発音の手引き・言語別
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外国語を発音するときに心に留めておくと発音が上手になる、そんなキーポイントをまとめてあります。
文字や発音記号の一つ一つの発音は、発音の手引きの「母音」ないし「子音」にこれでもかと言うほど記述いたしましたので、そちらをご覧くださるようご案内いたします。
◆英語
○英語・発音の総括的説明
- 英語の文字と綴りの関係は、かなり複雑にできていることで知られています。
シロウトが下手に体系づけようなんて、とてもじゃないけど手を出さないほうがいい分野です。
- 英語のアクセントは、強弱アクセントです。アクセントのある母音を、強くはっきりと発音します。母音の種類によっては、やや長めに発音されることもあります。
- 英語の母音には、長母音、短母音、二重母音、三重母音があります。
他の言語と異なり、英語では「短母音を引き延ばせばそのまま長母音の発音になる」というわけではありません。/i/と/i:/のように、類似しているようでかなり明快に異なる発音差をもつものもあります。
- 二重母音、三重母音が豊富なのも英語の特徴です。種類が多いだけでなく、使用頻度も高くなっています。
- 語尾は長母音・重母音か子音で終わるものが多く、短母音で終わるものは、/i/か「あいまい母音」の発音を除いてはあまり見られません。
また、有声子音で終わる単語であっても、語尾であるからという理由で子音が無声化することはありません。
- 単語と単語のつながり方は、代名詞や前置詞が含まれる場合を中心に、ややアンシェヌマン的性格を帯びています。ただし、はっきりとした音節を形成するには至っていません。
- 英語を特徴付ける音は、長母音や二重・三重母音の豊富さと、その後ろにさらに母音が続く発音形態、アクセントを持ったあいまい母音の多用、語頭での「w」音の使用や、有声と無声の両方の「th」音のような他のヨーロッパ言語には珍しい子音が頻出することなどでしょう。
○英語・母音のルール
- 英語の母音は、長母音、短母音、二重母音、三重母音に分別できます。
他の言語では、一般に、短母音を長く発音したものが長母音としてそのまま扱えるのですが、英語の場合は、短母音と長母音で調音のしかたが異なるために、短母音を伸ばしても長母音の発音にならない母音があります。
また、類似する長母音を持たない短母音も存在します(「エ」の長母音など)。
- 英語では、それぞれの母音字を短く読むときと、伸ばして読むときとで、その音価が異なります。
具体的な発音の違いは、「発音の手引き・母音」をご覧ください。
便宜上、このコーナーでは、短く読むときの発音を「短発音」、伸ばして読むときの発音を「長発音」と呼ぶことにします。
母音字 |
a e i o u y |
短発音 |
ェア エ イ オ ア/ウ イ |
長発音 |
エィ イー アィ オゥ ウー アィ |
短発音は常に短母音ですが、長発音は、長母音になったり、二重母音になったりして、統一されていません。
- 綴りと発音の関係として、「ひとつの綴りが、複数の発音を表す」というものがあります。
また、数種類の綴りが同一の発音を表すこともあります。この現象は他の言語でも見られますが、英語の場合はとりわけ母音字のパターンが多彩です。
下表では、各母音字の表す発音ごとに、母音の綴りとその発音を分類してみました。「…」は1音ぶんの子音を指します。この外にも例外的発音がいくつか見られますが、ここでは省きます。
発音の系統 |
A系統 ェア/エィ |
I系統 イ/アィ |
U系統 ウ/ユー |
E系統 エ/イー |
O系統 オ/オゥ |
他の二重母音 あいまい音 |
短母音を表す 主な綴り |
a |
i y |
u oo ou |
e ea |
o au |
u a e o |
長母音を表す 主な綴り |
ar |
|
oo u ue ui |
ee ea ie |
au or ow al |
er ear ir ur |
二重母音を表す 主な綴り |
a…e ai ay |
i…e i y |
u…e |
|
o…e ow oa |
ou ow er ur oor air oi oy |
- 英語の母音の特徴のひとつに、「二重・三重母音がかなり多い」ことがあげられます。二重母音と三重母音をカタカナで表すと、下のようになります。
二重母音 |
アィ アゥ イァ ウァ エァ エィ オィ オゥ |
三重母音 |
アィァ アゥァ |
ドイツ語とロシア語の各3種にくらべて、格段に多い(合わせて10種類)ことが分かります。
また、二重母音とはされませんが、ruin「ルゥーイン」(『遺跡』)、science「サィアンス」(『自然科学』)のように、母音で終わる音節と母音で始まる音節とが連続することがしばしばあるのも、英語の特徴です。
- 「アィ」の例:prime「プラィム」(『第一の』)
- 「アゥ」の例:mouse「マゥス」(『ハツカネズミ、マウス』)
- 「イァ」の例:sphere「スフィア」(『球体』)
- 「ウァ」の例:tour「トゥァ」(『見物、視察』)
- 「エァ」の例:flare「フレァ」(『燃えたつ』)
- 「エィ」の例:veil「ヴェィォ」(『ベール』)
- 「オィ」の例:employ「エンプロィ」(『雇用する』)
- 「オゥ」の例:though「ヅォゥ」(『けれども』)
- 「アィァ」の例:drier「ドラィァ」(『ドライヤー』)
- 「アゥァ」の例:tower「タゥァ」(『塔』)
- 英語では、あいまい母音である「発音の手引き・母音」のU-3と4の発音が、アクセントのある長母音として使われることが多々あります。
また、この発音を表す綴りは、以下のように複数ありますが、いずれも「r」を含むのが特徴です。
- 「er」を含む:certain「セァートン」(『確実な』)、fertile「ファータィォ/ファーティォ」(『肥沃な』)
- 「ear」を含む:earn「エァーン」(『稼ぐ』)、pearl「ペァーォ」(『真珠』)
- 「ir」を含む:virtue「ヴェァーチュゥ」(『美徳』)、ladybird「レィディブァーッ」(『テントウムシ』)
- 「ur」を含む:surgeon「セァージャン」(『外科医』)、murmur「ムァームァ」(『つぶやく』)
- 閉音節(「〔子音〕+〔母音〕+〔子音〕」または「〔母音〕+〔子音〕」の形式の音節)では、母音が長発音を表すものか、後ろの子音が長発音を示唆する綴りでない限り、母音はたいてい短発音(つまり短母音)で発音されます。
ただし、動詞の活用形、名詞の複数形や、複合語などで例外もあります。
- 「〔子音〕+〔母音〕+〔子音〕」:friend「フレンド」(『味方』)、seven「セヴン」(『七』)
- 「〔母音〕+〔子音〕」:embassy「エンバスィ」(『大使館』)、ideal「アィディーアォ」(『理想の』)
- 例外:already「オーォレディ」(『既に』。「all」と「ready」の複合語であるため)
closed「クロゥズド」(『閉じた』。「e」は発音しません。closet「クロゥゼッ」『衣装戸棚』と比較)
- 語尾が、「母音字」+「子音1文字」+「e」で終わると、母音字が長発音化します。
ただし、子音字が「r」の場合には、「re」があいまい母音化した重母音になります。また、母音字が「o」の場合は、「u」の短発音である、短母音の「ア」(「発音の手引き・母音」のA-2)になることがあります。
また、語尾が「母音字」+「子音2文字以上」+「e」で終わるときは、ふつう短発音になりますが、「母音字」+「子音1文字」+「le」で終わるときは、母音字は長発音になります。
外来語は必ずしもこの規則に当てはまりません。
- 長発音化:grade「グレィッ」(『階級』)、juvenile「ヂューヴァナィォ」(『少年の』)
- 重母音化:fourscore「フォースコァ」(『八十』)、satire「セァタィァ」(『風刺』)
- 「u」の短発音:come「カム」(『来る』)、dove「ダヴ」(『〔小型の〕ハト』)
- 子音が2文字以上:fringe「フリンヂ」(『房飾り』)、honeysuckle「ハニサクォ」(『スイカズラ』)
※paste「ペィスト」(『糊』)のように例外もあります。
- 「子音1文字」+「le」:cable「ケィブォ」(『ケーブル』)、bugle「ビューグォ」(『ラッパ』)
- 外来語:karate「カラーティ」(『空手』。日本語より移入)、finale「フィネァーリ」(『終幕』。イタリア語より移入)
- 音節末の「gh」「ght」「l +〔子音字〕」は、直前の母音が長発音であることを示唆する綴りです。
ただし母音によって成り立つかどうかが変わってきます。
- 「gh」「ght」の例:sigh「サィ」(『ため息』)、freight「フレィッ」(『貨物便』)
- 「l +〔子音字〕」の例:folklore「フォゥクローァ」(『民間伝承』)、troll「トロゥォ」(『輪唱する、流し釣りする』)
- 成り立たない例:pelt「ペォッ」(『投げつける』)、sulfide「サォファィッ」(『硫化物』)
母音字が「e」「i」「u」のときは一般に短発音になるようです。
- アクセントのある「al」は、音節末の「alk」「all」「alm」の綴りで、「al」の発音が長母音の「オー」になることがあります。
また、「al +〔子音字〕」で、「al」が「オーォ」と発音されることがあります。この規則は、「l」と子音字が異なる音節にまたがっていても通用しますが、比較的新しく英語に入ってきた語彙には適用されないようです。
稀に、「al +〔子音字〕」で、「al」の発音が「アー」になることがあります。
- 「alk」:walk「ウォーク」(『歩く』)、chalk「チョーク」(『石灰』)
- 「all」:tall「トーォ」(『丈のある』)、appall「アポーォ」(『ぞっとさせる』)
- 「alm」:balmy「ボーミ」(『かぐわしい』)、calm「コーム」(『穏やかな』)
- 「al + 〔その他の子音〕」:palsy「ポーォズィ」(『中風』)、maltose「モーォトウス」(『麦芽糖』)
- 上例が成り立たない例:calcify「カォスィファイ」(『石灰化する』)、galvanism「ゲァルヴァニズム」(『直流電流』)
- 「al」が「アー」になる例:half「ハーフ」(『半分』)、palm「パーム」(『掌、ヤシ』)
- 語尾で、アクセントのある「〔母音〕+ e」「〔母音〕+ y」は、長発音化を意味します。アクセントの無い場合は短発音化することもあります。
- 「〔母音〕+ e」:fee「フィー」(『料金』)、roe「ロゥ」(『魚卵』)
- 「〔母音〕+ y」:clay「クレィ」(『粘土』)、buy「バィ」(『買う』)
- アクセント無し:coffee「コーフィ」(『コーヒー』)、alley「ェアリ」(『路地』)
- 語尾での「〔g、s、sh、ss、t〕+ ion」の綴りは、「io」があいまい母音化して発音され、「シャン」「ジャン」「ヂャン」の発音を表します。
これ以外の子音の場合は、「i」と「on」の間で音節が分離して、「イアン」「イヤン」と発音されます。
- 「gion」:region「リーヂャン」(『地域』)
- 「sion」:vision「ヴィジャン」(『視力』)、decision「ディスィジャン」(『決断』)
- 「shion」:fashion「ファシャン」(『流行』)
- 「ssion」:mission「ミシャン」(『使節』)、concussion「コンカッシャン」(『脳震盪』)
- 「tion」:institution「インスティテューシャン」(『公共機関』)、lotion「ロゥシャン」(『ローション』)
- その他の子音:oblivion「オブリヴィアン」(『忘却』)、stallion「ステァリヤン」(『種馬』)
- 英語は、国や地域によって母音の発音に差がある場合があります。英国式と米国式の二者に大きく分けられます。また、オーストラリア英語などの発音集団も存在します。
当サイトでは、英国式発音を基準として用いていますが、『アングロアメリカの歌』のカナ表記は米国式に基づいています。
- volatile(『揮発性の』):英国式「ヴォラタィォ」、米国式「ヴァラトォ」
- advertisement(『広告』):英国式「アドヴァーティスマンッ」、米国式「アドヴァタィズマンッ」
○英語・子音のルール
- 英語の子音は、多くは文字通りに発音すれば済みます。
いくつかの字を組み合わせて、別の発音を表すものとしては、「ch」「ph」「sh」「th」「wh」が挙げられます。それぞれ、/t∫/または/k/、/f/、/∫/、/θ/またはこの有声音、/hw/の発音を表すものとして使われます。
- 「c」「g」は、後に続く発音によって発音が変化します。
後に続くのが「a」「o」「u」、子音、語末のときは「ク」「グ」、「i」「e」「y」のときは「ス」「ヂ」と発音されます。ただし、例外もあります。
- 「c」を「ク」:cat「ケァッ」(『ネコ』)、cape「ケィプ」(『岬』)、coal「コゥォ」(『石炭』)、music「ミューズィク」(『音楽』)
- 「g」を「グ」:green「グリーン」(『緑』)、gull「ガォ」(『カモメ』)、good「グゥッ」(『良い』)、egg「エグ」(『卵』)
- 「c」を「ス」:cite「サィッ」(『引用する』)、civic「スィヴィク」(『都市の』)、ceramics「セレァーミクス」(『陶磁器』)
- 「g」を「ヂ」:giant「ヂャィァンッ」(『巨人』)、stage「ステイヂ」(『舞台』)、geology「ヂオラヂ」(『地質学』)
例外は、「i」「e」「y」の前で「g」を「グ」と読むものがあります。
- give「ギヴ」(『与える』)、gynecology「ガィニコロヂ」(『婦人科学』)、get「ゲッ」(『得る』)
※「Gynecology」は、原則にのっとって「ヂャィニコロヂ」と発音されることもあります。
- 英語の有声子音は、語末で発音するときでも無声化することはありません。また、前後の子音によって発音が変化することもありません。
- land「レァンド」(『土地、国』):ドイツ語のLand「ラント」(『土地、国』)と比較。
- tag「テァグ」(『荷札』):ドイツ語のTag「ターク」(『日』)と比較。
- 同じ子音字が2つ続くときは、子音字の発音は、子音字が1つしかないものとみなして発音します。この「同じ子音字」には、「ck」の綴りも含まれます。なお、複合語はこの限りではありません。
子音字の数は、直前の母音の発音に関わってきます。
- kick「キク」(『蹴る』)
- riddle「リドォ」(『なぞなぞ』)
- stubborn「スタブァン」(『頑固な』)
- peppermint「ペパミント」(『ペパーミント』)
- arrive「アラィヴ」(『到着する』)
- 上記のルールで、「s」が2つ続くときは、「s」の発音が1つのときと異なるものになります。
「〔母音〕+『s』+〔母音〕」「〔母音〕+『sl』」「〔母音〕+『sel』」では、「s」は「ズ」と発音されますが、「〔母音〕+『ss』+〔母音〕」「〔母音〕+『ssel』」では、「ss」は「ス」と無声音で発音されます。
- 「s」:resolve「リゾォヴ」(『分解する』)、measles「ミーズォズ」(『はしか』)、weasel「ウィーズォ」(『イタチ』)
- 「ss」:massage「マサージ」(『マッサージ』)、vessel「ヴェスォ」(『容器』)
- 例外として、possess「ポゼス」(『所有する』)は、「〔母音〕+『ss』+〔母音〕」の綴りであっても有声音として読みます。
- 語末で、/t/を中央にして3個の子音が続くと、/t/の脱落が見られることがあります。
- fasten「ファスン」(『固定する』。eも発音されないので、事実上子音が3個続いていることになります)
- subtle「サトォ」(『かすかな』)
- whistle「ウィスォ」(『口笛』)
- 「y」は母音字としても子音字としても使われます。
母音として使われるときは「イ」「アィ」の音、子音として使われるときは、「ヤ」行の子音の/j/を表します。
- tyranny「ティラニ」(『暴政』)
- cycle「サィクォ」(『循環』)
- yellow「ィエロゥ」(『黄色い』)
- 「gh」は発音しない文字ですが、直前の母音を長発音にする役割を持っています。
- plight「プラィッ」(『苦境』)
- daughter「ドータァ」(『娘』)
○英語のアルファベット一覧(左の列から縦に見ていってください。)
A a
|
エイ
|
J j
|
ジェイ
|
S s
|
エス
|
B b
|
ビー
|
K k
|
ケイ
|
T t
|
ティー
|
C c
|
スィー
|
L l
|
エル
|
U u
|
ユー
|
D d
|
ディー
|
M m
|
エム
|
V v
|
ヴィー
|
E e
|
イー
|
N n
|
エヌ
|
W w
|
ダブリュー
|
F f
|
エフ
|
O o
|
オウ(オー)
|
X x
|
エックス
|
G g
|
ジー
|
P p
|
ピー
|
Y y
|
ワイ
|
H h
|
エイチ
|
Q q
|
キュー
|
Z z
|
ゼッド(ズィー)
|
I i
|
アイ
|
R r
|
アー(アール)
|
|
- 英語の字母は26組です。補助記号は、外来語を除いては、用いられることはありません。
- 英語は二重母音の多い言語ですが、アルファベットにもその様子が如実に現れています。「A」「H」「I」「J」「K」「O」「Y」の読みの母音が二重母音になっているところに着目してください。
- 「G」と「J」の表す発音は、舌を上顎につけない「ジ」よりも、上顎につける「ヂ」のほうにより近い発音ですが、ここでは日本語で一般的な表記法に従いました。
○英語とその一般的なカタカナ表記の関係
- 長母音は、長音符号をつけて示します。また、二重母音のうち/ei/と/ou/はそれぞれ「エー」「オー」の形で表すことがよくあります。
アクセントのあるあいまい母音も長母音ですが、この表記は一般に「アー」を用います。
[例]curtain「クァーテゥン」(『カーテン』。日本語では一般に「カーテン」と表記)
Perth「ペァース」(オーストラリア南西部の都市。日本語では一般に「パース」と表記)
baseball「ベィスボーォ」(『野球』。日本語では一般に「ベースボール」と表記)
Liverpool「リヴァプーォ」(英国中部の都市。日本語では一般に「リバプール」「リヴァプール」と表記)
- 二重母音は、一般にカタカナ2文字で表します。ただし、/ei/と/ou/は、それぞれ「エー」「オー」の形で表すことが一般的です。
当サイトで「アィ」「アゥ」「イァ」「ウァ」「エァ」「エィ」「オィ」「オゥ」の表記で示している二重母音は、一般には「アイ」「アウ」「イア」「ウアー」「エア/エアー」「エー/エイ」「オイ」「オー」の表記で表しますが、綴りの文字通りの読みにしたがってカナ表記することもあります。
したがって、カタカナを見ると、短母音なのか、長母音なのか、二重母音なのか分かりにくくなっていることもあります。
[例]highway「ハィウェィ」(『高速道路』。日本語では一般に「ハイウェイ」「ハイウェー」と表記)
out「アゥッ」(『外へ』。日本語では一般に「アウト」と表記)
gear「ギァ」(『歯車』。日本語では一般に「ギア」と表記)
lure「ルゥァ」(『魅力、疑似餌』。日本語では一般に「ルアー」と表記)
chair「チェァ」(『椅子』。日本語では一般に「チェア」「チェアー」と表記)
weight「ウェィッ」(『重量』。日本語では一般に「ウェイト」「ウェート」と表記)
foil「フォィォ」(『箔』。日本語では一般に「ホイル」と表記)
vocal「ヴォゥカォ」(『音声の』。日本語では一般に「ボーカル」「ヴォーカル」と表記)
bowl「ボゥォ」(『〔料理用の〕ボール、どんぶり』。日本語では一般に「ボール」「ボウル」と表記)
Ontario「オンテァリオゥ」(カナダ中部の州名。日本語では一般に「オンタリオ」と表記。
ここでの「a」は「エァ」と発音しますが、それが単なる「ア」になっています)
- 三重母音のカナ表記は、「アィァ」は「アイアー」「アイヤー」、「アゥァ」は「アワー」「アウアー」などと表記するのが一般です。
[例]buyer「バィァ」(『仕入れ係』。日本語では一般に「バイヤー」と表記)
power「パゥァ」(『力』。日本語では一般に「パワー」と表記)
towel「タゥァォ」(『タオル』。日本語では一般に「タオル」と表記)
- アクセントの無いあいまい母音は、綴りの文字の短発音に基づいてカナ表記するのが一般的です。
[例]animal「エァニマォ」(『動物』。日本語では一般に「アニマル」と表記)
television「テラヴィジャン」(『テレビ放送』。日本語では一般に「テレビジョン」と表記)
yogurt「ヨゥグァッ」(『ヨーグルト』。日本語では一般に「ヨーグルト」と表記)
- 「a」の短発音(いわゆる「ェア」の発音)は、一般に「ア」と表記しますが、直前に/k/音を伴うときは「キャ」で表記することもあります。また、例外的に「エア」で表記することもあります。
[例]plastic「プラスティク」(『可塑性の、プラスチック』。日本語では一般に「プラスチック」と表記)
cast「ケァスト」(『配役』。日本語では一般に「キャスト」と表記)
Mary「メァリ」(女性名。日本語では「メリー」「メアリー」などと表記)
- 語末の「〔子音〕+〔er、or、ur、y〕」は、「〔子音〕+『アー』『イー』」と表記するのが一般的ですが、最近では、とくに工学・情報関連分野で、長音記号を除いた表記をする傾向も見られます。
[例]elevator「エラヴェィタ」(『エレベーター』。日本語では一般に「エレベーター」「エレベータ」と表記)
memory「メマリ」(『記憶』。日本語では一般に「メモリー」「メモリ」と表記)
- 英語には「l」と「r」の発音のしわけがありますが、日本語には無いので、「l」と「r」はいずれも「ラ」行の子音で表します。
但し重母音として使用する「r」は長音として示します。
[例]parallel「パラレォ」(『平行の』。日本語では一般に「パラレル」と表記)
malaria「マレァリァ」(『マラリア』。日本語では一般に「マラリア」と表記)
flower「フラゥァ」(『花』。日本語では一般に「フラワー」と表記)
- 語尾や他の子音の直前にある子音は、一般に「ウ」段の音で表記します。ただし、「t」「d」は「ト」「ド」、「n」は「ン」、「ng」は「ング」で表記します。
「r」は直前の母音と一緒になって長音を示しますが、外来語は必ずしもこの例に倣いません。
[例]world「ウェァォド」(『世界』。日本語では一般に「ワールド」と表記)
Brisbane「ブリズベィン」(オーストラリア東部の都市。日本語では一般に「ブリズベン」と表記)
condor「コンドーァ」(『コンドル』。スペイン語よりの移入。日本語では一般に「コンドル」と表記)
- 語尾が「〔短母音〕+ 無声の〔破裂音または摩擦音〕」であるときは、母音で表される字と子音で表される字の間に「小さな『ッ』」を表記します。
また、語尾以外の音節末が「〔短母音〕+ 無声の〔破裂音または摩擦音〕」であるときは、「小さな『ッ』」が付くか付かないかは場合によって異なります。
[例]battery「バタリ」(『電池』。日本語では一般に「バッテリー」と表記。促音あり)
happening「ハプニン゜」(『できごと』。日本語では一般に「ハプニング」と表記。促音無し)
trick「トリク」(『しかけ』。日本語では一般に「トリック」と表記)
brush「ブラシュ」(『ブラシ』。日本語では一般に「ブラシ」または「ブラッシュ」と表記)
- 「f」は「ファ」行で表記されます。ただし、日本語に入ってきた時代が古いものや、化学用語などでは「ハ」行を使って表記することもあります。
「v」は、伝統的に「バ」行で表記されますが、最近では「ヴ」を使用して表記する例も増えてきました。
[例]fork「フォーク」(『フォーク、熊手』。日本語では一般に「フォーク」または「ホーク」と表記)
fillet「フィレィ」(『ヒレ肉』。日本語では一般に「ヒレ」と表記)
formaldehyde「フォーマルドゥハィッ」(『ホルムアルデヒド』。日本語では一般に「ホルムアルデヒド」と表記)
cover「カヴァ」(『覆い』。日本語では一般に「カバー」と表記)
- 後ろに母音を伴う「t」「d」は、「タ」「ダ」行で表すのが一般的ですが、/ti/を「チ」、/tu/を「ツ」、/di/を「ジ」と表記することもあります。
[例]tile「タィォ」(『タイル』。日本語では一般に「タイル」と表記)
etiquette「エティケッ」(『礼儀作法』。日本語では一般に「エチケット」と表記)
tour「トゥァ」(『見物、視察』。日本語では一般に「ツアー」と表記)
dilemma「ディレマ」(『板挟みの状態』。日本語では一般に「ジレンマ」と表記)
- 「th」は、無声のものは「サ」行、有声のものは「ザ」行で表記するのが一般的です。
[例]through「スルゥ」(『〜を通り抜けて』。日本語では一般に「スルー」と表記)
father「ファヅァ」(『父』。日本語では一般に「ファザー」と表記)
- 「dw」「qu」「sw」「tw」は「ド/ク/ス/ツ」に「ワ」「イ」「ウ」「エ」「オ」をつけて表記するのが一般的です。
[例]dwarf「ドウォーフ」(『小人』。日本語では一般に「ドワーフ」と表記)
quality「クウォリティ」(『品質』。日本語では一般に「クオリティ」と表記)
sweet「スウィーッ」(『甘い』。日本語では一般に「スイート」「スウィート」と表記)
twin「トウィン」(『双子』。日本語では一般に「ツイン」と表記)
- 「wh + 〔母音〕」は、「ホワ」「ホイ」「フー」「ホエ」「ホー」で表すのが一般的です。
[例]white「ワィッ/フヮィッ」(『白い』。日本語では一般に「ホワイト」と表記)
whey「ウェィ/フゥェィ」(『乳清』。日本語では一般に「ホエー」と表記)
whole「ホゥォ」(『全体』。日本語では一般に「ホール」と表記)
whip「ウィプ/フゥィプ」(『鞭で打つ、泡立てる』。日本語では一般に前者を「ウィップ」、後者を「ホイップ」と表記)
- 英語の二重母音やあいまい母音の多さを認識せずに言語をそのままカタカナに当てはめたためか、アクセントや綴りの発音が、原音とは異なるものも生じています。
また、アメリカ英語とイギリス英語で異なる発音を使用しているために、カタカナ表記が原音と異なるように感じられるものもあります。
[例]
- pattern「ペァテァン」(『模様』。日本語では一般に「パターン」と表記するが、原音のアクセントは「pat」の方にあります)
- radio「レィディオゥ」(『ラジオ』。日本語では一般に「ラジオ」と表記するが、二重母音を短母音に誤記しています。但し英語由来であるとは断言できませんが)
- vitamin「ヴィタミン/ヴァィタミン」(『ビタミン』。日本語では一般に「ビタミン」と表記するが、これは英国式発音に基づいたものです)
−−英語ここまで−−
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