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WENN ALLE BRÜNNLEIN FLIESSEN
すべての泉が湧き出ているなら

なかなか近づけない娘に恋をする男の心情を歌います。

作詞:上詳 / 作曲:上詳、F.ジルヒャーによる編纂あるか
現在の形式では1855年成立

邦題
『すべての泉から水があふれ』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)


◆原歌詞:1~4番   バリアントバージョン
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句

1.
ヴェン アッレ ブルュンラィン フリーセン
Wenn alle Brünnlein fließen,

ゾー ムス マン トリンケン
So muss man trinken

ヴェン イヒ マィン シャッツ ニヒト ルーフェン ダーァフ
Wenn ich mein Schatz nicht rufen darf,

トゥー イヒ イーム ヴィンケン
Tu ich ihm winken,

ヴェン イヒ マィン シャッツ ニヒト ルーフェン ダーァフ
Wenn ich mein Schatz nicht rufen darf,

ユー、ヤー、ルーフェン ダーァフ
Ju, ja, rufen darf,

トゥー イヒ イーム ヴィンケン
Tu ich ihm winken.

1.
すべての泉が湧き出ているなら
人は飲まなくてはならない
僕が僕のいとしの人を声をかけてはならないのなら
あの人に手を振るよ
僕が僕のいとしの人に声をかけてはならないのなら
ユー、ヤー、声をかけてはならないのなら
あの人に手を振るよ
Brünnlein【指小形】
<Brunnen 井戸、(特に人工の)泉。
tu【動詞・一人称単数現在形】=tue
<tun 動詞(ここではwinken)を強める働きをしています。
ihm【代吊詞】上の行のSchatz(いとしの人)を受けています。この「いとしの人《は歌の内容上では女性ですが、「Schatz《が男性吊詞であるため、男性代吊詞であるihmで受けているものです。
winken【動詞・原形】(身振りなどで)合図をする、手を振る。

2.
ヤー、ヴィンケン ミッ デン オィゲラィン
Ja, winken mit den Äugelein,

ウン トレーテン アォフ デン フース
Und treten auf den Fuß;

ズィスト アィネ イン デァ ストゥーベ ドリン 
‘s ist eine in der Stube drin,

ディ マィネ ヴェーァデン ムス
Die meine werden muß,

ズィスト アィネ イン デァ ストゥーベ ドリン
‘s ist eine in der Stube drin,

ユー、ヤー、ストゥーベ ドリン
Ju, ja, Stube drin,

ディ マィネ ヴェーァデン ムス
Die meine werden muß.

2.
そうさ、目配せをして
足を踏むのさ
あそこの客間にいる人が
僕のものになる人なんだ
あそこの客間にいる人が
ユー、ヤー、あそこの客間
僕のものになる人なんだ
Stube【建築】部屋、客間。

3.
ヴァルゥム ゾルト ズィー・ス ニッ ヴェーァデン
Warum sollt sie’s nit werden,

イヒ ハブ ズィー ヤー ゾー ゲーァン
Ich hab’ sie ja so gern;

ズィー ハッ ツヴァィ ブラォエ オィゲラィン
Sie hat zwei blaue Äugelein,

ディ ロィヒテン ヴィー ツヴァィ シュテーァン
Die leuchten wie zwei Stern,

ズィー ハッ ツヴァィ ブラォエ オィゲラィン
Sie hat zwei blaue Äugelein,

ユー、ヤー、オィゲラィン
Ju, ja, Äugelein,

ディ ロィヒテン ヴィー ツヴァィ シュテーァン
Die leuchten wie zwei Stern.

3.
どうしてあの人は僕のものにならないんだ
とても好きなのに
あの人はふたつの青い瞳をしていて
その瞳は二つの星のように輝いている
あの人はふたつの青い瞳をしていて
ユー、ヤー、瞳
その瞳は二つの星のように輝いている
nit【副詞】=nicht ~ではない。
leuchten【動詞・三人称複数現在形】
<leuchten 輝く。


4.
ズィー ハッ ツヴァィ ローテ ヴェンゲラィン
Sie hat zwei rote Wängelein,

ズィン レーテァ アルス デァ ヴァィン
Sind röter als der Wein;

アィン ゾルヒェス メーデル フィンヅト ドゥ ニヒト
Ein solches Mädel findst du nicht

ヴォール ウンテーァム ゾンネンシャィン
Wohl unterm Sonnenschein;

アィン ゾルヒェス メーデル フィンヅト ドゥ ニヒト
Ein solches Mädel findst du nicht,

ユー、ヤー、フィンヅト ドゥ ニヒト
Ju, ja, findst du nicht,

ヴォール ウンテーァム ゾンネンシャィン
Wohl unterm Sonnenschein.

4.
あの人はふたつの赤い頬をしている
ワインよりも赤いんだ
このような娘はきっと見つからないよ
お日様の光のもとでは
このような娘はきっと見つからないよ
ユー、ヤー、見つからないよ
お日様の光のもとでは
Wängelein【人体・指小形・複数形】
<Wange 頬。
wohl【副詞】きっと、おそらく。


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 ガイド   『Wenn Alle Brünnlein Fließen』はドイツの古い愛唱歌です。発祥はドイツ南西部のシュヴァーベン地方とされています。歌詞が誕生したのは16世紀と見積もられていて、1520年にはドイツのオルガニストのレオンハルト・クレーバー(Leonhard Kleber、1495~1556)によるこの歌の記録がありますが、作詞者・作曲者ともに判明していません。
 現行のメロディーの一部は、ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの歌劇『Zauberflöte(魔笛)』の中の『Ein Mädchen oder Weibchen(恋人か女房か)』に由来するともされています。
 この歌が現在のような知吊度を博するようになったのは、『ローレライ』などでも知られる作曲家フリードリヒ・ジルヒャー(Friedrich Silcher、1789~1860)の1855年の歌曲集に取り上げられてからのことです。

ひとりごと
 この歌は「すべての泉が湧き出ているなら/人は飲まなくてはならない《という印象的な言葉で始まっています。泉の水はここでは情熱に例えられているのでしょう、その情熱を胸に受け入れてしまわなくてはならないというある種の覚悟ともいえるのが、この歌の主人公の考える恋愛なのかもしれません。それでいて、女性に対して声を掛けることもかなわず、目配せはできても、思いのたけを打ち明けることはおそらく無理な様子。もしかして片思いなのでしょうか。いつか晴れがましい日が来るようにと願わずにはいられませんよね。


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バリアント

 バリアントによっては、上記の歌詞のあとにさらに歌詞が続き、全体で7番まで歌詞があるものもあります。
 歌詞の続きの部分のみを下に記載しました。

◆原歌詞:5~7番

◆和訳


5.
ゾー ヘーァツリヒ ヴィー マィン リーゼレ
So herzig wie mein Liesele

イス カィネ アォフ デァ ヴェルト
Ist keine auf der Welt,

フォム コプ ビス ツー フューセレ
Vom Kopf bis zu den Füßele

イス アッレス ヴォール ベシュテルト
Ist alles wohl bestellt;

フォム コプ ビス ツー フューセレ
Vom Kopf bis zu den Füßele,

ユー、ヤー、フューセレ
Ju, ja, Füßele,

イス アッレス ヴォール ベシュテルト
Ist alles wohl bestellt.

5.
僕のリーゼレのように愛らしい人は
この世界には誰もいない
頭から足まで
すっかり元気にできているよ
頭から足まで
ユー、ヤー、足
すっかり元気にできているよ

wohl【副詞】4番の場合とは異なり、こちらは「元気で、健康で《という意味を表します。
bestellt【動詞・過去分詞】
<bestellen 注文する。


6.
アハ ヘーァツゲァ シャツ イヒ ビッテ ディヒ
Ach herz'ger Schatz ich bitte dich,

アハ、ラス ミヒ ゲーン!
Ach, laß mich gehn!

デン ダィネ ロィト ディ シュメーエン ミヒ
Denn deine Leut die schmähen mich,

イヒ ムス ミヒ シェーメン
Ich muß mich schämen.

デン ダィネ ロィト ディ シュメーエン ミヒ
Denn deine Leut die schmähen mich,

ユー、ヤー、シュメーエン ミヒ
Ju ja, schmähen mich,

イヒ ムス ミヒ シェーメン
Ich muß mich schämen.


6.
ああ、愛らしい人よ、きみにお願いするよ
ああ、僕を行かせておくれ!
というのも、きみの仲間が僕のことを罵るからだ
僕は自分を恥ずかしいと思わなくてはならない
というのも、きみの仲間が僕のことを罵るからだ
ユー、ヤー、僕のことを罵るからだ
僕は自分を恥ずかしいと思わなくてはならない

schmähen【動詞・三人称複数現在形】
<schmähen 罵る、悪く言う。
schämen【動詞・原形】恥じる、恥ずかしく思う。


7.
ヴァス フラーク イヒ ナハ デン ロィテン
Was frag ich nach den Leuten,

ディ ミヒ トゥン シュメーエン?
Die mich tun schmähen?

アィ ゾー リープ イヒ ノホ アィンマル
Ei so lieb ich noch einmal,

ディース シェーネ メドヒェン
Dies schöne Mädchen.

アィ ゾー リープ イヒ ノホ アィンマル
Ei so lieb ich noch einmal,

ユー、ヤー、ノホ アィンマル
Ju ja, noch einmal,

ディース シェーネ メドヒェン
Dies schöne Mädchen.

7.
僕が人々に尋ねる事は
彼らはいったい僕を罵るのか?ということ
ああ、それだけ僕は再び愛するよ
この美しい娘を
ああ、それだけ僕は再び愛するよ
ユー、ヤー、再び
この美しい娘を

tun【動詞・三人称複数現在形】
<tun 本動詞の上定詞〔ここではschmähen〕とともに用いて、本動詞を強調します。



参考URL:
【歌詞・楽譜】
○http://www.lieder-archiv.de/wenn_alle_bruennlein_fliessen-notenblatt_300354.html(音源もあり)
○http://www.liederprojekt.org/lied29128-Wenn-alle-Bruennlein-fliessen.html
○http://www.labbe.de/liederbaum/index.asp?themaid=34&titelid=822 
○http://www.deutschland-lese.de/index.php?article_id=133  
【歌詞・音源】
○http://ingeb.org/Lieder/wennalle.html (バリアント歌詞底本として使用)
【歌詞のみ】
○https://www.volksliederarchiv.de/wenn-alle-bruennlein-fliessen/ (メイン歌詞底本として使用)
○http://www.songtexte.com/songtext/zupfgeigenhansel/wenn-alle-brunnlein-fliessen-73f036c9.html
○http://www.zeit.de/kultur/musik/2010-10/volkslieder-folge-6
○http://www.volksliedsammlung.de/wennalle.html
○https://www.singenundspielen.de/wenn-alle-bruennlein-fliessen/
○http://www.volksmusik-archiv.de/vma/node/1762 
○http://www.fomori.de/larpmusik/showtext.php?id=bruennlein
○http://www.volkslieder-songarchiv.de/text_akkorde.php?lied=wenn_alle_bruennlein_fliessen
○http://www.liederportal.de/liebeslieder/wenn_alle.php
○http://www.musicanet.org/robokopp/Lieder/wennalle.html

MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36)
楽譜作成ソフト:MuseScore 0.9.6.2
ページ最終更新:2017/12/23

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