:a
ポルトガル語:a
  • 「アー」と表記しているときは、口を大きく開いた基本の発音を、そのまま1.5倍から2倍ほどに伸ばした発音を表します。
  • ロシア語の表記では、оにアクセントが置かれていないときは「ア」、置かれているときは「オ」としました。
  • 小さいカタカナ母音と一緒に表記することで、二重母音の主母音として使っています。下の「小さなァィゥェォ」をご覧ください。
       例)「アィ」:ロシア語のай、英語のai、ay、ドイツ語のei、フランス語のaï
         「アゥ」:ロシア語のау、英語のau、ou
         「アォ」:ドイツ語のau
  • フランス語の鼻母音「in/im/ain/aim/ein/eim」などを表記するのに、「アン」を用いています。「an/am/en/em」を表記するのには、「オン」を用いました。
  • ポルトガル語の鼻母音「aõ」などを表記するのには「アゥン」を用いています。
  • 子音を伴う場合、「カ」「ガ」「サ」「ザ」「シャ」「ジャ」「タ」「ダ」「チャ」「ヂャ」「ツァ」「ナ」「ハ」「バ」「パ」「マ」「ヤ」「ラ」「ワ」「ヴァ」などで表記しています。

 

発音記号
なら…



など。
 基本的に、口を横に引いて、上下の歯のあいだを狭めた母音を表します。舌も左右に引っ張られ気味になるのが特徴です。
 すべての言語で、いわゆる「イー」の音の表記に用いています。 
 また、ロシア語、ドイツ語、フランス語では、日本語の「イ」とほぼ同じ発音も表します。
 英語の場合は、唇をやや横に引いた、いわば「イ」と「エ」の中間のような音も表します。
・「イ」「イー」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:и 
ドイツ語:i、ih 
フランス語:i 
英語:i、e、y、ee、ea
スペイン語:i、y 
イタリア語:i
ポルトガル語:i、e
  • 「イェ」と表記することで、英語の、発音記号/je/で表される音を表しています。
       例:「yellow<イェロゥ>」の初めの音
  • 「テイ」「デイ」と表記することで、「ティ」「ディ」の音ではなく「エィ」の音を含んだ綴りであることを表しています。
       例:英語の「tales」に「テイォズ」と仮名表記
        (「ティォズ」とすると、「tills」という綴りに対する表記になる)
  • 子音を伴う場合、「キ」「ギ」「シ」「ジ」「スィ」「ズィ」「チ」「ヂ」「ティ」「ディ」「ツィ」「ニ」「ヒ」「ビ」「ピ」「フィ」「ミ」「ィイ」「リ」「ウィ」「ヴィ」などで表記しています。

発音記号
なら…






など。
 便宜上「ウ」で表していますが、この音は、日本語の「ウ」とは響きが全然違っています。
[1]唇をすぼめて、下を口の奥へ引いて発音する母音を表しています。この発音は、当サイト内のすべての言語に見られます。
[2]フランス語の発音で、口、顎、舌の力を抜いて発音するあいまいな母音を表しています。この発音は、日本語の「ウ」に比較的近く発音されます。
・「ウ」「ウー」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:у 
ドイツ語:u、uh 
フランス語:e、ou 
英語:oo、ou
スペイン語:u、y 
イタリア語:u 
ポルトガル語:u、o
  • [1]の発音を強調するために、「クゥ」「スゥ」「ツゥ」「ヌゥ」「ムゥ」「ルゥ」のように「小さなゥ」を伴わせていることがあります。
  • 「ウィ」「ウゥ」「ウェ」「ウォ」の形で、フランス語の「oui」や英語の「wi/woo/we/wa」などの発音表記に用いています。
  • 「トウ」「ドウ」の形で、「トゥ」「ドゥ」ではなく「オゥ」の音を含んでいることを表しています。
  • 子音を伴う場合、「ク」「グ」「ス」「ズ」「シュ」「ジュ」「チュ」「ヂュ」「ツ」「ツー」「ヌ」「フ」「ブ」「プ」「ム」「ユ」「ル」「ウゥ」「ヴゥ」などで表記しています。

発音記号
なら…








など。
 すべて同じ「エ」で表記してしまっていますが、唇の形で大きく3種類に分けることができ、
[1]口をやや横に引いて、舌を前に出した母音
[2]唇を丸く形作って、舌を前に出した母音
[3]口を大きく開けて、舌を前に出した母音
  を表しています。
 [1]は、日本人の耳にはほとんど「イ」と区別がつかないかもしれません。俗に「講談師の『エ』」とも言う発音で、講談師が話の初めに、「エー、本日はお日柄もよく…」などと言うときの、潰れたような発音です。
 [2]は、ドイツ語やフランス語を機能的に話すためには欠かせない発音です。日本語には無いため、たいていの人には耳慣れない音なのですが、たまに若手芸能人が、口を尖らせながら「エ〜ッ!?」と発音するとき、この音に近い発音になっていることがあります。
 [3]は比較的日本語の「エ」に近い発音です。日本語の「エ」を、大口を開けて発音しても、実際上は問題ないでしょう。
 英語とスペイン語の場合は[3]のみ、ロシア語・イタリア語・ポルトガル語では[1]と[3]、ドイツ語とフランス語は[1]、[2]、[3]の全てが存在します。
・「エ」「エー」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:е、э 
ドイツ語:e、eh、ä、äh、ö、öh 
フランス語:e、ë 
英語:e、ea
スペイン語:e 
イタリア語:e 
ポルトガル語:e
  • 「エゥ」の表記で、フランス語の「œ」や「eu」「œu」による発音を表しています。
  • 「ィエ」の表記で、ロシア語の、発音記号/je/で表される音を表しています。
        例:「ехать<ィエハーチ>」の初めの音
  • 「エァ」の表記で、英語の「cat」の「a」の発音のうち、強め・長めに発音されるものを表していることがあります。
        例:「happy<ヘァピ>」の初めの音
  • 二重母音は次のように表記しています。
       例)「エア」:英語のair
              (小文字を入れた「エァ」は二重母音としては使いません。)
         「エィ」:ロシア語のей、英語のei、ayなど
  • 子音を伴う場合、「ケ」「ゲ」「セ」「ゼ」「シェ」「ジェ」「チェ」「ヂェ」「ツェ」「テ」「デ」「ニェ」「ネ」「ヒェ」「ビェ」「ピェ」「フェ」「ヘ」「ベ」「ペ」「メ」「ィエ」「レ」「ヴェ」などで表記しています。

発音記号
なら…




など。
 唇はやや丸めぎみ、舌は口のやや奥に引っ込ませた形の母音を表します。
 ロシア語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語では、唇を日本語の「オ」よりもかなりすぼめて、舌を口の奥に引っ込ませるようにして発音します。
 逆に、英語では、日本語よりも口をやや広めに開け、「オ」よりもむしろ「ア」の音が入った音で発音します。
 ポルトガル語ではこの両方の「オ」が存在します。
・「オ」「オー」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:о 
ドイツ語:o、oh 
フランス語:o、au、eau 
英語:o、a、oa、al
スペイン語:o 
イタリア語:o 
ポルトガル語:o
  • 「オゥ」の表記で、英語の二重母音/ou/を表しています。
  • ロシア語では、оにアクセントが置かれているときは「オ」、置かれていないときは「ア」と表記しました。
  • フランス語の鼻母音「an/am/en/em」は、一般には「アン」と表記されますが、当サイトでは、日本人の耳にはむしろ「オン」と聞こえることを承けて、「オン」と表記しています。鼻母音の「on/om」も同様に「オン」と表記しています。
  • ポルトガル語のうちイベリアポルトガル語では、語末のoはしばしば「ウ」と発音されます。当サイトでもそを踏襲しました。
  • 子音を伴う場合、「コ」「ゴ」「ショ」「ジョ」「ソ」「ゾ」「チョ」「ヂョ」「ツォ」「ト」「ド」「ノ」「フォ」「ホ」「ボ」「ポ」「モ」「ロ」「ウォ」「ヴォ」などで表しています。

発音記号
なら…

 上の前歯を下唇のやや内側寄りに載せ、息で唇を振動させて発音する子音を表しています。振動が無いと、/f/の発音になり、当サイト内では「フ」で表記しています。
 この表記法は、かの福沢諭吉が考案したというのが通説です。
 「f」や「v」を発音するとき、日本人は唇をやたらと噛み締める傾向がありますが、噛む必要はまったくなく、上の前歯を下唇にあてがってやるだけでよいのです。したがって、「v」の発音は、日本人がイメージしているよりも、かなり易しい発音といえるのです。
・「ヴ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:в、г+母音(一部語尾のみ) 
ドイツ語:w、v(一部) 
フランス語:v 
英語:v、f(一部)
スペイン語:該当発音なし 
イタリア語:v、w(まれ) 
ポルトガル語:v
母音を伴うと「ヴァ」「ヴィ」「ヴゥ」「ヴェ」「ヴォ」「ヴャ」「ヴュ」「ヴョ」「ヴヮ」という表記になります。


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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 






小さい「ァ」「ィ」「ゥ」「ェ」「ォ」

小さい

発音記号
なら…










など。
 「ファ」「ヴァ」のように、従来の日本語に無いような、子音と母音「ア」の組み合わせを表すのに使います。また、音節の最後が「母音+r」のときに、rの発音を示すための表記として使用することがあります(とくにドイツ語)。
 また、二重母音・三重子音で、2番めに「ア」の音が来るとき、「小さなァ」を用いて表しています。
・小さな「ァ」「ァー」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:а 
ドイツ語:a、ah、r(母音の直後) 
フランス語:a 
英語:a、u、r(母音の直後)
スペイン語:a 
イタリア語:a 
ポルトガル語:a
  • 英語の発音で、「子音+ァ」の表記で、「エ」と「ア」の中間のような、いわゆる「catのa」を表していることがあります。
       例)cat「ケァッ」(意味は『ネコ』)、happy「ヘァピ」(意味は『幸せな』)
  • 「ウァ」「ゥァ」「ウァー」の表記は、英語のあいまい母音の長音を表しています。
       例)turn「トゥァン」(意味は『曲がる』)、bird「ブァーッ」(意味は『鳥』)
  • 「ァァ」「ィァ」「ゥァ」「ェァ」「ォァ」の表記で、「日本語に無い子音+母音+r」の組み合わせを表しています。
       例)schwartz「シュヴァァツ」(ドイツ語『黒い』)
         fiere「フィェァ」(フランス語『誇っている』)
         world「ウェァォッ」(英語『世界』)
     このうち「ゥァ」は、英語のあいまい母音を表すのにも使いますが、ほかの言語にはこの発音がありませんので、表記がごちゃ混ぜになる心配はありません。

小さい

発音記号
なら…



など。 
 「スィ」「ツィ」「ティ」「フィ」「ヴィ」のように、従来の日本語に無いような、子音と母音「イ」の連続している組み合わせを表すのに使います。また、母音の直前に/j/の発音が伴われるときも、この字を使います。
 このほか、二重母音・三重母音で、2番めに「イ」の音が出てくるときも、「小さなィ」を用いて表します。
 ロシア語で、子音が軟音化していて、更に後ろに母音が続いている場合、「該当子音+イ段」のカナ(「キ」「シ」「ニ」「ピ」など)のあとに「小さなィ」をつけて表記しています。
・小さい「ィ」「ィー」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:и、й、е、ё、ь 
ドイツ語:i、ih、j 
フランス語:i、j 
英語:i、e、y、ee、ea
スペイン語:i,y 
イタリア語:i 
ポルトガル語:i
  • ロシア語のйは、ほぼ必ず直前にほかの母音を伴うので、「アィ」「アーィ」「イィ」「エィ」「エーィ」「オィ」などの、「小さなィ」の形で出てくることがほとんどです。
  • 軟母音の「я」「е」「и」「ё」「ю」は、それぞれ「ィヤ/ィヤー」「ィエ/ィエー」「ィイ/ィイー」「ィヨー」「ィユ/ィユー」と表記していますが、文字表記の見た目が煩雑になりそうな場合で、表記を簡略化しても発音に差し支えないだろうと判断した場合は「ヤ/ヤー」「ィエ/ィエー」「イ/イー」「ヨー」「ユ/ユー」と表記しています。
  • ロシア語のьは、「直前の子音のあとに、ヤ行の子音をくっつけて発音する」意味を持っているので、実際には「イ」の音は伴いません。ただし、音節末に「нь」「рь」「сь」の形で出てきたときにのみ、発音を強調する意味で、「ヌィ」「ルィ」「スィ」と仮名を振ることがあります。もっとも、音節末に「ィ」を表記したとき、大部分は、「ы」「и」「ый」で終わるタイプです。
  • 二重母音・三重母音を含む単語の例
     Seil「ザィル」(ドイツ語『綱』)
     kleine「クラィネ」(ドイツ語『小さな』)
     fire「ファィァ」(英語『火』)

小さい

発音記号
なら…






など。
 「トゥ」「ドゥ」のように、従来の日本語に無いような、子音と母音「ウ」の組み合わせがあるときに用います。
 大きい「ウ」同様、唇をすぼめ、下を奥に引いて発音します。日本語の「う」とは基本的に異なる発音です。
 また、音節末が母音の「ウ」で終わることを強調するために、音節末に「ゥ」を置くことがあります。
・小さい「ゥ」「ゥー」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:у 
ドイツ語:u、uh 
フランス語:e、ou 
英語:oo、ou
スペイン語:u 
イタリア語:u 
ポルトガル語:u、o、l(語末のみ)
  • フランス語の「œ」や「eu」「œu」による発音を表すために、「エゥ」という表記を使用しています。なお、この音を表すのに、「エュ」の表記を用いることもあります(直後の発音によっています)。
  • 英語やロシア語の二重母音では、下のような例で、小さい「ゥ」を用いています。
       例)「アゥ」:英語のou、ow(proud「プラゥド」、now「ナゥ」など)
         「オゥ」:英語のou、oa、ow(soul「ソゥォ」、boat「ボゥッ」など)
     ただし、/tou/、/dou/と発音される場合は、「トゥ」「ドゥ」との混同を避けるため、大きい「ウ」を用いて「トウ」「ドウ」と表記しています。
  • 英語で、語頭の「w」の存在を強調するために、「ゥワ」「ゥウ」などの表記をしていることがあります。
  • ロシア語の男性・中性名詞の与格と、女性名詞の対格のうち「子音+у」で終わるものについては、「ウ」の音の存在を強調するため、語尾に「ゥ」を記しました。
       例)дорогу「ダローグゥ」(意味は「道を」)
         недельку「ニェヂェリクゥ」(意味は「一週間を」)
  • ブラジルポルトガル語で、語尾の「l」は「w」と同様に発音するため、「ゥ」ないし「ウ」の表記を採っています。

小さい

発音記号
なら…








など。
 「シェ」「チェ」「ツェ」「ニェ」「リェ」のように、従来の日本語に無いような、子音と「エ」の組み合わせがあるときに使用しています。
 また、日本語の「エ」よりも口を開いて発音する音であるとき、この字を添えて「エ」を大きく口を開けて発音するように促しています。
・小さい「ェ」「ェー」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:е、э 
ドイツ語:e、eh、ä、äh、ö、öh 
フランス語:e、ë 
英語:e、ea
スペイン語:e 
イタリア語:e 
ポルトガル語:e、ê、é
  • 実例:берег「ビリェーク」(ロシア語『岸』)
      wenn「ヴェン」(ドイツ語『〜ならば、〜したら』)
      chemin「シェマン」(フランス語『道』)

小さい

発音記号
なら…





など。
 「ウォ」「ヴォ」「ツォ」「フォ」のように、従来の日本語に無いような、子音と「オ」の組み合わせがあるときに使用しています。
 また、ドイツ語の、つづりがauで表される二重母音を表記するのに、「アォ」の表記を用いています(実際のドイツ語でも、「アォ」と発音しているように聞こえます)。
 英語で「l(エル)」が語尾または音節末に来たときに、「ォ」の表記を用いています。
・小さい「ォ」「ォー」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:о 
ドイツ語:o、oh 
フランス語:o、au、eau 
英語:l、o、a、oa、al
スペイン語:o 
イタリア語:o
  • 実例:ничего「ニチィヴォー」(ロシア語『何もない』)
      volle「フォレ」(ドイツ語『いっぱいの』)
      will「ウィォ」(英語『〜だろう』)、welcome「ウェォカム」(英語『ようこそ』)


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小さいワ
記号  空欄 




「カキクケコ」「ガギグゲゴ」「キャキュキェキョ」「ギャギュギェギョ」「クュケゥケュ」





発音記号
なら…

 舌の後ろの部分を、上あごの奥の柔らかい場所(軟口蓋)にぶつけて出す、子音の発音です。
 日本語の「カ」行の発音と、ほとんど同じ発音ですので、「カ行の子音」とみなして発音して構いませんが、「カ」「ケ」「コ」と「キ」「ク」では、舌を当てる位置が異なっていることに留意しましょう。
 日本語の「カ」「ケ」「コ」では口の奥寄りの軟口蓋部分を使いますが、「キ」「ク」ではもっと前の、硬口蓋と軟口蓋の境目あたりか、場合によってはそれよりも手前(つまり硬口蓋部分)で調音しています。ヨーロッパ系言語では口の奥の部分の「カ」「ケ」「コ」の位置で調音します。「キ」や「ク」に似た音を発音するときは、この点に注意する必要があります。
・「カキクケコ」で表しているおもな欧文文字(子音のみ)
ロシア語:к 
ドイツ語:k、g(語尾のみ、一部の単語)、q 
フランス語:c、ch、q、qu 
英語:c、ch、k、q
スペイン語:c、qu 
イタリア語:c、ch 
ポルトガル語:q、c
  • 「q」の文字は、多くの場合、後ろに「u」を伴った「qu」のかたちで出てきますが、この綴りの発音は言語によって異なります。
      ・ドイツ語:「クヴ」 > 例:qualität「クヴァリテーッ」(意味は『品質』)
      ・フランス語:「ク」 > 例:quelque「ケルク」(意味は『いくつかの』)
      ・英語:「クゥ」 > 例:quick「クゥィク」(意味は『すばやい』)
           (queue「キュー〔列〕」のように、例外もあります。)
      ・スペイン語:「ク」「ケ」 > 例:quieto「キェートォ」(意味は『静止した、静かな』)
      ・イタリア語:「クゥ」 > 例:acquario「アックヮーリョ」(意味は『水槽、水族館』)
      ・ポルトガル語:「クゥ」「ク」 
  • 声を出しながら発音すると「ガギグゲゴの子音」である「g」になります。また、鼻から息を吐くつもりで発音すると、鼻母音の「ng」になります。





 

発音記号
なら…



 このカタカナ表記では、次の二つの発音を表します。
 [1]舌の後ろの部分を、上あごの奥の柔らかい場所(軟口蓋)にしっかりぶつけて、声とともに出す子音です。日本語の「ガ」行の発音と、ほとんど同じ発音ですので、カタカナどおりに発音して構いませんが、上の「カ」「キ」「ク」「ケ」「コ」の場合と同様に、日本語では続く母音によって調音方法が異なる点に気をつける必要があります。
 また、日本語では、しばしば鼻音化して「カ゜」「キ゜」「ク゜」「ケ゜」「コ゜」の発音として発声されることがあります。ヨーロッパ系言語では、母音が続く場合に鼻音になることがありません。これも日本人が留意しておくべき点です。
 このタイプの「ガギグゲゴ」は必ず「ガゲゴ」の子音で発音しましょう。
 [2]舌の後ろの部分を、軟口蓋に近づけるが当てはしないすれすれの位置に保ち、声門を締めて、声を出して発音します。少しかすれたような「ガ」行の音になります。「ハヘホ」の[2]番の発音の有声音です。この発音は、スペイン語やアラビア語に見られます。
・「ガギグゲゴ」で表しているおもな欧文文字(子音のみ)
ロシア語:г 
ドイツ語:g(語尾および子音の直後を除く)
フランス語:g
英語:g 
スペイン語:g、w(外来語のみ) 
イタリア語:g
ポルトガル語:g、gu
  • 声を出さないように発音すると、「k」の発音になります。このサイトでは「カキクケコ」などで表しています。
    また、鼻から息を吐くようにして発音すると、鼻母音の「ng」になります。このサイトでは「ン」ないし「ン゜」で表しています。
  • スペイン語で、外来語の「w」を発音するときは、「g」に類似した「グヮ」「グゥィ」「グェ」「グォ」、または「b」に類似した「ブァ」「ブィ」「ブ」「ブェ」「ブォ」のような発音になることが多いです。

キャ
キュ
キェ
キョ

発音記号
なら…

 舌の後ろの部分を、上あごの奥の柔らかい場所(軟口蓋)にぶつけ、同時に舌の真ん中の部分を上あごに近づける発音です。
 日本語の「キャ・キュ・キェ・キョ」で、じゅうぶん間に合いますので、カタカナどおりに発音して構いません。
・「キャ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:ке、кё、кю、кя 
ドイツ語:kj 
フランス語:ca 
英語:ca
スペイン語:ca 
イタリア語:ca
  • 英語で「『ca』+子音」になるときの「ca」の発音は、「キャ」よりもむしろ「ケァ」に近い音です。このサイトでも、多くは「ケァ」で表しています。
    「小さい『ァ』」の項をご覧ください。
  • フランス語の「cu」や「ceu」などに対しては、「クュ」「ケュ」などの表記を用いています。

ギャ
ギュ
ギェ
ギョ

発音記号
なら…


 舌の後ろの部分を、上あごの奥の柔らかい場所(軟口蓋)にぶつけ、同時に舌の真ん中の部分を上あごに近づけながら、声帯を振動させる発音です。
 日本語の「ギャ・ギュ・ギェ・ギョ」で、じゅうぶん間に合いますので、「『ギャ』行の子音」とみなして発音して構いません。

・「ギャ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:ге、гё、гю、гя 
ドイツ語:g 
フランス語:g 
英語:g
スペイン語:まれ 
イタリア語:まれ 
ポルトガル語:まれ
  • イタリア語の「gli」については「リ゛ャ」行の項目をご覧ください。

クュ
ケゥ
ケュ

発音記号
なら…






 舌の後ろの部分を軟口蓋にぶつける発音、すなわち上記の「カキクケコ」に該当する子音と、ウムラウト母音とが続いたときの表記です。日本語ではこんな表記はしませんから、多少戸惑われるかたもいるかもしれません。
 フランス語やドイツ語に頻出します。
・「クュ」「ケゥ」「ケュ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:該当発音なし 
ドイツ語:kü 
フランス語:cu、cœ、ceu 
英語:該当発音なし
スペイン語:該当発音なし 
イタリア語:該当発音なし 
ポルトガル語:該当発音なし
  • フランス語における「セゥ」「ゼゥ」「セュ」「ゼュ」「ネゥ」「ネュ」「メゥ」「メュ」などの表記は、いずれも「ケュ」「ケュ」と同じ要領で発音します。母音の発音に気をつければ、特に難しいものではないと思います。



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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 







「サスセソ」「ザズゼゾ」「シャシシュシェショ」「ジャジジュジェジョ」「スィスェ」




発音記号
なら…


 この表記は、以下の二つの発音のどちらかを示しています。
[1]舌の先を、上の前歯に近づけて、息を吐き出す発音です。日本語の「サ」行の子音に似ていますが、日本語とは異なり、舌先を歯から離しておくのが特徴です。後続の母音・子音の発音にも気をつけてください。
[2]舌の先と、上の前歯の先とを合わせ、舌の両脇と奥歯とのあいだにできた隙間から、息を吹き出す発音です。日本語にはない発音で、英語の「th」で典型的に表されることから、日本では俗に「th(ティー・エイチ)サウンド」などと呼ばれたりもしています。英語の「thank」や「myth」といった語に現れます。
・「サスセソ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:с 
ドイツ語:s(語頭および母音の直後を除く)、ss、ß 
フランス語:s、ç
英語:s、ss、th(一部)
スペイン語:s、z、c 
イタリア語:s 
ポルトガル語:s、ç、z
  • 「シ」は、「サ・ス・セ・ソ」とは全く異なる発音を表すので、別項目として立ててあります。




 

発音記号
なら…


 この表記は、以下の二つの発音のどちらかを示しています。
[1]舌の先を、上の前歯に近づけて、息を吐き出す有声音の発音です。日本語の「ザ」行の子音に似ていますが、舌先を前歯から離したままにしておくことが大事です。後続の母音・子音の発音にも気をつけてください。
[2]舌の先と、上の前歯の先とを合わせ、舌の両脇と奥歯とのあいだにできた隙間から、息を吹き出す有声の発音です。
 日本語にはない発音で、英語の「th」で典型的に表されることから、日本では俗に「th(ティー・エイチ)サウンド」などと呼ばれたりもしています。英語の「that」や「with」といった語に現れます。
・「ザズゼゾ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:з 
ドイツ語:s(語頭および母音の直後) 
フランス語:s 
英語:s、z、th(一部)
スペイン語:s、z(個人差・方言による)
イタリア語:該当発音なし 
ポルトガル語:z
  • 英語の「th」の有声音は、基本的に「ヅァ」「ヅィ」「ヅ」「ヅェ」「ヅォ」で表記しています。
  • 「ジ」は、「ザ・ズ・ゼ・ゾ」とは異なる発音を表すので、別項目として立ててあります。

シャ

シュ
シェ
ショ

発音記号
なら…

など。
 この表記は、言語によって、異なる発音を表しています。
 ややこしいので注意してください。
【ドイツ語・フランス語・英語の場合】
 このカタカナ表記は、「唇をすぼめ、少し突き出し気味にして、舌全体を上あごに近づけ、息を吐き出す発音」となります。
 日本語の「シャ」行は、全く唇をすぼめないので、本来、このカタカナで表すのは不適切なのですが、ほかに適切な文字がないため、「シャ」行で表しています。
 ドイツ語やフランス語のほうが、英語よりも、やや強めに唇をすぼめます。
【ロシア語の場合】
 ロシア語で、「シャ」行で表せる字には、「ш」と「щ」の2つがあります。この二つは、響きがかなり違っています。
 「ш(シャー)」は、舌をぐっと反らせて、舌の先を上あごの真ん中辺りに近づけ、舌の中央をくぼませて発音します。かなりこもった独特の響きになります。
 「щ(シシャー)」は、舌をぐっと反らせて、舌の先を上の前歯の裏側に近づけて発音します。この発音は、日本語の「シャ」行の発音に、非常に良く似ていますので、カタカナ発音の「シャ」行で代用も可能です。
・「シャ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:ш、щ 
ドイツ語:sch 
フランス語:ch 
英語:sh
スペイン語:外来語のみ
イタリア語:外来語のみ 
ポルトガル語:ch、x

ジャ

ジュ
ジェ
ジョ

発音記号
なら…



など。
 この表記は、上の「シャ・シ・シュ・シェ・ショ」と同様に、言語によって、異なる発音を表しています。ややこしいので注意してください。
【ドイツ語・フランス語・英語・ポルトガル語の場合】
 このカタカナ表記は、「唇をすぼめ、少し突き出し気味にして、息を吐き出す有声音の発音」となります。
 舌の先は、口の中のどこにも触れません。下の「ヂャ」行と大きく異なる点がこれです。
 日本語の「ジャ」行は、全く唇をすぼめないうえ、しばしば舌が上の前歯の裏に触れるので、本来、このカタカナで表すのは不適切なのですが、ほかに適切な文字がないため、「ジャ」行で表しています。
 ドイツ語やフランス語のほうが、英語よりも、やや強めに唇をすぼめます。このあたりは「シャ」行と同様です。
【ロシア語の場合】
 このカタカナ表記は、「舌をぐっと反らせて、舌の先を上あごの真ん中辺りに近づけ、舌の中央をくぼませて発音する有声音」を指しています。
 すなわち、「ш(シャー)」の有声音です。「ш」と同様に、こもった独特の響きの発音です。
 「щ(シシャー)」の有声音に相当する発音はありません。
【スペイン語・イタリア語の場合】
舌の中ほどを盛り上げて上あごに近づけ、舌の先端は下側の前歯の裏にあてがって、舌の両脇から息を噴き出す音を表します。当サイトでは、この発音にはたいてい「リ゛ャ」「リ゛」「リ゛ュ」「リ゛ェ」「リ゛ョ」のカタカナを振っています。
・「ジャ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:ж 
ドイツ語:s(外来語のみ) 
フランス語:g、j 
英語:s
スペイン語:ll、y(いずれも個人差・地方差あり)
イタリア語:外来語のみ 
ポルトガル語:j

スィ
スェ

発音記号
なら…

 舌の先は「サ・ス・ソ」と同じように柔らかく保ったまま、息を吐きながら、「イ」「エ」の発音をします。
 「シ」や「セ」とは違う音なので、混同しないように。
・「スィ」「スェ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:с 
ドイツ語:s 
フランス語:c、s 
英語:s
スペイン語:c、s、z
イタリア語:c、s 
ポルトガル語:c、s

ズィ
ズェ

発音記号
なら…

 舌の先は「ザ・ズ・ゾ」と同じように柔らかく保ったまま、息を吐きながら、「イ」「エ」の発音をします。
 「ジ」「ヂ」「ジェ」「ゼ」「ヂェ」などとは違う発音です。
・「ズィ」「ズェ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:з 
ドイツ語:s 
フランス語:s 
英語:s、z
スペイン語:s、z(個人差・方言による)
イタリア語:該当発音なし 
ポルトガル語:z



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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 







「タテティテュトトゥ」「ダデディデュドドゥ」「チャチチィチュチェチョ」
「ヂャヂヂュヂェヂョ」「ツ」「ヅ」「小さなッ」



ティ
テュ

トゥ

発音記号
なら…

 多くの場合、ローマ字の「t」で表される子音、すなわち日本語の「タ」「テ」「ト」の子音を表しています。
 舌の先を前歯の裏に当て、息を抜くと同時に離します。日本語にもある発音ですので、母音に気をつけさえすれば、子音のほうはまったく難しくない音です。
 ただし、英語の場合は要注意。他の言語(ロシア語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語など)とは異なり、舌の先を、前歯の裏ではなく、上の歯茎や、更に後ろの硬口蓋部分に当てて調音します。このとき、息の吐きだし具合もやや強くなります。「d」の場合も同様です。
・「タ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:т、д 
ドイツ語:t、d 
フランス語:t 
英語:t
スペイン語:t
イタリア語:t
  • 「ト」の字が語尾に来たときは、子音だけの発音をあらわしていることがほとんどです。母音を伴わないように気をつけてください。
  • 「トゥ」が語尾にあるときは、語尾に「u」の音があるということですから、唇をしっかりすぼめて発音してください。
  • 語尾が「母音+t」になったときには、「t」音を「ッ」で表記しています。
  • 語尾が「子音+t」で終わるとき、とりわけ、次の単語が「t」または「d」の音で始まるときは、前の単語の語尾の「ト」を省いていることがあります。
    とくに、ドイツ語の「ist」「und」では、たいてい最後の「ト」の表記は省きました。



ディ
デュ

ドゥ
 

発音記号
なら…

 多くの場合、ローマ字の「d」で表される子音、すなわち日本語の「ダ」「デ」「ド」の子音を表しています。
 日本語にもある発音ですから、語尾に来た場合を除き、べつだん苦労はしないはずです。
 ただし、英語の場合は注意が必要です。他の言語(ロシア語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語など)とは異なり、舌の先を、前歯の裏ではなく、上の歯茎や、更に後ろの硬口蓋部分に当てて調音します。このとき、息の吐きだし具合もやや強くなります。「t」の場合も同様です。
・「ダ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:д 
ドイツ語:d 
フランス語:d 
英語:d
スペイン語:d
イタリア語:d 
ポルトガル語:d
  • ロシア語で「де」という綴りは、「デ」よりも「ヂェ」または「ヂィ」に近い音を表しますので、このサイトでも「ヂェ」「ヂィ」と表記しました。
  • 英語で、「母音+d」の形が語尾に来たときは、「d」の音は「ッ」で表しました。また、「子音+d」の形が語尾に来たときには、「ド」で表記しました。
  • 「and」などのように、強制が置かれにくい単語では、「d」音の表記そのものを省いています。もちろん、カタカナ表記どおりに発音しても、問題がないようにしてあります。

チャ

チィ
チュ
チェ
チョ

発音記号
なら…


【ドイツ語と英語の場合】
 [1]唇をすぼめて、舌の先を、上の前歯の裏で弾ませる発音です。
【ロシア語の場合】
 次の2通りの発音の表記に使用しています。
 [2]舌をそらせて、舌先を上あごの中央付近で弾ませる発音で、原語では「ч」の字で表されます。
 [3]舌の前半分を上あごにつけ、舌先を上の前歯の裏に付けた発音で、原語では「ты」「ть」の綴りで表されます。このうち「ты」は母音を伴っています。
【フランス語・スペイン語・イタリア語の場合】
 [4]舌の前の部分を、上の歯茎の裏につけて、素早く離しながら出す発音です。これは日本語の「チャ」行に似ています。

 [1]〜[3]は、日本語の「チャ」行とは異なる音なので、日本語式に発音して平板な音にならないように注意しましょう。
・「チャ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:ч、ты、ть 
ドイツ語:tsch、tzch 
フランス語:ti、tu 
英語:ch、tch 
スペイン語:ch 
イタリア語:ce、ci 
ポルトガル語:ti、te(ブラジルポルトガル語で顕著)

ヂャ

ヂュ
ヂェ
ヂョ

発音記号
なら…

 上の「チャ・チ・チュ・チェ・チョ」の有気音を表すのに使う仮名です。「ジャ」行が、舌先が口の中のどこにも触れない発音であるのに対し、「ヂャ」行は、舌先が上の前歯の裏にしっかりと付きます。
 日本語で「ジャ・ジ・ジュ・ジェ・ジョ」と書かれている文字を発音するとき、多くの人はこの「ヂャ」行の発音を用いています。 【ドイツ語と英語の場合】
 [1]唇をすぼめて、舌の先を、上の前歯の裏で弾ませる発音です。
【ロシア語の場合】
 [2]舌の前半分を上あごにつけ、舌先を上の前歯の裏に付けた発音で、原語では「ды 」「дь」の綴りで表されます。このうち「ды 」は母音を伴っています。
【フランス語の場合】
 [3]舌の前の部分を、上の歯茎の裏につけて、素早く離しながら出す発音です。これは日本語の「ヂャ」行に似ています。
 [1]と[2]は、日本語の「チャ」行とは異なる音なので、日本語式に発音して平板な音にならないように注意しましょう。
・「ヂャ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:ды、дь 
ドイツ語:dsch 
フランス語:(外来語のみ) 
英語:g、j 
スペイン語:外来語のみ
イタリア語:gi 
ポルトガル語:di、de(ブラジルポルトガル語で顕著)


発音記号
なら…



 この表記は、次の2つの発音のいずれかを表しています。
[1]舌先を上の前歯の裏に付け、勢いよく息を吐き出しながら舌を離す子音です。日本語でも、地方によってはこの発音が存在します。
 また、この子音に母音がともなった音は、「ツァ」「ツィ」「ツゥ」「ツェ」「ツォ」や「ヅァ」「ヅィ」「ヅゥ」「ヅェ」「ヅォ」で表します。
[2]英語の発音で、舌先と上の前歯の先とを合わせ、息の勢いで舌を振動させて作る発音を表します。いわゆる「有声のth」です。
・「ツ」「ヅ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:ц 
ドイツ語:c、cz、z、ts、tz、tsch 
フランス語:ts 
英語:ts、th(一部)
スペイン語:外来語のみ
イタリア語:外来語のみ 
ポルトガル語:外来語のみ
  • 「tl」「dl」の綴りがあるときは、「t」「d」のカタカナ表記として「ツ」「ヅ」を用いていることがあります。
     例:「settle セツォ」(英語「据える」)、「middle ミヅォ」(英語「中間」)
       「длинний ヅリーンニィ」(ロシア語「遠い」)

小さい

発音記号
なら…


 語尾に「母音+t」の発音が来たときに使っています。
 一般のカタカナ表記では、語尾に「母音+t」が来るときは、「ト」を用いていますが、このサイトでは、語尾の「t」が母音を伴わないことを強調するために、小さい「ッ」という表記を採用しています。
 また、語尾に「母音+d」の音が来たときにも、同様に小さな「ッ」で表していることがあります。
 なお、語尾が「子音+t/d」であるときは、「ト」または「ド」の表記で表しています。
・小さい「ッ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:т、д 
ドイツ語:d、t 
フランス語:t 
英語:d、t 
スペイン語:t 
イタリア語:t 
ポルトガル語:t
  • 語尾が「子音+t/d」で終わる例として、ドイツ語の「nacht ナハト」(夜)や、英語の「soft ソフト」(柔らかい)などが挙げられます。
  • ドイツ語の「und」、英語の「and」のように、強勢を置いて読まれることのない単語の場合は、語尾の「t」「d」の発音を省略しています。
  • 当サイトのカタカナ表記では、一般のカタカナ表記に見られる「マット(<英語:mat)」や「コッヘル(<ドイツ語:Kocher)」のような「小さなッ」の用い方はしていません。なお、これらは「〔短母音〕+〔閉鎖音または摩擦音〕」の発音をカタカナ表記に移行するときにしばしば見られるものです。



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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 







「ナニヌネノ」「ニャニィニュニェニョ」





発音記号
なら…


 舌の前部を上あごにつけ、発音を鼻に響かせるようにして出す子音です。
 日本語の「ナ・二・ヌ・ネ・ノ」の子音と同じとみなして差し支えありません。ただし、「ン」はこれらとは異なる音ですので注意しましょう。
・「ナ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:н 
ドイツ語:n 
フランス語:n 
英語:n 
スペイン語:n 
イタリア語:n 
ポルトガル語:n
  • ロシア語で、音節末に来た「нь」を表記するのには、「ヌ」または「ヌィ」を用いています。なお「н」が単独で音節末に来たときは「ン」と表記しています。
     例:перстенька「ピルステヌカー」(宝石のついた指輪)
    длинний「ヅリーンニィ」(長い)

ニャ
ニィ
ニュ
ニェ
ニョ
 

発音記号
なら…


 舌の前部を上あごにつけ、発音を鼻に響かせるようにして出す子音(すなわち「n」の発音)の直後に、舌全体を上あごに向かって持ち上げる発音を表します。
 日本語の「ニャ」行よりも、いくぶんねちっこく発音されます。
・「ニャ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:н 
ドイツ語:n 
フランス語:n 
英語:n 
スペイン語:n、ñ 
イタリア語:gn 
ポルトガル語:nh
  • 「ニュ」を発音するときは、唇をしっかり丸めて突き出すことを忘れないようにしましょう。
     例:new「ニュゥ」(英語『新しい』)



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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 








「ハヘホ」「ヒャヒヒュヒェヒョ」「ファフィフフェフォ」



発音記号
なら…


 このカタカナ表記では、異なる2つの子音の発音を表しています。
 [1]のどを開いて、気管の奥から息を「ハーッ」と吐き出す音。日本語の「ハ・ヘ・ホ」の子音と同じ。
 [2]舌の後ろのほうを、上あごに向かって持ち上げ、上あごと舌との間に残った隙間から息を噴き出す発音。このとき、口は大きめに開いていることが多くなっています。
 このうち、[1]はドイツ語と英語、[2]はロシア語、ドイツ語、スペイン語に見られ、いずれもそれぞれの言語の特徴を形作る発音となっています。
 フランス語にはどちらもありません。
・「ハヒフヘホ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:х 
ドイツ語:ch、h 
フランス語:該当発音なし
英語:h、wh 
スペイン語:g、j 
イタリア語:外来語のみ 
ポルトガル語:r、rr(いずれもブラジルポルトガル語に顕著)
  • ドイツ語や英語の/hi/や/he/の発音は、上の[1]の発音を使いますが、日本語では違う子音を使います。
    ここで"子音の使い分けをしない"というのが、慣れていない日本人にとっては、至難の業のようです。
  • 「ガギグゲゴ」の[2]の発音は、ここの「ハヘホ」の[2]の発音の有声音です。

ヒャ

ヒュ
ヒェ
ヒョ
 

発音記号
なら…


 このカタカナ表記では、異なる2つの子音の発音を表しています。
 [1]のどを開いて、気管の奥から息を「ハーッ」と吐き出す音。日本語の「ハ・ヘ・ホ」の子音と同じ。
 [2]舌の中央部から後ろにかけての部分を、上あごに向かって持ち上げ、上あごと舌との間に残った隙間から息を噴き出す発音。このとき、口は中途半端に開いていることが多くなっています。恐ろしいものを見たときに「ヒイィィィーーッ!!」と悲鳴を上げるときの要領でやると良いでしょう。
 じつは、日本語の「ヒャ」行の発音は、上の[2]のほうに近い発音になっています。日本人にとっては、[1]の発音方法で「ヒ」の発音をするのは、練習しないとかなり困難なものとなっています。
・「ヒャ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:х 
ドイツ語:h、ch 
フランス語:該当発音なし
英語:h 
スペイン語:g、j 
イタリア語:外来語のみ 
ポルトガル語:該当発音なし
  • 英語の「he(彼は)」や「here(ここに)」、ドイツ語の「hinein(中へ)」や「Himmel(空)」などの発音は、日本人にとっては鬼門です。日本語式で発音すると、何とも平板的な発音になってしまいます。
    これを防ぐためには、上記[1]のように「のどを開く」ということを心掛けておいてください。舌をなるべく口腔の下のほうに下げ、やや口の奥に引っ込める形で固定し、なるべくのどの奥から声を出すようにすると、うまくいきます。
  • ドイツ語の「Mädchen(少女)」などにみられる「chen」の発音は、上の「h」の発音に比べれば、むしろ簡単かもしれません。「ヒェン」の「ヒ」のところを少し強めに発音しながら、カタカナどおりに発音してやればよろしいのです。

ファ
フィ

フェ
フォ

発音記号
なら…




 このカタカナ表記では、以下の異なる4つの子音の発音を表しています。
 [1]下唇に、上の門歯をあてがい、唇と門歯の間から息を噴きだしてつくる音。いわゆる「f」の発音をさします。汎世界的に見られる発音ですが、日本語や韓国語など、この発音を持たない言語もあります(同じ東アジアの言語でも、中国語にはあります)。
 厳密に言うと、前歯を当てる箇所が唇のやや外側になる言語と内側になる言語の2種類があるのですが、そこまでこだわる必要はありません。
 [2]のどを開いて、気管の奥から息を「ハーッ」と吐き出す音。日本語の「ハ・ヘ・ホ」の子音と同じです。英語、日本語、アラビア語などにはありますが、フランス語、イタリア語、スペイン語、ロシア語、中国語などにはありません。
 [3]上下の唇を寄せて狭い隙間を作り、ここから息を噴きだしてつくる発音。日本語の「フ」は、この音です。比較的珍しい発音です。
 [4]舌の後部を口蓋垂(いわゆるのどちんこ)に引き寄せて、できた隙間から息を強く噴き出す発音。このとき、唇は中途半端に開いています。
  ロシア語の「х」音が音節末に来たとき、この発音になります。上の「ハ・ヘ・ホ」の[2]の発音が、いくぶん変化したものだと思ってくだされば結構です。

 ややこしいですか?
 「f」や「v」を発音するとき、日本人は唇を噛むきらいがあります。噛む必要はまったくなく、上の前歯を下唇にあてがってやるだけでよいのです。じつは、日本人がイメージしているよりも、かなり易しい発音といえるのです。
 ・関連発音の「ヴ」も参考にしてください。
・「ファ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:в、ф、х 
ドイツ語:f、v 
フランス語:f 
英語:f、wh 
スペイン語:f 
イタリア語:f 
ポルトガル語:f
  • ロシア語の「ф」と、無声化した「в」とは、いずれも/f/の発音となります。
    いっぽう、「х」は、上の[4]の要領で発音しますから、のどの奥からややかすれたような音になって出てきます。



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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 








「バビブベボ」「ビャビュビェビョ」、「パピプペポ」「ピャピュピェピョ」






ビャ
ビュ
ビェ
ビョ

発音記号
なら…

など。
 唇をしっかり閉じ、息を吐くとともに唇を勢いよく離しながら「バビブベボ」を発音する音と、唇を弱く閉じて、息を吐きながら唇を開き「バビブベボ」を発音するのと、2種類の発音があります。
 日本語の「バビブベボ」は、後者に近いものとなっていますが、他言語の「バ」行音を日本語式で発音しても、多くの場合は問題ありません。中国語や韓国語のように、有気音と無気音の別がある場合は別ですが。
 なお、スペイン語には、ここに示した両方の発音が存在しています。
・「バ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:б 
ドイツ語:b 
フランス語:b 
英語:b 
スペイン語:b、v、w(外来語のみ) 
イタリア語:b 
ポルトガル語:b






ピャ
ピュ
ピェ
ピョ

発音記号
なら…


 唇をしっかり閉じ、息を吐くとともに唇を勢いよく離しながら「パピプペポ」を発音する音です。ヨーロッパ言語では、日本式に「パピプペポ」を発音しても問題ありません。
 また、ドイツ語の「pf」は、一般には「プフ」とカタカナ表記されますが、実際には2つの音ではなく1つの音として発せられるので、当サイトでは「プァ」「プィ」「プ」「プゥ」「プェ」「プォ」のように表記しています。
・「パ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:п、б 
ドイツ語:p、b、pf 
フランス語:p 
英語:p 
スペイン語:p 
イタリア語:p 
ポルトガル語:p
  • ドイツ語の「pf」は、「f」の要領で唇に歯をあてがいつつ、唇をしっかりと閉じます。唇と歯をはじくように開きながら、そのまま勢いよく息を吐いて、「プァ」「プィ」「プ」「プゥ」「プェ」「プォ」などを発音します。
    間違っても「プファ」「プフ」などとならないようにしましょう。
  • 日本人にとって、語尾の「p」音をきれいに発音するのは難しいもののようです。「口から噴き出してきた息で、唇が開いちゃった」という感覚で発音してみるとよいでしょう。



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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 








「マミムメモ」「ミャミュミョ」



ミャ
ミュ
ミョ


発音記号
なら…

など。
 唇をいったん閉じ、鼻と口に同時に息を通しながら発音する音です。日本語の「マ」行の子音に相当します。
 日本語にも同じ音があるわけですから、文字通りに(母音の方は気をつけて)発音すればよく、日本人にも簡単な発音です。
・「マ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:м 
ドイツ語:m 
フランス語:m 
英語:m 
スペイン語:m 
イタリア語:m 
ポルトガル語:m
  • ロシア語、ドイツ語、英語では、「ン」の音が「b」や「p」の発音の直前に来たときは、たいていの場合、表記も発音も「m」になります。
      例:комбинат「コンビナーッ」(ロシア語『コンビナート』)
        Himbeere「ヒンベーレ」(ドイツ語『キイチゴ』)
        trumpet「トランピッ」(英語『トランペット』)
      (例外:英語の「rainbow」〔虹〕、「unbelievable」〔信じがたい〕。いずれも複合語であることに留意してください。)   
  • フランス語では、「母音+m」の発音がある場合は、鼻母音になりますので、後ろに「b」や「p」の発音が続いても「m」の発音は生じません。
      例:ensemble「オンソンブル」(『一緒に』)、remplir「ランプリル」(『満たす』)



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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 








「ヤユヨ」、小さい「ャュョ」



発音記号
なら…

 舌を上顎に寄せて、そこから離しつつ、母音を発音します。日本語の「ヤ」行の発音に良く似ています。
 言語によって、僅かずつ発音が違っていますが、慣れないうちは、すべて「ヤイユエヨ」の子音で発音しても何とかなります。
・「ヤユヨ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:е、ё、й、ю、я 
ドイツ語:j 
フランス語:「母音」プラス「lle」(例外あり)
英語:y(音節の最初にあるとき)、j(きわめて稀) 
スペイン語:y、ll(いずれも個人差・地方差あり) 
イタリア語:gli(個人差・地方差あり) 
ポルトガル語:該当発音なし
  • ロシア語の軟母音(上に挙げた5つの母音字のことです)は、単なる「ヤイユエヨ」よりも、むしろその頭に小さな「ィ」を付けた感覚で発音します。
     つまり、「ィエー」「ィヨー」「ィイー」「ィユー」「ィヤー」に近い感覚です。
  • 英語の「year(年)」など、/j/音と/i/音が連続したものは、日本人には難しいとされているようです。
     「/j/音を発音するときのほうが、/i/音を発音するときよりも舌が上顎に近づいている」ことを念頭に置いて、繰り返し練習してください。

小さい


 

発音記号
なら…







など。
 「キャ」「ギャ」行、「シャ」「ジャ」行、「チャ」「ヂャ」行、「ニャ」行、「ヒャ」「ビャ」「ピャ」行、「ミャ」行、「リャ」行の母音を表記するのに用いています。
 また、ドイツ語・フランス語にある「ウー・ウムラオト」と、フランス語の/œ/の発音の一部は、小さい「ュ」で表しています。
 なお、フランス語の/œ/の発音の一部は、「エゥ」とも表記しています(直後に続く発音によります)。
・小さい「ャュョ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:е、ё、й、ю、я、ш、щ、чほか 
ドイツ語:j 
フランス語:u、eu 
英語:ca、cho、cue、neuほか多数 
スペイン語:y 
イタリア語:各母音 
ポルトガル語:各母音
  • ウー・ウムラオト発音の表記例。
      ドイツ語… müde「ムューデ」(『疲れた、眠たい』)、Physik「フュズィーク」(『物理学』)
      フランス語… cuiller「ケュイル」(『摘む』)



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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 








「ラリルレロ」「リャリュリェリョ」「リ゙ャリ゙リ゙ュリ゙ェリ゙ョ」





発音記号
なら…





など。
 この表記は、次の発音を示すのに使っています。
[1]舌先を上の前歯の根元に当てて、すばやく離しながら声を出します。いわゆる「L」の発音です。ロシア語・ドイツ語・フランス語・スペイン語・イタリア語の/l/の発音です。
[2]舌先をやや広めに上の前歯の根元に当てて、すばやく離しながら声を出します。いわゆる「L」の発音ですが、[1]よりもややこもった響きになります。英語の/l/の発音です。
[3]舌先を上の前歯の裏にくっつけてから、息を強めに噴きだし、巻き舌の要領で舌を震わせます。ロシア語の/r/の発音です。
[4]舌先を上の歯茎の付け根にくっつけて、息を噴きだしながら、舌先をすばやく弾ませます。ドイツ語・スペイン語・イタリア語の/r/の発音です。この発音には、舌を一回だけ弾ませる発音と、舌を数回弾ませる発音とがあります。
[5]舌の奥を持ち上げ、やや喉の奥に引き寄せるようにした上で、口蓋垂を震わせるように発音します。ドイツ語・フランス語の/r/の発音です。日本人には、どちらかと言うと、「ガ」行の音や促音のように聞こえるかもしれません。
[6]舌先を口の中ほどに持ち上げ、舌先がどこにも付かないように保ったままで、日本語の「ラリルレロ」を発音します。英語の/r/の発音です。
・「ラ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:л、р 
ドイツ語:l、r(母音の直前) 
フランス語:l、r(母音の直前)
英語:l(母音の直前)、r(母音の直前) 
スペイン語:l、r 
イタリア語:l、r 
ポルトガル語:l、r(例外あり)
  • ロシア語で軟音記号「ь」を直後に伴った「л」「р」(すなわち「ль」「рь」の綴り)は、「リ」と表記しています。
    ただし、語尾に来たときは、「ль」は「ル」、「рь」は「ルィ」と表記しています。
  • 上記の[1]と[2]は、日本人ならば、初心者のうちはいずれも[1]の要領で発音して問題ありません。
  • 上記の[3]と[4]は、慣れないうちは、取り立てて発音し分ける必要はありません。いずれも「巻き舌のr」で代用が利きます。
  • 「r」の発音で、[3][4][5]は、日本人にはかなり根気強い練習が必要だと思われます。発音のキーポイントとなる場所(舌先や口蓋垂など)に、力をこめるようにして、練習してみましょう。
  • ポルトガル語の「r」は、語の中の場所によっては「ハ」行の発音になります。ことにブラジルポルトガル語でその傾向が強く現れます。

リャ
リュ
リェ
リョ
 

発音記号
なら…



など。
 上の「ラリルレロ」の発音と、基本的に同じです。半母音を伴ったり、鼻母音がくっついてきたりするだけの違いです。
・「リャ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:л、р 
ドイツ語:l、r(母音の直前) 
フランス語:l、r(母音の直前)
英語:l、r(いずれも母音の直前) 
スペイン語:l、r 
イタリア語:l、r 
ポルトガル語:l、r

リ゙ャ
リ゙
リ゙ュ
リ゙ェ
リ゙ョ
 

発音記号
なら…

など。
 スペイン語やイタリア語などに特徴的な発音です。舌の前半分を上あごにつけ、舌の両側から空気を抜きながら発音する音です。舌先は下側の前歯に接しているのが一般的です。
 「ヤユヨ」の子音に類似していますが、舌を上あごに付ける点で異なっています。
・「リ゛ャ」行で表しているおもな欧文文字
ロシア語:該当発音なし 
ドイツ語:該当発音なし 
フランス語:該当発音なし 
英語:該当発音なし 
スペイン語:ll、j 
イタリア語:gli 
ポルトガル語:lh
  • 一般の辞典類のカタカナ表記では「ジャジジュジェジョ」「ヤユヨ」「リャリリュリェリョ」で表記されます。カタカナ表記に置換されるときも同様です。



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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 








「ワ」「小さいヮ」「ン」

発音記号
なら…

 唇を強くすぼめて突き出し、急激に広げる「ワ」行の発音を表します。日本語の「ワ」とは、形は似ていますが、発音の要領は多少異なります。
 日本語で「ワ」を発音するときには、「口を広げる」という点に意識をおきますが、フランス語や英語では、「最初に唇が十分にすぼまっている」という点に意識を置いて発音すると、きれいな発音になります。
・「ワ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:該当発音なし 
ドイツ語:該当発音なし 
フランス語:oi、oy(いずれも音節の最初に限る)
英語:wa、wo 
スペイン語:子音+「u」または「ü」 
イタリア語:子音+「u」 
ポルトガル語:子音+「u」または「ü」 
  • 「ワ」の発音の例
      フランス語… oiseau「ワゾー」(『鳥』)
      英語… wonder「ワンダ」(『いぶかる、疑問に思う』)
  • 英語で、語頭に「w」の発音があるとき、その存在を強調するために、「ゥワ」と表記することがあります。

小さい

発音記号
なら…

 唇をとがらせる「ワ」の発音が、子音のすぐ後に来たときに、この文字を用いています。
・「ワ」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:該当発音なし 
ドイツ語:該当発音なし 
フランス語:oi、oy(いずれも音節の最初に限る)
英語:wa、wo 
スペイン語:子音+「u」または「ü」 
イタリア語:子音+「u」 
ポルトガル語:子音+「u」または「ü」 
  • 実例:coin「クヮン」(フランス語『隅、角』)、swan「スヮン」(英語『ハクチョウ』)

発音記号
なら…





など。
 見てのとおりで、いわゆる「ん」の発音を示しています。
 ただし、日本語の「ン」は、非常に多様な音価を表す文字です(日本人はたいていその事実に気がついていませんが)。ヨーロッパ言語では、発音の違いを表すために、「n」と「m」の文字を使い分けていることが殆どです。
・「ン」で表しているおもな欧文文字
ロシア語:н、м 
ドイツ語:n、m 
フランス語:n、m、各鼻母音 
英語:n、m 
スペイン語:n、ñ、m 
イタリア語:n、m 
ポルトガル語:n、m、各鼻母音
  • フランス語の鼻母音は、「ン」を上付き文字にして「ア」「エ」「オ」と表しました。市販の辞書などでは、「ン」の字を小さく表記しているものもありますが、当サイトはそこまで細かな表記はしておりません。但し、ご使用のブラウザやフォントによっては、「ン」の字が小さくなって画面に映し出されることもあります。
  • ポルトガル語の鼻母音は、「ン」を上付き文字にして「ア」「エ」「イ」「オ」「ウ」「アィ」「アォ」「エィ」「オィ」「ウイ」と表しました。市販の辞書などでは、「ン」の字を小さく表記しているものもありますが、当サイトはそこまで細かな表記はしておりません。但し、ご使用のブラウザやフォントによっては、「ン」の字が小さくなって画面に映し出されることもあります。
  • 「n」は、/k/や/g/の発音の前では、鼻にかかった発音になり、/b/や/p/や/m/の発音の前では、唇をしっかりと閉じた/m/の発音になります。日本人は、ほとんど意識せずにこれらを使い分けています。
  • 英語やドイツ語で、語尾に鼻音、いわゆる「ng」の音が来たときは、半濁点をつけた「ン゜」という表記で表しました。
  • スペイン語では、「n」と「f」がこの順序で続くときに、「f」の形に口を構えて鼻から息を抜く発音を取ります。左の発音記号のいちばん下のもので表される発音で、英語でもまれに出現します。


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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 








半濁点、長音、句読点、中点

半濁点
ン゜

発音記号
なら…


 「パ」行の音や、鼻濁音を表すのに使っています。
 「パピプペポ」については、上の「パピプペポ」の項を参照してください。
 ドイツ語や英語では、「ン」に半濁点をつけた「ン゜」という表記を使っていることがありますが、これは、語尾に「ng」の発音が来たときに使用しているものです。鼻にかかった「ン」の音を表します。
  例)Zeitung「ツァィトゥン゜」(ドイツ語:『新聞』)
    sing「スィン゜」(英語:『歌う』)
・半濁音記号をつけて表しているおもな欧文文字
ロシア語:п 
ドイツ語:p、pf、b(語尾、子音の直前)、ng(語尾のみ) 
フランス語:p 
英語:p、ng(語尾) 
スペイン語:p 
イタリア語:p 
ポルトガル語:p

長音
 

発音記号
なら…












など。
 「延ばす音」を表します。但し、延ばす長さは言語によって異なります。
 [1]ロシア語の場合、伸ばさないときのおよそ2倍まで延ばします。「カ」と「カー」では、後者の方が2倍長い時間をかけて発音されるわけです。また、延ばした所には必ずアクセントが来ます。というより、アクセントのあるところを長く延ばすのが、ロシア語の発音の仕方です。
 [2]ドイツ語では、1.5〜2倍くらいの長さに延ばして発音します。延ばしたところは、多くの場合、第一アクセントが来ます。それ以外でも第二アクセントが来ます。
 [3]フランス語では、あまり長音がありません。当サイトで長音を使っていることがありますが、それは、長く延ばすというよりも、むしろ「母音をはっきりと発音する」くらいの感覚で表記しています。
 [4]英語では、延ばさないときに比べ、1.3〜1.5倍くらいの長さに延ばして発音します。また、そもそも、延ばさないときと延ばすときとで、母音の発音の仕方が違っていることが度々あります。長音にアクセントが来ることは多いです。
 [5]スペイン語では長音をあまり使いません。アクセントのある母音に対して、「母音をはっきりと発音せよ」という意図で長音を用いていることはあります。
 [6]イタリア語では長音をあまり使いません。当サイトで長音を使っている場合、「アクセントのある母音をはっきりと発音する」くらいの意図で表記しています。
 [7]ポルトガル語では長音をあまり使いません。使用している場合、「アクセントのある母音なのではっきりと発音せよ」程度の意図で用いています。
・長音記号を用いて表しているおもな欧文文字
ロシア語:а、е、ё、и、о、у、ы、ю、я(アクセントを伴う場合) 
ドイツ語:aa、ee、oo、「母音字+h」 
フランス語:母音各種 

英語:ee、ea、oo、「母音字+r」 
スペイン語:母音の一部 
イタリア語:母音の一部 
ポルトガル語:母音の一部
  • 英語で、延ばした母音と延ばさない母音で発音が異なる例としては、
      「イー」と「イ」 
     「ウー」と「ウ」
    の二つが挙げられます。延ばす音のほうが、唇を強めに形作って発音します。
     すなわち、「イ」よりも「イー」のほうが、唇を強く横に引いて発音します。また、「ウ」よりも「ウー」のほうが、唇を狭くすぼめ、下をより口の奥のほうに引っ込めます。
  • 英語では、「エー」「オー」の発音は間投詞を除き見られません。二重母音の「エィ」や「オゥ」になります。

句読点
、!? 

 句読点は、原歌詞に合わせて施してあります。
 カンマは読点に、感嘆符や疑問符はそのまま感嘆符や疑問符にしてあります。なにか特別な発音を表しているということはありません。

中点

 ある単語が、前後の単語と、表記上では分かれていても、発音上ではつながって発音される(いわゆる「リエゾン」や「アンシェヌマン」がおきる)とき、原語歌詞の単語と単語の間に該当するところに、中点を入れて、「綴りの上ではここで切れているのだ」ということを示しました。
 当サイト内では、大部分がフランス語・スペイン語・イタリア語・ポルトガル語で、少数は英語、更に少数がロシア語とドイツ語で使われています。
・「中点」を使っているおもな欧文の例
ロシア語:前置詞の「в」や「с」などと、直後に続く単語の間 

ドイツ語:ごく少数

フランス語:いわゆるリエゾンやアンシェヌマンとして多用 

英語:一部のアンシェヌマン 

イタリア語:アンシェヌマンとして頻出  

スペイン語:アンシェヌマンとして頻出 

ポルトガル語:アンシェヌマンとして頻出 
  • ドイツ語で中点を用いているのは、方言で書かれている『Muss i denn(ムシデン)』の歌詞の一部くらいです。
  • 「リエゾン」は、単語と単語がつながるときに、その間に、単語を単独で発音するときには現れない子音を挿入する現象の事を指します。
     ことにフランス語では、単語を単独で読むとき子音を発音しないことが多いので、リエゾンは非常に多く現れる現象となっています。
     例)Les enfants「その子供たち」は、それぞれの単語を単独で発音すると、『レ』『オンフォン』となりますが、ひとまとめに発音すると、『レ・ゾンフォン』と発音します。
     すなわち、「Les」を単独で読むときには発音されない/z/の音が、うしろに「enfants」という語をともなうことによって、出現するわけです。
     パリの名所として名高い『Champs-Élysées(シャンゼリゼ通り)』も、『ション』『エリゼ』と発音することなく『ションゼリゼ』と発音しますが、これもリエゾンの例です。 
  • 「アンシェヌマン」は、単語同士がつながるときに、前の単語の終わりの子音と、次の単語の頭の母音とを一体化させて、あたかもひとつの単語であるかのように発音される現象です。
     例)Il est...「彼は〜である」の二つの単語は、分けて発音するならば『イル』『エ』となりますが、実際に発話するときには、分けずにくっつけて、『イレ』とします。
     リエゾンとの違いは、「新しい子音が勝手に出現することがない」という点です。この例では、「l(エル)」の子音は、分けて読んだときにもちゃんと発音されています。


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ア行・ヴ 小さいア行 カ行 サ行 タ行
小さいツ
ナ行 ハ行
バ・パ行 マ行 ヤ行
小さいヤ行
ラ行 ワ・ン
小さいワ
記号  空欄 





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