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THE BLUE BELLS OF SCOTLAND
スコットランドの釣鐘草

戦争に赴いた恋人を思う娘の志をうたっています。

作詞:不詳、但しA.グラントにより補作
作曲:不詳、但しJ.ハイドンにより補作
1800年頃成立

邦題
『スコットランドの釣鐘草』
『美しき』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)



◆原歌詞:1〜3番
フリガナはイギリス英語の発音に基づいています。
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句
語釈の「方言」はスコットランド方言を表します。

1.
オゥ ウェァ、テォ ミ
Oh where, tell me

ウェァ イズ ユァ ヒーランッ ラディ ゴーン?
Where is your highland laddie gone?

オゥ ウェァ、テォ ミ
Oh where, tell me

ウェァ イズ ユァ ヒーランッ ラディ ゴーン?
Where is your highland laddie gone?

ヒズ ゴーン ウィヅ ストリーミン゜ バナーズ
He's gone with streaming banners

ウェァ ノゥブォ ディーヅ アー ダン
Where noble deeds are done

アン イツ オゥ イン マィ ハーッ
And it's oh! in my heart

アィ ウィシュ ヒム セィフ アッ ホゥム
I wish him safe at home.

1.
ああ、どこへ、教えてください
あなたの高地の若者はどこへ行ったのか
ああ、教えてください、どこへ
あなたの高地の若者はどこへ行ったのか
あの人はたなびく旗とともに
気高い事の行われる地へ行ったのです
そして、ああ!私の胸のうちでは
あの人が無事に戻ってくるよう願っています
highland【地理】高地。この歌では、とくに、スコットランド北部の高地地帯を指します。
スコットランド方言での発音が「ハイランド」ではないことに注意してください。
noble deeds 「気高い行為」。ここでは「戦争」を意味しています。

2.
オゥ ウェァ、テォ ミ
Oh where, tell me

ウェァ ディッ ユァ ヒーランッ ラディ ドゥエォ?
Where did your highland laddie dwell?

オゥ ウェァ、テォ ミ
Oh where, tell me

ウェァ ディッ ユァ ヒーランッ ラディ ドゥエォ?
Where did your highland laddie dwell?

ヒ ドゥエォト イン ボニー スコッラン
He dwelt in bonnie Scotland

ウェァ ブルーム ヅァ スウィーッ ブルー ベォス
Where bloom the sweet blue bells

アン イツ オゥ イン マィ ハーッ
And it's oh! in my heart

アィ ルー マィ ラディ ウェォ
I rue my laddie well.

2.
ああ、どこに、教えてください
あなたの高地の若者がどこに住んでいたのか
ああ、どこに、教えてください
あなたの高地の若者がどこに住んでいたのか
あの人は美しいスコットランドに住んでいました
愛らしい釣鐘草の咲く地です
そして、ああ、私の胸のうちでは
あの人がいないのを痛ましく思っています
dwell【動詞】住む。
rue【動詞】〔古語〕悔いる。

3.
オゥ ウォッ、テォ ミ
Oh what, tell me

ウォット イフ ユァ ヒーランッ ラッ ビ スレィン? 
What if your highland lad be slain?

オゥ ウォッ、テォ ミ
Oh what, tell me

ウォット イフ ユァ ヒーランッ ラッ ビ スレィン?
What if your highland lad be slain?

オゥ ノゥ、トゥルー ラヴ ウィォ ビ ヒズ ガィッ
Oh no, true love will be his guide

アン ブリン゜ ヒム セィフ アゲン
And bring him safe again

フォー イツ オゥ マィ ハーッ ウッ ブレィク
For it's oh! my heart would break

イフ マィ ヒーランッ ラッ ウヮー スレィン
If my highland lad were slain.


3.
ああ、どうするのか、教えてください
あなたの高地の若者が殺されたらどうするのか
ああ、どうするのか、教えてください
あなたの高地の若者が殺されたらどうするのか
いいえ、まことの愛があの人の導きとなって
あの人を無事に帰らせてくれることでしょう
そして、私の心は壊れてしまうでしょう
もし私の高地の若者が殺されたなら
slain【動詞・過去分詞】
<slay  殺す、あやめる。

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 ガイド   この歌の歌詞は、エディンバラの作家・作詞家アン・グラント(Anne Grant、1755〜1838)〔※1〕が、エディンバラの民謡収集家ジョージ・トムソン(George Thomson, 1757〜1821)の依頼を受けて、古い民謡の歌詞を手直ししたものだと考えられています。
 曲はスコットランドに伝わる民謡ですが、「交響曲の父」として著名な作曲家ヨーゼフ・ハイドン(Joseph Haydn、1732〜1809)がメロディーを書き直しています。
 この詞と曲とのセットで初めて歌われたのは、1800年ごろ、エディンバラの劇場で、女優のドロテア・ジョーダン(Dorothea Jordan、1762〜1816)によるものとされています。
 日本に紹介されたのは、明治14年(西暦1881年)のことで、『ちょうちょ』の歌詞を書いたことでも知られる稲垣千頴(いながき・ちかい、1845 〜1913)の詞で小学唱歌集に載ったのが初めてのようです。このときの題が『美しき』でした。
  〔※1〕一般には、同時代の作詞家エリザベス・グラント(Elizabeth Grant of Carron、1745〜1814)やエリザベス・グラント(Elizabeth Grant of Rothiemurchus、1797〜1886)と区別するために、出身地のラガン(Laggan、スコットランド中央部)を名前の後ろに付けて「ラガンのグラント夫人(Mrs. Grant of Laggan)」と表記されています。

ひとりごと
 かなり有名な曲なので、私も昔からあちこちで耳にしていたと思います。しかし、歌の題と曲とがはじめて私の中で一致したのは、かつてのNHK第2放送『続基礎英語』で『今月の歌』として流れたときでした。


参考URL
http://www.contemplator.com/tunebook/scotland/bluebell.htm(底本として使用)
http://www.rampantscotland.com/songs/blsongs_laddiegone.htm
http://www.glasgowguide.co.uk/wjmc/owherete.shtml
http://www.gutenberg.org/files/18396/18396-0.txt
http://www.palmbeachpipes.com/bluebells_of_scotland.htm
http://www.nls.uk/broadsides/broadside.cfm/id/20870
http://www.alexanderstreet2.com/swrp/bios/S7024-D001.html
http://iment.com/maida/familytree/henry/music/p105.htm

MIDI作成ソフト:てきとーシーケンサ Version2.15

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