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雑記05

  MIDIまで自作する、そのちゃんとした(?)理由

 当サイトでは、管理人C.P.の自作によるMIDI音源を提供しております。
 (制作に使用しているソフトウェアは、「てきとーシーケンサ Version 2.15」「サクラ 第二版 ver.2.36」のふたつです。)
 管理人は、決してMIDI職人というほどの腕前ではありません。むしろまだまだ素人のレベルです。それなのに、このサイトでは、すべての曲について、管理人がわざわざMIDIを作成して置いているのです。
 そもそも、当サイトの中心観念は「非日本語の民謡・愛唱歌の原語の歌詞を紹介すること」であり、決して「MIDIを頒布すること」ではないので、あくまでMIDIはオマケの要素にしか過ぎないのです。また、世の中には魅力的なMIDIを配布しているサイトさんもたくさんありますから、MIDIを利用したければ、そのような所から借り受けてこればよいはずなのです。
 いったい、素人の私が自前でMIDI音源を作成するという面倒を冒している意味って、何かあるのでしょうか。
 それが、あるんです。



(1)MIDIサイトさんの提供している音源では、曲の長さが歌詞の長さと合わないためです。

 当サイトでは、それぞれの歌の「完全カラオケ化」を目指してMIDIを提供しています。つまり、MIDIを提供するなら、サイトにメインの歌詞として載せている歌詞の最初から最後までを曲に乗せて歌えるようなものを提供することをモットーとしているわけです。ですが、ネット上で出回っているたいていのMIDIは、かなり縮められていて、歌詞が余ってしまうものが少なくありません。
 たとえば、日本では阪田寛夫さんの歌詞で知られる『ペーターの泉に行って(一般邦題:山のごちそう)』は、原曲では少なくとも7番までの歌詞があります。しかし、阪田さんの歌詞では4番までしか作られていません。
 すなわち、日本人が作ったMIDIですと、1〜4番までのメロディーしかないわけです。当サイト本文で取り上げているような1〜9番まである歌詞に対して、そのようなMIDIを提供することは、5番以降の歌詞に合わせるメロディーがない、尻切れとんぼ状態のMIDIを提供することになるのです。
 海外サイトでも、『小さなお船があったとさ』のような長いMIDIを最初から最後まで作成して置いています、などというサイトさんは、地元のフランスでも見当たりません。あるのは、だいぶ端折られたMIDIだけです。
 このように、当方が要求するMIDIの長さに対し、一般のMIDI頒布サイトさんの提供する音源は、短すぎるものが少なくないのです。

 曲の長さと歌詞の長さとが齟齬を来しているものとして、もっと甚だしい例に『赤いサラファン』があります。日本で知られているメロディーでは、ヴァルラーモフの原詩がろくに歌えないのです。
 日本で知られるメロディーで歌えるのは、5.5節ぶんだけ。だいぶん短いのもなんですが、それよりも小数が出てくることのほうに戸惑わざるを得ません。



(2)頒布されているMIDIでは、旋律の一部が当サイトで扱っている歌詞に合わせて歌うのに不向きなものになっていることがあるからです。

 このサイトで取り扱っている曲はすべて日本のものではないため、海外から入ってきたときに、日本語の歌詞に合わせるために旋律が一部変更されているものもあります。
 例として、『ライ麦畑を通って(一般邦題:故郷の空)』を挙げてみましょう。この曲は、日本語の歌詞が施されるときに、曲の一部の拍子が変えられています。
 日本語では、
   「ゆーうぞーら はーれてー、あきーかぜー ふきーーーー」
と充てられているところが、もとは、(カタカナで強引に表すと)
   「ヂン・ナ バディー ミー・タ バディー カミン スルー ヅァ ラーーーーィ」
となっています。
 これでは旋律のどこが異なっているのか分かりにくいので、五線譜で表しましょう。

 上が『Comin' thro' the Rye』、下が『故郷の空』です。音符の色を違えている箇所が、旋律の異なる場所です。
 リズムが日英で異なっていることが見て取れると思います。
 フランス愛唱歌の『クラリネットをこわしちゃった』では、日本ではほとんど知られていないフレーズが含まれているバージョンを採用したため、日本で一般に知られている旋律ではメロディーが足らずに歌いきれない歌詞になっています。
 このほか、『一週間』は、当サイトでは、第5番を除く各番の最終部分が下がるメロディーラインを取り上げています。日本では、最終部分が上がるメロディーラインの方がよく知られていますが、ロシア本国では当サイトで挙げた形式のメロディーの方が馴染みがあるようです。

 では海外のMIDIサイトから適切な音源をダウンロードすればよいのかというと、これがそう簡単には行かないんです。理由は単純で、「MIDIを提供するサイトさんが少ない」からです。これは国によってまちまちで、ドイツは比較的多かったりもしますが、全体に乏しいことには変わりありません。それに著作権などの問題もありますし、安易に海外のMIDIを採ってきて自サイトで流すのは憚られるところです。
 そのくらいなら、素敵なMIDIのあるページのURLを紹介しておいて、行きたい人はどうぞアドレス欄にコピー&ペーストして飛んでいってください、としたほうが、なんぼかましです。どうせアドレスを紹介する必要のあるページなど一握りしかないのですから、手間も掛かりませんし。  



(3)そもそもMIDI自体が存在していないから、自分で作るしかないんです。

 「まさか、MIDIが存在していないなんてことは無いだろう!」とお思いですか?いえいえ、確かに数は少ないのですが、こういう事例もあるんです。
 当方でMIDIを探し出せなかった例として、『ウォルツィング・マチルダ(クイーンズランド版)』があります。演奏や歌唱を録音したmp3ファイルは見つかったので、そこから旋律を聞き取ってMIDIを作成しました。
 無いものは仕方がありませんよね。まず見つかりっこないものを求めて探し回るよりも、自分で拵えるのがずっと手っ取り早いわけです。
 また、皆さんはやや意外に思われるでしょうが、『蛍の光』も、MIDIの見つからない曲のひとつです。
 たしかに、『蛍の光』のMIDIは、ちょっとネット検索してやるだけでもたくさん見つかります。しかし、いずれのMIDIも、日本語の歌詞に合わせて手直しされた旋律にのって作られたものであり、当サイトで欲しいスコットランドの原曲に近いものは見当たりません。ちなみに当サイトに掲載している『蛍の光』のMIDIは、原曲に近い旋律の楽譜を見て写したものです。注意深く聴けば、日本で親しまれている旋律とあちこち異なっている点があることが分かると思います。



(4)メールで連絡するのが面倒くさいというのも理由です…ナサケナ。

 MIDIサイトさんの中には、日本、海外を問わず、「MIDIをウェブサイト上で使用する方は、当方にメールでお知らせください」と述べているところがあります。商用での利用だけでなく、個人の趣味サイトであっても「連絡してほしい」と書いてあるところもあります。
 でも、メールで連絡をするというのは、なかなか面倒くさく感じるものなんですよね。日本語サイトならまだしも、海外のサイト、とりわけ書きなれていない言語のサイト(当方の場合ならオランダ語やチェコ語など)にメールを送るのは、それだけで疲れてしまいます。
 いっそすべて英語で書いて送れば、煩わしさも多少は軽減されるのでしょうが、英語圏以外の人に英語でメールを送るのも失礼ですよね。  



(5)MIDIを自作するのってけっこう楽しいんですよね。

 当サイトでは、『ハエさん、シッ!』『こぎつね』『私の服はみんな緑』のように、当方が求めているのと同じ旋律のMIDIがインターネット上で豊富に見つかる曲であっても、MIDIを作成しています。
 まあ、けっきょく「音源作りは楽しい」というのが、正直な心根です。MIDI職人とまでは言わずとも、いろいろメロディーやハーモニーをこしらえていくのは楽しいですから。
 それに、このサイトのテーマとしている民謡・愛唱歌ですと、著作権に抵触する恐れもありませんし、短いものが多いのでてきぱきと制作することができます。
 



(記:2007/03/09)

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