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DAME TARTINE
ジャムパン奥さま

お菓子の御殿で暮らすとっても甘いご一家の物語。

作詞:不詳 / 作曲:不詳  / 19世紀頃成立?

邦題
この歌には、定まった邦題はまだ付いていないようです。

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)



◆原歌詞:1〜5番 バリアントその1その2
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句

1.
イ・レテ・テュヌ ダム ターァティヌ
Il était une Dame Tartine

・ザ ボォ パレェ ドゥ ベゥル フレェ
Dans un beau palais de beurre frais.

ラ ムュラユ エテ ドゥ プラリーヌ
La muraille était de praline,

ル パーァケ エテ ドゥ クロケェ
Le parquet était de croquets,

ラ ショブ・ラ クゥシェ
La chambre à coucher

ドゥ クレム ドゥ レェ
De crème de lait,

ル リ ドゥ ビスクュィ
Le lit de biscuit,

レ リドォ ダニ
Les rideaux d'anis.

1. 
ジャムパン奥さまというかたがいて
フレッシュバターの素敵な御殿に住んでおりました
壁はプラリネで出来ていて
床はクロケーで張ってあって
寝室は
ミルクのクリームで出来ていて
ベッドはスポンジケーキで
カーテンはアニスキャンデーでした

tartine【料理】タルチーヌ。
薄切りにしたパンにジャムないしバターを塗った軽食。日本語ではなじみのない語彙なので「ジャムパン」と訳しましたが、日本でいうジャムパンとは異なります。
praline【料理】プラリネ、プラリーヌ。
アーモンドに煮詰めた砂糖を絡めた飴菓子。
parquet(寄せ木張りの)床。
croquets【料理】クロケー。
アーモンド入りの平らな固いクッキー。日本でいう「メンチカツ」の意味もあります。いわゆる「コロッケ」ではありません。
biscuit【料理】スポンジケーキ。
「ビスケット」の意味もありますが、ここではベッドとして使われているので「スポンジケーキ」の訳語を選びました。
anis【料理】アニスキャンデー。
アニス(セリ科植物)の果実を使ったキャンデーのこと。アニスの独特の芳香がします。


2.
・デレ ソ アレ・タ ラ ヴィル
Quand elle s'en allait à la ville

エ・ラヴェ・タ プティ ボネ
Elle avait un petit bonnet.

レ ルュバ エテ ドゥ パスティユ
Les rubans étaient de pastilles

エ ル フォ ドゥ ボ レズィネ
Et le fond de bon raisiné,

サ プティ カリオール
Sa petit' carriole,

エテ ドクロキニョル
Était d'croquignoles,

セ プティ シュヴォ
Ses petits chevaux

エテ ドパテ ショ
Étaient d'pâtés chauds.

2.
彼女が街へ出かけるときには
小さなボンネットをかぶりました
リボンはドロップでできていて
山の部分はブドウのゼリーでした
彼女の小さな二輪馬車は
クッキーでできていて
彼女の小さな馬たちは
熱々のパテで出来ていました

pastilles【料理】ドロップ、キャンデー。
fond(帽子の)山、頭の入るところ。
raisiné【料理】レジネ。
ブドウジュースをゼリー状になるまで煮詰めたもの。ここでは「ブドウのゼリー」と訳しました。
carriole 二輪馬車。
croquignoles【料理】クロキニョール。
小さいクッキーの一種。
pâtés【料理・複数形】パテ。
肉・魚のすり身を型に詰めて焼いた料理。また、肉や魚の入ったパイ料理。


3.
エ・レプゥザ ムセゥ ジャブレテ
Elle épousa Monsieur Gimblette

クヮフェ ダ ボォ フロマージ ブロ
Coiffé d'un beau fromage blanc.

 シャポォ エテ ドゥ ガレテ
Son chapeau était de galette

・ナビ エテ ドゥ ヴォロヴォ
Son habit était de vol-au-vent,

クュロッ・ト ヌゥガ
Culotte en nougat,

ジレ ドゥ ショコラ
Gilet de chocolat,

バ ドゥ カラメル
Bas de caramel

エ スゥリエ ドゥ ミィエル
Et souliers de miel.

3.
彼女が結婚したジャンブレット閣下は
おしゃれなクリームチーズをかぶっていました
彼の帽子はパンケーキでできていて
着物はパイの皮でできていて
半ズボンはヌガーで
チョッキはチョコレートで
長靴下はキャラメルで
靴はハチミツでできていました

Gimblette【料理】ジャンブレット。
円環形に焼いたクッキーの一種。
fromage blanc【料理】クリームチーズ。
galette【料理】ガレット。
平たく丸いパンケーキ。また、クレープのことも指します。
vol-au-vent【料理】ヴォロヴァン(ヴォロヴォン)。
壷形に焼いたパイ生地の中に、肉やキノコなどのクリーム煮を詰めた前菜の一種。また、それに用いる壷形のパイのこと。日本ではまだなじみが薄い語彙なので、「パイの皮」と訳しました。
nougat【料理】ヌガー。
蜂蜜や卵白などを混ぜたものに、砕いたナッツ類(アーモンド、ピスタチオなど)を入れて固めたキャンデーの一種。


4.
レゥル フィユ、ラ ベル シャルロトゥ
Leur fille, la belle Charlotte

アヴェ・タ ネ ドゥ マスパ
Avait un nez de massepain,

ドゥ スゥペェァブ ド ドゥ コポートゥ
De superbes dents de compote,

デ・ゾレィユ ドゥ クラカラ
Des oreilles de craquelin.

ジュ ラ ヴヮ ガァニーァ
Je la vois garnir

サ ロブ ドゥ プレズィァ
Sa robe de plaisirs

アヴェ・カ ルゥロォ
Avec un rouleau

ドゥ パッ ダブリコ
De pâte d'abricot

4.
ふたりの娘、美しいシャルロットは
マジパンの鼻をしていました
美しい歯はコンポートで
耳はクラッカーで出来ていました
私は彼女が
娘のウエハース製のドレスを飾るのを見ました
アンズのペーストの
麺棒を使って

massepain【料理】マジパン、マルチパン。
擂ったアーモンドと砂糖、卵白を練った菓子。いろいろな形や色彩に作られることもよくあります。
compote【料理】コンポート。
果物を砂糖などで甘く煮たもの。
craquelin【料理】クラックラン。
クラッカーや乾パンの類。また、ブリオッシュ(バターや卵を入れて焼いたパン菓子)の上にあられ状の砂糖粒を散らしたものも指します。
plaisirs【料理・複数形】(古語)円筒形ないし円錐形に形作ったウエハース。
rouleau 麺棒、のし棒。


5.
ヴヮスィ ク ラ フェー カラボセ
Voici que la fée Carabosse,

ジャルゥズ エ ドゥ モヴェズ ユメゥァ
Jalouse et de mauvaise humeur,

ヴェァサ ダ クゥ ドゥ サ ボセ
Renversa d'un coup de sa bosse

ル パレ スクレ ドゥ ボネゥァ
Le palais sucré du bonheur

プァ ル ルバティ
Pour le rebâtir,

ドネ・ザ ルヮズィァ
Donnez à loisir,

ドネ、ボ パロ
Donnez, bons parents,

ドュ スク・ロ・ゾフォ
Du sucre aux enfants.

5.
すると妖精カラボッスが
妬んで意地悪な気分になって
こぶで一打ちしてひっくり返しました
幸せで甘くなった御殿を
これを建て直すためには
心ゆくまであげましょう
あげましょう、よき両親たちよ
お砂糖を子供たちに

fée Carabosse【固有名詞】妖精カラボッス。
おとぎ話に登場する醜く悪い妖精。老婆の姿をして、背中に大きなこぶを持っています。「カラボッサ」ともいいます。『眠り姫』に登場する悪い妖精が典型といわれます。
jalouse【形容詞・女性形】妬んで、嫉妬して。
bosse こぶ。ここでは背中のこぶのことでしょう。

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 ガイド   この歌は、19世紀ごろにできたとされるフランスのわらべ歌ですが、インターネット上ではこれよりも詳しい説明や来歴などは見つかりませんでした。
 インターネット上で筆者が見つけた歌詞の多くは、上記の歌詞の2番を省略して、全体で4番までの構成になっていました。おそらくそれが現在フランス語圏でいちばん馴染みのある歌い方なのだと思われます。
 この歌の歌詞の特徴といえば、なんと言っても次から次へと出てくるお菓子の名前でしょうか。メインとして挙げた歌詞の中だけでも24種類のお菓子や軽食が出てきます。これらのお菓子が19世紀のフランスに既にあったかどうかは当方では調べていませんが、マジパンは17世紀にドイツで発明されたものであることが分かっています。

 歌い方について。上記歌詞の5番の上の4行を歌ったあと、いったん歌うのを中断して「Moralité(教訓)」と言ってから続き(下の4行)を歌うものがあります。すなわち最終の4行は、この歌における教訓として述べられるという考え方です。もちろん本気で教訓であると語っているわけではないのはお分かりと思います。

ひとりごと
 「お菓子の家」といえば、有名どころではグリム童話の『ヘンゼルとグレーテル』のお菓子の家でしょうが、ジャムパン奥様の御殿はそれを上回る豪華さ(?)です。なんともよだれの湧いてきそうな建築材料。きっと家具や調度品もお菓子で出来ているのでしょう。カラボッスも羨み妬むはずですね。
 歌詞に挙げられているお菓子の幾つかは、フランス語のものであれば、インターネット上でレシピを見つけることができます。日本でも手に入りやすい材料を使ったものが大部分ですので、自分でこしらえてみるのも一興でしょう。





バリアントその1

 上記の歌詞の1番の一部が異なっているバリアントがあります。
 ここでは、1番の歌詞だけを挙げて、メイン歌詞と異なっている部分に色をつけて示しました。

◆原歌詞:1番のみ ◆和訳と語句

1.
イ・レテ ユヌ ダム ターァティネ
Il était une Dame Tartine

ドン・ザン ボォ パレェ ドゥ ベゥル フレェ
Dans un beau palais de beurre frais.

ラ ムュラユ エテ ドゥ ファリーヌ
La muraille était de farine,

ル パーァケ エテ ドゥ クロケェ
Le parquet était de croquets,

ラ ショブ・ラ クゥシェ
La chambre à coucher

エテ デショーデ
Était d'échaudés,

ル リ ドゥ ビスクュィ
Le lit de biscuit,

レ リドォ ダニ
Les rideaux d'anis.

1. 
ジャムパン奥さまというかたがいて
フレッシュバターの素敵な御殿に住んでおりました
壁は小麦粉で出来ていて
床はクロケーで張ってあって
寝室は
エショーデで出来ていて
ベッドはスポンジケーキで
カーテンはアニスキャンデーでした

échaudés【料理】エショーデ。
生地をゆでてからオーブンで焼いた焼き菓子の一種。



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バリアントその2

 上記のメイン歌詞の4番と5番の間に、下に挙げた歌詞が入るバリアントがあります。この場合、歌全体の歌詞は1番から8番までとなり、メイン歌詞で5番としている歌詞は8番になります。
 この歌詞は、ジャムパン奥さま夫妻の娘のシャルロットが王子様と結婚するまでのシーンを描いています。私的な意見ですが、こちらの歌詞を加えたほうが、全体のストーリーがしっくり調和する感じもします。

◆原歌詞:5〜7番のみ ◆和訳と語句

5.
ル ジョリ プラス リモナーデ
Le joli prince Limonade

ビャ フリゼ ヴァ フェーァ サ クゥル
Bien frisé, vint faire sa cour;

シェヴォ ガァニ ドゥ マァムラーデ
Cheveux garnis de marmelade,

エ ドゥ ポム ビャ クュィ・トォ フゥル
Et de pommes bien cuites au four.

 ルワィヤル ボドォ
Son royal bandeau

ドゥ プティ ガトォ
De petits gâteaux

エ ドゥ レザ セク
Et de raisins secs,

ポーァテ・トォ レスペ
Portait au respect.

5. 
かわいいレモネード王子が
縮れ毛の美しいかたですが、言い寄ってきました
髪は、マーマレードと
オーブンでよく焼いたリンゴで飾っていました
彼の王家のヘアバンドを、
小さなお菓子と
干しブドウでできていましたが
敬意のしるしに着けていました

frisé【形容詞】縮れ毛の。
faire sa cour【熟語】言い寄る、口説く。
cuites【動詞・過去分詞】<cuire
焼く、火を通す。


6.
 フレミ オ ヴワィヤン サ ガーァドゥ
On frémit en voyant sa garde

ドゥ カプル エ ドゥ コルニショ
De câpres et de cornichons,

アーァメ ドゥ フュズィ ドゥ ムゥターァドゥ
Armés de fusils de moutarde

エ ドゥ サブル オ プルュレ ドニョ
Et de sabres en pelures d'oignons.

プラリーヌ エ フォ
Pralines et fondants,

サヴォ・ト ロ
S'avancent en rangs,

エ レ プティ フゥル
Et les petits fours

バト ドュ トブゥル
Battent du tambour.

6.
人々は彼の衛兵隊を見て震えます
ケーパーとピクルスとで成り立っていて
マスタードの銃と
タマネギの皮のサーベルで武装しています
プラリネとフォンダンが
横列を作って前進し
プチフールが
太鼓を打ち鳴らします

câpres【料理】ケーパー。
フウチョウボクの蕾の酢漬け。サラダの添え物や、肉・魚料理のソースなどに使います。
cornichons【料理】ピクルス。
pelures(野菜や果物の)皮。
fondant【料理】フォンダン。
キャンデーの一種。口の中で溶けやすくなっています。
rangs【複数形】(横に長い)列。
petits fours【料理】プチフール。
一口大のケーキやクッキーなど。


7.
スュ・ラ グロ トロォヌ ドゥ ブリオシェ
Sur un grand trône de brioches

シャルロ・テ ル ルヮ ヴォ サスワル
Charlotte et le roi vont s'asseoir.

レ ボ ソーァト ドゥ レゥル ポシェ
Les bonbons sortent de leurs poches

ドゥプュヮ ル マタ ジュスコ スワル
Depuis le matin jusqu'au soir.

レ プティゾフォ
Les petits-enfants,

アヴォ トゥー グゥルモ
Avant tout, gourmands;

ス モトロ ラヴィ
Se montrent ravis

デトル アスィ セルヴィ
D'être ainsi servis.

7.
大きなブリオッシュの玉座に
シャルロットと王様が座るところです
ボンボンを彼らのポケットから取り出します
朝から晩まで
孫たちは
とにもかくにも食いしんぼうで
こんなふうに食べ物を出してもらえると
大喜びの様子を見せます

brioches【料理】ブリオッシュ。
バターや卵を入れたパン菓子の一種。王冠型に作るので「王様のパン」とも呼ばれます。
avant tout【熟語】何よりもまず、とにかく。
montrent【動詞・三人称複数現在形】
 <montrer
〔se montrerの形で〕〜であることを示す。
ravis【形容詞】大喜びの。
ravis de 〜で「〜して大喜びの」という意味になります。



参考URL
http://www.paroles.net/chansons/13446.htm(メイン歌詞底本として使用)
http://www.lami.univ-evry.fr/~csileo/enseignements/2003/licence_pluridisciplinaire/projets/en_ligne/ALFRED_Melanie/chants/chantD1.htm
http://gauterdo.com/ref/dd/dame.tartine.html(バリアント歌詞その2底本として使用)
http://chansonsfrancaises.ifrance.com/chansonsfrancaises/tartine.pdf
http://www.momes.fr/comptines/nourritures/il-etait-une-dame-tartine.html
http://jboillet.club.fr/nouveau1/recette.html

MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36)
ページ最終更新:2008/02/02

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