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COMIN' THRO' THE RYE
ライ麦畑を通って

あけっぴろげな恋の歌。ちょっとエッチな含みもあります。

作詞:R.バーンズ  /  作曲:不詳
18世紀後半に成立

邦題
『故郷の空』『麦畑』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)



◆原歌詞:1〜3番
フリガナはイギリス英語の発音に基づいています。
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句
語釈の「方言」はスコットランド方言を表します。

1.
ギン・ナ バディ ミー・タ バディ
Gin a body meet a body

カミン スルー ヅァ ラィ
Comin' thro' the rye

ギン・ナ バディ キッ・サ バディ
Gin a body kiss a body

ニー・ダ バディ クラィ?
Need a body cry?

イォカ ラスィ ヘァズ ヘァ ラディ
Ilka lassie has her laddie

ネィン、ヅェィ セィ ヘィ アィ
Nane, they say, hae I

イェッ・トー ザ ラヅ ヅェィ スマィォ アッ ミ
Yet a' the lads they smile at me

ウェン カミン スルー ヅァ ラィ
When comin' thro' the rye.

1.
もしある人が、ライ麦を分けてやって来て
ある人と逢ったとしたら
ある人がある人にキスをしたなら
叫ばなくちゃいけないかしら?
女の子は誰でも自分の彼氏がいて
私には誰もいないって言うけれど
でも男の人はみんな私に微笑みかけてくれる
ライ麦畑を分けてやって来るときに
gin【接続詞】(方言)=if もし。
ilka【形容詞】(方言)=each/every
 それぞれの。
nane【代名詞】(方言)=nane 誰も〜ない。
hae【動詞】(方言)=have 〜を有する。

2.
ギン・ナ バディ ミー・タ バディ
Gin a body meet a body

カミン フレィ ヅァ タゥン?
Comin' frae the town

ギン・ナ バディ キッ・サ バディ
Gin a body kiss a body

ニー・ダ バディ フラゥン?
Need a body frown?

イォカ ラスィ ヘァズ ヘァ ラディ
Ilka lassie has her laddie

ネィン、ヅェィ セィ ヘィ アィ
Nane, they say, hae I

イェッ・トー ザ ラヅ ヅェィ スマィォ アッ ミ
Yet a' the lads they smile at me

ウェン カミン スルー ヅァ ラィ
When comin' thro' the rye.

2.
もしある人が、町からやって来る
ある人と逢ったとしたら
ある人がある人にキスをしたなら
しかめ面しなくちゃいけないかしら?
女の子は誰でも自分の彼氏がいて
私には誰もいないって言うけれど
でも男の人はみんな私に微笑みかけてくれる
ライ麦畑を分けてやって来るときに
frae【前置詞】(方言)=from 〜から。

3.
マン゜ ヅァ トレィン ヅェァ イズ・ァ スウェィン
'Mang the train there is a swain

アィ ディァリ ルゥー マィセォフ
I dearly lo'e myself

バッ ワッ ヒズ ネィム オ ウォー ヒズ ヘィム
But what his name or whaur his hame

アィ ディナ ケア トゥ テォ
I dinna care to tell

イォカ ラスィ ヘァズ ヘァ ラディ
Ilka lassie has her laddie

ネィン、ヅェィ セィ ヘィ アィ
Nane, they say, hae I

イェッ・トー ザ ラヅ ヅェィ スマィォ アッ ミ
Yet a' the lads they smile at me

ウェン カミン スルー ヅァ ラィ
When comin' thro' the rye.

3.
その男の人たちの中に、素敵な人がいるの
自分でもとても愛しているけど
その人がなんていう名前か、家がどこかは
教えたくないわ
女の子は誰でも自分の彼氏がいて
私には誰もいないって言うけれど
でも男の人はみんな私に微笑みかけてくれる
ライ麦畑を分けてやって来るときに
'mang【前置詞】(方言)=among
 〜のなかに。
swain 若者、恋人。
lo'e【動詞】(方言)=love 〜を愛する。
whaur【副詞】(方言)=where どこに。
hame(方言)=home 家、自宅。
dinna【連語】(方言)=don't

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 ガイド   『Comin' thro' the Rye』は『蛍の光』でも知られるスコットランドの詩人ロバート・バーンズ(Robert Burns、1759〜1796)が詞を書いた歌で、旋律はスコットランドの民謡の曲を充てたものです。
 日本では、大和田建樹(おおわだ・たけき、1857〜1910)氏の作詞で、明治21年に文部省唱歌に取り入れられ、『故郷の空』という全く内容の異なる歌になったうえに、旋律もわずかながら変えられました。また、ザ・ドリフターズの「誰かさんと誰かさんが…」の歌詞(訳はなかにし礼さんだったかな、記憶違いでしたらご容赦ください)でもおなじみですが、こちらの方が本来の歌詞の意に沿ったものであることは、上の訳からも明らかです。
 横断歩道の誘導メロディとして、日本全国津々浦々で聞くことができます。

ひとりごと
 この歌にまつわる話で思い出すのは、サリンジャーの『ライ麦畑で捕まえて(A Catcher in the Rye)』。この題名は、主人公が『Coming thro' the Rye』の題を間違って覚えていたことによるものです。


参考URL:
http://www.rampantscotland.com/songs/blsongs_rye.htm
http://www.poetry-online.org/burns_coming_thro_the_rye.htm

MIDI作成ソフト:てきとーシーケンサ Version2.15

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