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NOUS N'IRONS PLUS AU BOIS
もう森へは行かない

伐り倒されたゲッケイジュの葉を拾い集めに娘たちが森へ行ってきます。

作詞:J.A.ポワソン(=ポンパドゥール夫人)
作曲:不詳、但しミサ曲由来とされます(ガイド参照)。 
18世紀半ばに成立

邦題
『もう森へは行かない』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)



◆原歌詞:1〜10番   バリアントバージョン
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句

1.
ヌゥ ニロ プルュ・ゾ ブヮ
Nous n'irons plus au bois,

レ ロリィェ ソ クゥペ
Les lauriers sont coupés,

ラ ベル ク ヴヮラ
La belle que voilà

イラ レ ラマセ
Ira les ramasser.

繰り返し
 トレ ド ラ ド
 Entrez dans la danse,

 ヴォィエ コ・モ ド
 Voyez comme on danse,

 ソテ、ド
 Sautez, dansez,

 ブラセ キ ヴゥ ヴゥドレ
 Embrassez qui vous voudrez.

1. 
私たちはもう森へは行かない
ゲッケイジュが切られてしまって
この娘が
拾い集めにいくの
繰り返し
 みんなダンスに加わりましょう
 ダンスをするのを見てて
 跳ねて、踊って
 お気にいりの人にキスしましょう

que voilà【熟語】(直前の名詞を強調して)この。


2.
ラ ベル ク ヴヮラ
La belle que voilà

イラ レ ラマセ
Ira les ramasser.

メ レ ロリィェ ドュ ブヮ
Mais les lauriers du bois,

レ レロ ヌゥ クゥペ?
Les lairons nous couper ?

 繰り返し

2.
この娘が
拾い集めにいくの
でも森のゲッケイジュは
伐られるままにしてていいの?
繰り返し

lairons【動詞・一人称複数未来形】
〔古形〕=laisserons<laisser 〜させておく。


3.
メ レ ロリィェ ドュ ブヮ
Mais les lauriers du bois,

レ レロ ヌゥ クゥペ?
Les lairons nous couper ?

 シャクュン ア ソ トゥァ
Non chacune à son tour

イラ レ ラマセ
Ira les ramasser.

 繰り返し

3.
でも森のゲッケイジュは
伐られるままにしてていいの?
いいえ、ひとりずつ順番に
拾い集めにいくのよ
繰り返し


4.
ノン シャクュン ア ソ トゥァ
Non chacune à son tour

イラ レ ラマセ
Ira les ramasser.

スィ ラ スィガル イ ドーァ
Si la cigale y dort

イル ヌフォ パ ラ ブレセ
Il n'faut pas la blesser.

 繰り返し

4.
いいえ、ひとりずつ順番に
拾い集めにいくのよ
あそこのセミに
怪我をさせてはいけないでしょう
繰り返し

blesser【動詞・原形】傷つける。


5.
スィ ラ スィガル イ ドーァ
Si la cigale y dort

イル ヌフォ パ ラ ブレセ
Il n'faut pas la blesser.

ル ショ ドュ ロスィニョル
Le chant du rossignol

ヴャドラ ラ ルヴェィエ
Viendra la réveiller.

 繰り返し

5.
あそこのセミに
怪我をさせてはいけないでしょう
ナイチンゲールのさえずりが
セミを起こそうとするわ
繰り返し

réveiller【動詞・原形】
起こす、目覚めさせる。


6.
ル ション ドュ ロスィニョル
Le chant du rossignol

ヴャンドラ ラ ルヴェィエ
Viendra la réveiller.

エ オスィ ラ フォヴェッ
Et aussi la fauvette

アヴェク ソン デュ ゴズィエ
Avec son doux gosier.

 繰り返し

6. 
ナイチンゲールのさえずりが
セミを起こそうとするわ
ハッコウチョウも
その甘い声で

fauvette【鳥類】ハッコウチョウ、ムシクイ、ヨシキリ。
 ウグイス科に属する小鳥のうちさえずり声のきれいなものを指します。分類学上はいくつかの属に分かれています。フランスに多いものではクロガシラハッコウチョウなどがいるようです。
gosier 本来は「のど」の意味ですが、ここでは「(のどから出る)声」の意味で使われています。。


7.
エ オスィ ラ フォヴェッ
Et aussi la fauvette

アヴェク ソ デュ ゴズィエ
Avec son doux gosier.

エ ジャヌ ラ ベァジェァ
Et Jeanne la bergère

アヴェク ソ ブロ パニィエ
Avec son blanc panier.

 繰り返し

7.
ハッコウチョウも
その甘い声で
そして羊飼いのジャンヌも
彼女の白いかごを持って
繰り返し

8.
エ ジャヌ ラ ベァジェァ
Et Jeanne la bergère

アヴェク ソ ブロ パニィエ
Avec son blanc panier.

アロ ケゥィユ ラ フレーズ
Allant cueillir la fraise

エ ラ フレゥル デグロティエ
Et la fleur d'églantier.

 繰り返し

8.
そして羊飼いのジャンヌも
彼女の白いかごを持って
イチゴと
野バラの花を摘みに行くと
繰り返し

églantier【植物】野バラ。


9.
アロ ケゥィユ ラ フレーズ
Allant cueillir la fraise

エ ラ フレゥル デグロティエ
Et la fleur d'églantier.

スィガル、マ スィガル
Cigale, ma cigale,

アロ、イル フォ ショ
Allons, il faut chanter.

 繰り返し

9.
イチゴと
野バラの花を摘みに行くと
セミよ、私のセミよ
行きましょう、歌わなくちゃ
繰り返し

10.
スィガル、マ スィガル
Cigale, ma cigale,

アロ、イル フォ ショ
Allons, il faut chanter.

カァ レ ロリィェ ドュ ブヮ
Car les lauriers du bois

 デジャ ルプゥセ
Sont déjà repoussés.

 繰り返し

10.
セミよ、私のセミよ
行きましょう、歌わなくちゃ
なぜなら、森のゲッケイジュが
再び生えてきたから
繰り返し

repoussés【動詞・過去分詞複数形】
(植物などが)再び生える。

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 ガイド   この歌は18世紀の半ばに作られたもので、現在では子供の遊び歌として知られています。遊び手は輪を作って回り、その中に一人ずつかわりばんこに入って歌います。
 旋律は、グレゴリオ聖歌のひとつであるミサ・ドゥ・アンジェリス(Missa de Angelis、日本語では「天使ミサ」と呼ばれているようです)のキリエの冒頭部分から採られています。歌詞は、ルイ15世(Louis XV、1710〜1774)の愛妾として知られるポンパドゥール夫人(Marquise de Pompadour)ことジャンヌ・アントワネット・ポワソン(Jeanne-Antoinette Poisson、1721〜1764)が書いたという説が有力です。
 この歌と同じ題名の映画が、3回にわたって製作されています。いずれもこの歌に着想を得たものとされます。
 ●1951年、監督:クロード・ソーテ(Claude Sautet、1924〜2000)
 ●1955年、監督:イヴァン・ゴヴァール(Ivan Govar、1933〜1988)
 ●1969年、監督:ジョルジュ・ドゥムーラン(Georges Dumoulin、生没年調査中)

ひとりごと
 爽やかな初夏の情景が浮かんでくるような歌ですね。歌詞の情景だけではなく、歌詞の構造も巧みに作られていて、真ん中を挟んで前後の内容が対称になるようにできています。歌の出だしで切り倒されたゲッケイジュが、終わりでは再び生えてくるところなど、きれいなまとまりを見せてくれています。
 ところで、筆者は、『もう森へは行かない』と聞くと、フランソワーズ・アルディの『Ma Jeunesse Fout le Camp(邦題:もう森へなんか行かない)』を連想してしまうのですが(私だけではないでしょう…たぶん)、邦題をつけた人たちはこの『Nous N'irons Plus au Bois』のことを意識していたのでしょうか。ちょっとだけ気になります。  




バリアント

 上記の歌詞の1〜3番の一部が異なっているバリアントがあります。
 ここでは、該当箇所の歌詞を挙げて、メイン歌詞と異なっている部分に色をつけて示しました。

◆原歌詞:1〜3番のみをとりあげています。 ◆和訳と語句

1.
ヌゥ ニロ プルュ・ゾ ブヮ
Nous n'irons plus au bois,

レ ロリィェ ソ クゥペ
Les lauriers sont coupés,

ラ ベル ク ヴヮラ
La belle que voilà

ラ レロヌゥ ドンセ?
La lairons-nous danser ?

繰り返し
 トレ ド ラ ド
 Entrez dans la danse,

 ヴォィエ コ・モ ド
 Voyez comme on danse,

 ソテ、ド
 Sautez, dansez,

 ブラセ キ ヴゥ ヴゥドレ
 Embrassez qui vous voudrez.

1. 
私たちはもう森へは行かない
ゲッケイジュが切られてしまった
この娘を
踊らせてていいの?
繰り返し
 みんなダンスに加わりましょう
 ダンスをするのを見てて
 跳ねて、踊って
 お気にいりの人にキスしましょう

2.
ラ ベル ク ヴヮラ
La belle que voilà

ラ レロヌゥ ドセ?
La lairons-nous danser ?

メ レ ロリィェ ドュ ブヮ
Mais les lauriers du bois,

レ レロ ヌゥ ファネ?
Les lairons nous faner ?

 繰り返し

2.
この娘を
躍らせてていいの?
でも森のゲッケイジュは
しおれるままにしてていいの?
繰り返し

faner【動詞・原形】しおれさせる。


3.
メ レ ロリィェ ドュ ブヮ
Mais les lauriers du bois,

レ レロ ヌゥ ファネ?
Les lairons nous faner ?

 シャクュ・ナ ソ トゥァ
Non chacune à son tour

イラ レ ラマセ
Ira les ramasser.

 繰り返し

3.
でも森のゲッケイジュは
しおれるままにしてていいの?
いいえ、ひとりずつ順番に
拾い集めにいくのよ
繰り返し


参照URL
http://www.jedessine.com/m-n-o/nous-n-irons-plus-au-bois-.html
http://enfants.x2000.org/chansons/nous_irons_plus_au_bois.htm(以上メイン歌詞)
http://thierry-klein.nerim.net/nousniro.htm(バリアント歌詞)
http://www.paroles.net/chanson/19130.1
http://users.skynet.be/sky42184/Chanson_Nousnironsplus.htm
http://membres.lycos.fr/sucredorges/Chansons/Nou_n_irons_plus_au_bois/nou_n_irons_plus_au_bois.html
http://wso.williams.edu/cpdl/sheet/mangelis.pdf
http://fr.wikipedia.org/wiki/Fauvette

MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36)
ページ最終更新:2008/03/30

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