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AU CLAIR DE LA LUNE
月の光に

明かりを探していたはずが、不思議な結末になっています。

作詞:不詳、但しJ.B.リュリという説あり
作曲:不詳、但しJ.B.リュリという説あり  / 17世紀頃成立

邦題
『月の光に』『月光』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)



◆原歌詞:1〜4番  バリアントバージョン
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句

1.
オ クレル ドゥ ラ ルュネ、モナミ ピェロ
Au clair de la lune, mon ami Pierrot,

プレテ・ムヮ タ プルュメ プゥ・レクリ・ラ・モ
Prête-moi ta plume pour écrire un mot.

マ ショデ・レ モルテ、ジュ ネ プルュ ドゥ フュ
Ma chandelle est morte, je n'ai plus de feu,

ウヴル・ムヮ タ ポルテ プゥ・ラムル ドゥ デュ
Ouvre-moi ta porte, pour l'amour de Dieu.

1.
月の光に照らされて、わが友ピエロ君
手紙を書くペンを貸してくれ
僕のろうそくは消えて、火ももう無いんだ
お願いだから、扉を開けてくれ
mot  短信、書きつけ。
pour l'amour de Dieu【慣用表現】
お願いだから、後生だから。
直訳すると「神の愛にかけて」というような訳になります。

2.
オ クレル ドゥ ラ ルュネ、ピェロ レポディ
Au clair de la lune, Pierrot répondit :

ジュ ネ パ ドゥ プルュメ、ジュ スュィ ド モ リ
Je n'ai pas de plume, je suis dans mon lit.

ヴァ シェ ラ ヴヮズィヌ、ジュ クルヮ ケ・リ エ
Va chez la voisine, je crois qu'elle y est,

カル ド サ クュィズィーヌ オ バ ル ブリケ
Car dans sa cuisine on bat le briquet.

2.
月の光に照らされて、ピエロは答えた
『僕はペンは持っていないし、
 もうベッドに入っている。
隣の家に行ってごらん、あると思うよ
台所で火打石を叩いているから』
briquet  ライター、火打石。

3.
オ クレル ドゥ ラ ルュネ、レマブル ルュバ
Au clair de la lune, l'aimable Lubin

フラパ シェ ラ ブルュネ、キ レポ スダ
Frappa chez la brune, qui répond soudain:

キ フラプ デ ラ ソルテ、イル ディ・タ ソ トゥル
Qui frapp' de la sorte, il dit à son tour:

ウゥヴレ ヴォトレ ポルテ、プゥル ル デュ ダムゥル
Ouvrez votre porte, pour le dieu d'amour.

3.
月の光に照らされて、気立ての良いリュバンが
ブルネットの家の扉を叩くと、すぐ返事があった
『そんなに叩くのは誰?』答えていわく、
『扉を開けてください、愛の神にかけて』
Lubin リュバン。
この歌の主人公の名前です。
de la sorte【熟語】
そのように、そんなふうに。
brune
(髪あるいは皮膚が)褐色がかっている人。

4.
オ クレル ドゥ ラ ルュネ、オ ニ ヴヮ ケ プュ
Au clair de la lune, on n'y voit que peu;

 シェァシャ ラ プルュメ、オ シェァシャ ル フュ
On chercha la plume,on chercha le feu.

シェァショ ドゥ ラ ソルテ ヌ セ スコ トルゥヴァ
Cherchant de la sorte ne sais c'qu'on trouva;

メ ジュ セ クラ ポルテ スュ・ルュ ス フェルマ
Mais je sais qu'la porte sur eux se ferma.

4.
月の光に照らされて、何も見えない
彼らはペンを探し、火を探した
そんなふうに探して何が見つかったのか、
 僕は知らない
だが僕は知っている、
 扉が彼らの後ろで閉じていたことを

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 ガイド   フランス語圏で非常に親しまれている歌で、「3歳の子供なら誰でも歌える」とまで言われているようです。
 作曲は、イタリア出身でフランスに帰化した作曲家ジャン・バチスト・リュリ(Jean Baptiste Lully、1632〜1687、イタリア名はジョヴァンニ・バッティスタ・ディ・ルッリ〔Giovanni Battista di Lulli〕)によるといわれていますが、確実な説ではありません。リュリはフランス国王ルイ十六世に仕えた作曲家で、バイオリンの名手でもあり、また、数多くの戯曲やバレエ音楽作品を残しています。
 作詞者は不明ですが、作曲と同じくリュリによるものという説があります。
 1・2・4番の歌詞にある「plume(ペン)」は、より古いバージョンでは「lume(光)」となっています。歌の主人公は、「ろうそくの火が消えてしまった」という理由でピエロを訪ねているのですから、古いバージョンの方が物語の筋が通っていることになります。

ひとりごと
 皆様は、ベルギーの漫画家エルジェが創作した世界的なスーパースター(?)「タンタン」はお好きですか?彼も、デビュー作品の『タンタン ソビエトへ』で『月の光に』を口ずさんでいます。フランス語圏の人たちなら誰でも知っている歌だけあって、ふっと口をついて出てくるようです。
 いっぽう、日本人である筆者が初めてこの曲を聴いたのは、小学校の音楽の時間。リコーダーの教則本に載っていて、それを吹いてみて初めて知りました。
 もっとも当時は「へえ〜、フランスの曲なんだなぁ」というほどの感慨しかありませんでした。まあ、小学校3年生でしたから。



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バリアント

 上記の1〜2番と同一の歌詞、およびここに挙げた3番の歌詞でできているバージョンがあります。4番はありません。
一説によると、こちらがもともとの歌詞に近いもののようです。

◆原歌詞:3番のみを載せています。 ◆和訳と語句

3.
オ クレル ドゥ ラ ルュネ、ピェロ ス ロドル
Au clair de la lune Pierrot se rendort.

イル レヴ・ァ ラ ルュネ、ソ ケゥル バ ビャ フォル
Il rêve à la lune, son coeur bat bien fort ;

カル トゥジュル スィ ボヌ プル ロフォ トゥ ブロ
Car toujours si bonne pour l'enfant tout blanc,

ラ ルュネ ルュィ ドヌ ソ クルヮソ ダルジョ
La lune lui donne son croissant d'argent.


3.
月の光に照らされて、ピエロは再び眠りに就く
月を夢見て、心臓がとても激しく打っている
なぜなら、けがれの無い子供には、いつだって
月は銀の三日月をくれたから




参考URL:
http://www.ptitclic.net/chansonsenfantines/auclairdelalune.htm(メイン歌詞)
http://membres.lycos.fr/sucredorges/Chansons/Au_clair_de_la_lune/au_clair_de_la_lune.html (バリアント歌詞)
http://www.chez.com/chansonsenfantines/indexchansons.htm
http://perso.club-internet.fr/bmarcore/Tine/E125.htm
http://dispourquoipapa.free.fr/comptine/ct0003.htm
http://ourworld.compuserve.com/homepages/Thierry_Klein/auclaird.htm
http://fr.wikipedia.org/wiki/Au_clair_de_la_lune
http://w3.rz-berlin.mpg.de/cmp/lully.html

MIDI作成ソフト:てきとーシーケンサ Version2.15
ページ最終更新:2017/04/03

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