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MOLLIE DARLING
いとしのモリー

ベタベタなほどに甘い恋歌。19世紀のミリオンセラーを記録しています。

作詞・作曲:W.S.ヘイス  / 1872年著作・発表

邦題
『冬の星座』『他郷の月』
『モーリー・ダーリン』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)



◆原歌詞:1〜3番
フリガナはアメリカ英語の発音に基づいています。
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句

1.
ウォンッ ユゥ テォ ミ モリー ダーリン゜
Won't you tell me Mollie darling,

ヅァッ ユゥ ラヴ ナン エォス バッ ミー?
That you love none else but me?

フォー アィ ラヴ ユー モリー ダーリン゜
For I love you Mollie darling,

ユー ア オーォ ヅァ ウェァルド トゥ ミ
You are all the world to me.

オゥ! テォ ミ ダーリン゜ ヅァッ ユゥ ラヴ ミ
O! tell me, darling, that you love me,

プッ・テュァ リトォ ヘァンド イン マィン
Put your little hand in mine,

テイク マィ ハーッ、スゥィーッ モリー ダーリン゜
Take my heart, sweet Mollie darling,

セィ ヅァッ ユゥ ウィオ ギヴ ミ ヅァィン
Say that you will give me thine.

繰り返し
 モリー、フェアレスト、スゥィーテスト、ディァレスト
 Mollie, fairest, sweetest, dearest,

 ルゥッ・カプ ダーリン゜ テォ ミ ヅィス
 Look up, darling, tell me this;

 ドゥ ユゥ ラヴ ミ モリー ダーリン゜
 Do you love me, Mollie darling?

 レッ・テョァ ェアンサ ビ ア キス
 Let your answer be a kiss.

1.
僕に言ってくれないか、いとしいモリー
僕のほかは誰も愛さないと
なぜなら、君が好きだからだ、いとしいモリー
君は僕にとって世界のすべて
おお、言ってくれ、僕が好きだと
君の小さな手を僕の手に挿し入れてくれ
僕の心をあげるよ、素敵なモリー
君の心も僕にくれると言ってくれ
繰り返し
 モリー、最高に美しく、
 最高に素敵で、最高にいとしい人よ
 顔を上げて、答えてくれ
 僕が好きかい、いとしいモリー
 君の答えがキスだといいな
thine【代名詞】(古形)=yours 君のもの。

2.
スターズ アー スマィリン゜、モリー ダーリン゜
Stars are smilling, Mollie darling,

スルゥ ヅァ ミスティク ヴェィォ アヴ ナィッ
Thro' the mystic vail of night;

ヅェィ スィーム ラフィン゜、モリー ダーリン゜
They seem laughing, Mollie darling,

ホワィォ フェァ ルーナ ハィヅ ヘァ ラィッ
While fair Luna hides her light;

オゥ!ノゥ ワン リスンズ バッ ヅァ フラゥワーズ
O! no one listens but the flowers,

ホワィォ ヅェィ ヘァン゜ ゼィァ ヘヅ イン シェィム
While they hang their heads in shame.

ヅェィ アー マデスト、モリー ダーリン゜
They are modest, Mollie darling,

ホェン ヅェィ ヒーァ ミ コーォ ユァ ネィム
When they hear me call your name.

 繰り返し

2.
星が微笑んでいるよ、いとしいモリー
夜の神秘的なベールの向こうから
星たちは笑っているようだね、いとしいモリー
色白のお月様は光を隠しているのに
ああ!花たちのほかは誰も聞いていないよ
みんな恥ずかしがって頭を垂れているし
花は奥ゆかしくなるんだね、いとしいモリー
僕が君の名前を呼ぶのを耳にすると
繰り返し
thro'【前置詞】=through 〜を通して。
mystic【形容詞】神秘的な。
vail (古語)=veil 覆い、ベール。
Luna【固有名詞】ルナ。
ローマ神話の月の女神のことですが、ここでは月を詩的に表現した言い回しです。

3.
アィ マスト リーヴ ユー、モリー ダーリン゜
I must leave you, Mollie darling,

ヅォゥ ヅァ パーティン゜ ギヴズ ミ ペィン
Tho' the parting gives me pain;

ホェン ヅァ スターズ シャィン、モリー ダーリン゜
When the stars shine, Mollie darling,

アィ ウィオ ミー・テュー ヒーァ アゲン
I will meet you here again.

オゥ!グゥッナィッ、モリー、グゥッバィ、ラヴド ワン 
O! goodnight, Mollie, goodbye, loved one,

ヘァピ メィ ユゥ エヴァ ビ
Happy may you ever be,

ホェン ユア ドリーミン゜、モリー ダーリン゜
When you're dreaming, Mollie darling,

ドウンッ フォァゲッ トゥ ドリーム アヴ ミ
Don't forget to dream of me.

 繰り返し

3.
君と別れなければならない、いとしいモリー
別れは僕には辛いものだけれど
星が輝くときには、いとしいモリー
またここで君に会うよ
ああ!おやすみ、モリー、さらば、いとしい人
君がいつでも幸せでいますように
君が夢を見ているときは、いとしいモリー
僕のことも忘れずに夢に見てくれ
繰り返し
tho'【接続詞】=though 〜ではあるが。

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 ガイド   『Mollie Darling』は、米国の作曲家ウィリアム・シェイクスピア・ヘイス(William Shakespeare Hays,1837〜1907)の作詞・作曲による、彼の最大のヒット作品です。1872年の作詞・作曲で、楽譜本の売り上げは300万部以上という、当時としては驚異的な数を記録しています。現在でもカバーして歌う歌手がいるほどの人気ある曲目です。ヘイスの作品は、この歌の旋律に日本語詞をつけた『冬の星座』と、『故郷の廃屋』の二つが、日本では際立ってよく知られています。
 『Mollie Darling』には2つの日本語詞があり、このうち著名度の高い(と思われる)ほうの『冬の星座』は、『春の日の花と輝く』の訳詩でも知られる堀内敬三(ほりうち・けいぞう、1897〜1983)氏によるものです。また、より古い『他郷の月』のほうは、中村秋香(なかむら・あきか、1841〜1910)氏によるものです。
 タイトルや歌詞に出て来る『Mollie Darling』は、現在では『Molly Darling』と綴られることが多くなっていますが、ここではオリジナル楽譜本のタイトルに倣いました。

ひとりごと
 私がこの歌を初めて聴いたのは、筆者がまだ中学生であった頃の当時のNHK『続基礎英語』でのことです。爾来、私の頭の中では、このメロディーを聴くと、恋人たちの睦びあいが真っ先に脳裏に浮かぶようになってしまいました。 なお『冬の星座』のほうは、いまだかつて聴いたことがありません。ですからなおさら、ラブソングというイメージがしっかりと固着してしまっています。
 このページを作るにあたり、初めて翻訳してみましたが、訳しているこっちが痒くなってくるほどのラブラブっぷりでした。いや、歌だからこんな歯の浮くような事も言えるのでしょうが。
 それにしても、こんなに素敵なラブソングが、どうして日本では、プレアデスやらオリオンやらをうたった詞(『冬の星座』)や、故郷の家族を懐かしむ詞(『他郷の月』)に変えられたのでしょう。これはこれで楽しい歌なのですから、原詩の意味に沿って訳した歌詞があってもよいはずです。さらに驚かされるのは、いずれの日本語詞も、原曲の「サビ」の部分を完全にカットしていることです。なにか不謹慎に思われた点でもあったのでしょうか…疑問です。


参考URL
http://www.pdmusic.org/hays/wsh72md.txt
http://sniff.numachi.com/~rickheit/dtrad/pages/tiMOLLDARL.html

MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36)

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