HÄNSCHEN KLEIN | |
作詞:F.ヴィーデマン / 作曲:上詳 / 19世紀半ば成立? | |
邦題 『蝶々』『ちょうちょ』など |
◆原歌詞:1~3番 バリアントバージョン
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。 |
◆和訳と語句 |
1. ヘンスヒェン クラィン ギン゜ アラィン Hänschen klein ging allein イン ディ ヴァィテ ヴェルト ヒンナイン In die weite Welt hinein. シュトク ウン フーッ シュテーッ イーム グーッ Stock und Hut steht ihm gut イス ガーァ ヴォールゲムーッ Ist gar wohlgemut. アーベァ ムッテァ ヴァィネッ ゼーァ Aber Mutter weinet sehr, ハッ ヤー ヌン カィン ヘンスヒェン メーァ Hat ja nun kein Hänschen mehr. ヴュンシ ディァ グルュク、ザークト イーァ ブリク "Wünsch dir Glück", sagt ihr Blick, ケーァ ヌーァ バルト ツルュク "Kehr nur bald zurück !" |
1. 幼いハンス坊やは一人旅に出ました 広い世の中へと 杖と帽子がよく似合っていて たいそうご機嫌です だけれど母さんはひどく泣いています ハンス坊やにもう逢えないのではないかと 「幸運を祈りますよ《母さんの眼は言っています 「きっとすぐに戻ってくるのですよ!《 Blick まなざし、目つき。 |
2. ズィーベン ヤーァ、トルュープ ウン クラーァ Sieben Jahr, trüb und klar, ヘンスヒェン イン デァ フェァネ ヴァーァ Hänschen in der Ferne war. ダ ベズィント ズィヒ ダス キント Da besinnt sich das Kind, アイレッ ハィム ゲシュヴィント Eilet heim geschwind. ドホ ヌン イスツ カィン ヘンスヒェン メーァ Doch nun ist's kein Hänschen mehr, ナィン、アィン グローセァ ハンス イス エァ Nein, ein großer Hans ist er, ブラォン ゲブラント シュティァン ウン ハント Braun gebrannt Stirn und Hand. ヴィアッ エァ ヴォール エァカント? Wird er wohl erkannt ? |
2. 七年間、曇りの日も晴れの日もありましたが ハンス坊やは遠いところにいました そこで少年は熟考して 家路へすたすたと急ぎます しかしもうハンス坊やはおりません そう、大きくなったハンスなのです 褐色に焼けた額に手 いったい彼だと分かってもらえるでしょうか?
gebrannt【動詞・過去分詞】 |
3. アィンス ツヴァィ ヅラィ、ゲーン フォァバィ Eins, zwei, drei gehen vorbei, ヴィッスン ニヒト、ヴェア ダス ヴォール ザィ Wissen nicht, wer das wohl sei. シュヴェステァ シュプリヒト、ヴェルヒ ゲズィヒト Schwester spricht:" Welch Gesicht", ケンッ デン ブルューデァ ニヒト Kennt den Bruder nicht. ドホ ダ コムト ダス ムュッテァラィン Doch da kommt das Mütterlein, シャォト イーム カォム インス アォク ヒンナィン Schaut ihm kaum ins Aug hinein, シュプリヒト ズィ ショーン、ハンス マィン ゾーン Spricht sie schon "Hans, mein Sohn ! グルュース ディヒ ゴッ、マィン ゾーン Grüß dich Gott, mein Sohn !" |
3. 一人、二人、三人が通り過ぎていきますが 彼が誰なのか知る様子もありません 妹(姉)も「誰だったかしら《と言って 兄(弟)だとは気付きません だけれどそこへ母さんがやって来て ハンスを見るやいなや叫びます すぐに口に出すことは「ハンス、私の息子や! よく帰ったね、息子や!《
Welch Gesicht |
ガイド
『Hänschen Klein』は、ドイツでよく知られた子供の歌で、 日本で『蝶々』ないし『ちょうちょ』の題で親しまれている歌の原曲です。曲は1807年出版の民謡集『Fahret Hin』に載っていたもので、著作者は上明です。作詞はドイツの教育学者で作家のフランツ・ヴィーデマン(Franz Wiedemann、1821~1882)が、1860年に彼の著作『Samenkörner für Kinderherzen(子供心のための種粒)』の付録として発表したものです。
また、ドイツの児童文学者オットー・フレンメル(Otto Frömmel、1873~1940)が1900年にこの歌に対して異なる詞を施しました。当ページでは下に「バリアント《として挙げてあります。 この『小さなハンス』や『五月はものみなあらたに』の歌詞で、ドイツ語圏では広く歌われている民謡ですが、一説にはスペイン民謡とも言われています(岩波文庫の『日本唱歌集』ほか一部の楽曲集には、「スペイン民謡《と明示してあります)。また、アメリカ合衆国では、『Lightly Row(軽やかに漕げ)』の題で、ボート漕ぎの歌として知られています。 ハンス坊やが何のために旅に出たかは、歌の中では説明されていませんが、七年間という長い年月ですから、ドイツに特徴的な「遍歴の旅《であると考えられます。それにしては、ハンス坊やがいささか幼すぎるような感もありますが。 日本人なら誰でもおなじみの日本語歌詞は、1番が野村秋足(のむら・あきたり、1819~1902)、2番が稲垣千頴(いながき・ちかい、1845 ~1913)によるものです。 蛇足ですが、『蝶々』の日本語歌詞は、もともと4番までありました。上記の岩波文庫『日本唱歌集』には1・2番しか載っていませんが、3番はトンボ、4番はツバメがそれぞれモチーフとなっています。1番がチョウ、2番がスズメというのは、皆さんご存知のとおりです。
ひとりごと |
バリアント
ドイツの児童文学者オットー・フレンメルによって1900年に書かれた歌詞にもとづき、現代歌われている歌詞です。フレンメルによる元の詞とは多少異なったところがあります。
◆原歌詞:1~2番 | ◆和訳と語句 |
1. ヘンスヒェン クラィン ゲーッ アラィン Hänschen klein geht allein イン ディ ヴァィテ ヴェルト ヒンナィン In die weite Welt hinein; シュトク ウン フーッ シュテーッ イーム グーッ Stock und Hut steht im gut, イス ガー ヴォールゲムーッ Ist gar wohlgemut. アーベァ マーマ ヴァイネッ ゼーァ Aber Mama weinet sehr, ハッ ヤー ヌン カィン ヘンスヒェン メーァ! Hat ja nun kein Hänschen mehr! ダ ベズィント ズィヒ ダス キント Da besinnt sich das Kind, ケーァッ ナハ ハォス ゲシュヴィント Kehrt nach Haus geschwind. |
1. 幼いハンス坊やは一人旅に出ました 広い世の中へと 杖と帽子がよく似合っていて たいそうご機嫌です だけれど母さんはひどく泣いています ハンス坊やにもう会えないのではないかと そこで少年はよく考えて さっさと家へ戻ってきます
besinnt【動詞・三人称単数現在形】 |
2. リープ マーマ、イヒ ビン ダー Lieb' Mama, ich bin da, イヒ ダィン ヘンスヒェン ホプサッサ Ich dein Hänschen, hopsasa! グラォベ ミーァ、イヒ ブラィプ ヒーァ Glaube mir, ich bleib hier, ゲー ニヒト フォァト フォン ディア Geh nicht fort von dir! ダ フロィト ズィヒ ディ ムッテァ ゼーァ Da freut sich die Mutter sehr ウン ダス ヘンスヒェン ノホ フィール メーァ Und das Hänschen noch viel mehr! デン エス イスト、ヴィー イーァ ヴィスト Denn es ist, wie ihr wißt, ガーァ ゾー シェーン バィ イーァ Gar so schön bei ihr. |
2. いとしい母さん、ただいま 僕だよ、母さんのハンス坊やだよ、ホイサッサ! 考えてみて、ずっとここにいることにしたんだ 母さんの元からどこにも行かないよ そこで母さんはたいそう喜びます ハンス坊やもそれにも増して喜んでいます なぜって、みなさん知っているでしょう 母さんのそばにいるのがどんなに素晴らしいか |
参考URL http://web.utanet.at/toscherf/Kinder/Haenschen_klein.htm http://www.singenundspielen.de/id275.htm http://ingeb.org/Lieder/Hanschen.html https://de.wikipedia.org/wiki/Hänschen_klein MIDI作成ソフト:てきとーシーケンサ Version2.15 ページ最終変更:2017/12/24 |