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PLAISIR D'AMOUR
愛の喜びは

とわの愛を誓ったはずの恋人に振られた男性の嘆き。

作詞:J.P.クラリ・ドゥ・フロリアン / 作曲:J.P.E.マルティーニ
1784年成立

邦題
『愛の喜びは』
『愛の喜び』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)



◆原歌詞:1~3番  バリアントバージョン
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句

1.繰り返しパート
プレズィル ダムゥル ヌ ドュル カ モモ
Plaisir d'amour ne dure qu'un moment,

シャグラ ダムゥル ドュル トゥトゥ ラ ヴィ
Chagrin d'amour dure toute la vie.

1. 
愛の喜びは一瞬しか続かないが
愛の悲しみは一生ずっと続く

dure【動詞・三人称単数現在形】
<durer 続く、長続きする。


2.
ジェ トゥ キテェ プル ラグラトゥ スィルヴィ
J'ai tout quitté pour l'ingrate Sylvie,

エル ム キ・テ プロ・タ・ノト・ラモ
Elle me quitte et prend un autre amant.

 繰り返し

2.
私はつれないシルヴィのためにすべてを棄てたが
彼女は私を棄ててほかの恋人を作ったのだ
繰り返し

ingrate【形容詞・女性単数形】
恩知らずの。


3.
 ク セッ・トォ クゥルラ ドゥスモ
"Tant que cette eau coulera doucement

ヴェル ス ルュィソ キ ボルド ラ プレリ
Vers ce ruisseau qui borde la prairie

ジュ テェムレ、ム レペテ スィルヴィ
Je t'aimerai", me répétait Sylvie.

ロォ クゥル オコル、エ・ラ ショジェ プルト
L'eau coule encor, elle a changé pourtant.

 繰り返し

3.
『草原の縁を流れるあの小川へ向けて
 この泉の水が穏やかに流れるかぎり
 私はあなたを愛します』と
シルヴィは幾度も私に言ったのだ
泉の水は変わらず流れているが、
それなのに彼女は変わってしまった
 繰り返し

tant que【熟語】~する限り。
eau 一般に「水《の意味ですが、ここでは「泉《のニュアンスと解釈しました。
borde【動詞・三人称単数現在形】
<border ~に沿っている。
pourtant【副詞】それでも、それなのに。

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 ガイド   「Plaisir d'amour《の歌詞は、フランスの作家ジャン=ピエール・クラリ・ドゥ=フロリアン(Jean-Pierre Claris de Florian、1755年~1794年)によって、1784年に書かれました。この詞はもともと歌のための歌詞として書かれたものではなく、初出は、フロリアンが同年に発表した作品集「Les six Nouvelles de M. de Florian(ドゥ=フロリアン氏の六つの中編小説)《のうちの一編である「Célestine(セレスティーヌ)《の中で登場人物が詠んだ詩としてのものです。この詩は、作品中では「Romance du chevrier(騎士のロマンス)《と呼ばれていました。
 現在の「Plaisir d'amour《の題がつけられたのは19世紀に入ってからのことです。
 曲は、ドイツ系のフランスの作曲家であるジャン=ポール=エジド・マルティーニ(Jean-Paul-Egide Martini〔※1〕、1741年~1816年)によって、詞と同じく1784年に施されました。
 〔※1〕ドイツ語での吊前はヨハン・パウル・エギディウス・シュヴァルツェンドルフ(Johann Paul Aegidius Schwarzendorf)。のちには「マルティーニ・イル・テデスコ(Martini il Tedesco、『ドイツ人マルティーニ』の意)《とも吊乗っています。

 この曲は、フランスの作曲家エクトル・ベルリオーズ(Hector Berlioz、1803~1869)が小編成オーケストラ曲用に編纂したことでも知られています。また、ポピュラー歌曲としても、イヴォンヌ・プランタン(Yvonne Printemps、1894~1977)、ジョーン・バエズ(Joan Baez、1941~存命)、ナナ・ムスクーリ(Nana Mouskouri、1934~存命)といった歌手たちが歌唱しているほか、米国の歌手エルヴィス・プレスリー(Elvis Presley、1935~1977)の代表曲『Can't Help Falling in Love(邦題:好きにならずにいられない)』の元になった曲としても知られています。

ひとりごと
 日本でもシャンソンとして馴染み深い歌で、TVCMで用いられたこともあるようです。どこかで聞いたり、あるいは歌ったことがあるという方もいらっしゃることでしょう。
 作られたのが230年以上も前の曲ですが(一見古いように思えますが当サイト内のほかの民謡と比べるとそれほどでもありません)、いまでも人の心を打つのは、この歌の取り扱っている失恋というテーマが万国共通で、なおかつ人類の得うる大きな悲しみの一つであるからなのでしょう。もちろん旋律が美しいことも理由の一つに違いありませんが。  



◎各種参考URL
【歌詞・音源】
○http://www.musicanet.org/robokopp/french/plaisir.htm (底本として利用)
【歌詞・楽譜】
○http://www.labbe.de/liederbaum/index.asp?themaid=2&titelid=660
○http://abcnotation.com/tunePage?a=trillian.mit.edu/~jc/music/abc/mirror/musicaviva.com/france/plaisir-damour/0000 (音源もあり)
【歌詞・解説】
○http://www.www.dutempsdescerisesauxfeuillesmortes.net/50_chansons/00_plaisir_d_amour.htm
○http://www.musimem.com/martini.htm (楽譜もあり)
【歌詞のみ】
○http://fr.wikisource.org/wiki/Plaisir_d%E2%80%99amour
○http://tempsreel.nouvelobs.com/abc-lettres/Plaisir-d-amour-ne-dure-qu-un-moment/poeme.html

MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36)
ページ最終更新:2017/12/23

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