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雑記02

  このサイトの色使いについての投げやりな言いわけ

 このサイトでは、各言語ごとに、下のようなテーマカラーを決めています。
  ○ロシア語…山吹色 
  ○ドイツ語…群青色 
  ○フランス語…エメラルド色 
  ○英語…橙色 
  ○イタリア語…ワインレッド 
  ○スペイン語…緑色 
  ○ポルトガル語…ターコイズブルー〜浅葱色 
 もちろんWebセーフカラーくらいは存じていますが、なにぶんそういう決まりに自分をはめ込むのが鬱陶しいもので、自分のブラウザで綺麗に見えればそれで良し、というおざなりなカラーコード値ばかり使っています。皆様のブラウザでは妙ちきりんな色に見えているかもしれません。(当方のブラウザはIE11です。)

 このサイトでは、日本における社会通念からなるべく外れるような色合いを選んでデザインをしているつもりです。
 「なんでそんな事するの?」というご質問の答えは後に置いといて、まず、どんな色が「社会通念化している色」といえるか、私の考えを書きますと、
  ◎国旗に使われている色
  ◎NHKテレビ・ラジオ語学講座のテキストのデザインカラー
  ◎その他、各国の風土や代表的な文化にまつわる色
の3つが、日本では、それぞれの国や原語のイメージを決めているとみなせるものだと思っています。
 実際に挙げると、下の表のとおり。NHKは近年10年分くらいを対象にしてみました。なお、NHK語学講座のテキストの色は、2007年度以降は短期集中講座や「アジア語楽紀行」を除くすべての講座で同一の色を使用し、月ごとに異なる色に変えています。しかし昔のテキストの色がイメージとして残っている人もいるだろうと思い、ここに挙げてあります。



国名
(各言語を使う代表的な国だけを挙げました。)
国旗のデザイン NHK語学テキストの
デザインテーマ色
(2006年度に準拠)
各国の文化とそれにまつわる色
(筆者の主観がかなり入っています)



ロシア 上から白、群青、赤の横縞 ワインレッド 
(2002年度まではモスグリーン、2003〜2005年度は桃色)
・ロシア人の好む紅茶やジャムの赤
・雪氷や土壌から、青やモノクロの世界
ウクライナ 上が水色、下が黄 ・ヒマワリ畑や小麦畑のイメージから黄色
・卓越するチェルノーゼムの色から黒
カザフスタン 水色の地に黄色の文様、太陽、ワシ ・卓越するステップから褐緑色のイメージ
・カスピ海、アラル海、バルハシ湖から水色のイメージ



ドイツ 上から黒、赤、黄の横縞 緑色 
(1998〜2002年度はワインレッド)
・ソーセージやスタウトビールの色から赤茶色
・環境保護先進国ということで緑
・シュヴァルツヴァルトなどの樹林から濃褐〜濃緑
オーストリア 上から赤、白、赤の横縞 ・チロルの民族衣装から、白・黒・濃緑
スイス 赤地に白十字 ・アルプスの雪と草原から白と緑 ・民族衣装から赤




フランス 左から青、白、赤の縦縞 青色 
・地中海や、著名な建築物の背景になる空の色から、青系統
・古跡などから、明灰色と緑の調和
・ブドウや小麦などの緑
ベルギー 左から黒、黄、赤 ・ビールやワッフル由来の狐色
アルジェリア 左が緑、右が白、中央に赤い月と星 ・砂漠のイメージで黄土色または金色
・民族衣装より赤

連合王国(イギリス) 紺地に白と赤の十字・斜め十字 NHKの放送講座の数が多いので、これと定まった色がありません。
(ラジオ第2で8講座、教育テレビで5講座)
・歴史建築物の色から灰色
・放牧場から緑のイメージ
・タータンチェックから緑と赤
アイルランド 左から緑、白、橙の縦縞 ・国花のシロツメクサから緑と白
・泥炭土から濃褐色
アメリカ合衆国 白地に赤の横縞、左上は紺地に50個の白い星 ・ホワイトハウスや自由の女神像などから、白や淡い灰色のイメージ
・中西部の山肌の色から赤褐色
カナダ 左から赤、白、赤の縦縞、白の部分に赤いカエデの葉 ・万年雪や氷河から、白のイメージ
・たくさんの湖沼から水色
・卓越する草原や丘から、緑のイメージ
オーストラリア 紺地に白で南十字星と七稜星、左上に英国の国旗 砂漠やウルル(エアーズロック)の色から、黄土色や朱色のイメージ
ニュージーランド 紺地に白と赤で南十字星、左上に英国の国旗 牧草地が広がっているので、緑のイメージ




イタリア 左から緑、白、赤の縦縞 朱色  ・青々とした海のコバルトブルー
・料理でよく使うトマトやオリーブの赤や緑
・石造りの古跡から、灰色のイメージ




スペイン 上から赤、黄、赤の横縞、公用旗には赤と白を基調とした紋章 橙色  ・闘牛から赤のイメージ
・豊かに茂る植物の緑
・名物料理パエージャの黄色
メキシコ 左から緑、白、赤の縦縞、中央に茶と緑を基調とするワシと植物の紋章 ・ラスタカラーの赤、黄、緑の組み合わせ
・砂漠のサボテンのイメージで黄と緑
・民族衣装で赤や黄色
キューバ 上から青、白、青、白、青の横縞、左に赤い三角、その中に白い星 ・カストロ議長の緑の軍服姿
・ラスタカラーの赤、黄、緑
コスタリカ 上から青、白、赤、白、青の横縞 熱帯雨林の緑
コロンビア 上から黄、青、赤の横縞 ・熱帯雨林の緑
・コーヒーの褐色
ベネスエーラ 上から黄、青、赤の横縞、青の部分に半円状に8個の白い星 …なんかあるかなあ…。
ペルー 左から赤、白、赤の縦縞、白の部分に赤と緑が目立つ紋章 民族衣装や人の髪の色から原色と黒のイメージ
ボリビア 上から赤、黄、緑の横縞、中央に緑、青、赤が目立つ紋章 ・チチカカ湖の葦舟から黄色
・民族衣装や人の髪の色から原色と黒のイメージ
アルゼンチン 上から水色、白、水色の横縞、中央に黄の太陽 パンパの草の色から緑のイメージ
チリ 下は赤、上は左が紺、右が白、紺には白い星 スペイン的白亜と橙色の屋根


中華人民共和国 赤地の左上に5個の黄の星 すみれ色  春節の爆竹や、中華料理店の柱や壁などの色から、赤や朱色のイメージ


韓国 白地に赤・青の円、周囲に黒で4個の卦の文様 黄緑色  キムチや李氏朝鮮の高官の服の色などから、赤・白・緑・黒のバランスが取れたイメージ
北朝鮮 上から青・白・赤・白・青の横縞、左には白円、その中に赤星 伝統的な朝鮮の農村カラーの緑と茶色




エジプト 上から赤・白・黒の横縞、中央に橙のタカ 黄色  ナイル川と砂漠、ピラミッドなどから、青と黄色のイメージ
リビア 緑地一色 地中海と砂漠から、青と黄色のイメージ
モロッコ 赤地、中央に緑の星形 民族衣装から赤
サウジアラビア 緑地に白でアラビア文字と剣 砂漠と民族衣装から、黄色と白のイメージ
シリア 上から赤・白・黒の横縞、白には緑の星2個 イメージが浮かびにくい…。
ヨルダン 上から黒・白・緑の横縞、左に赤い三角、その中に七稜星 死海の色から、白と紺碧のイメージ
レバノン 上から赤・白・赤の横縞、中央に緑でスギの木 地中海とレバノン杉から、群青と濃緑のイメージ
アラブ連邦 左端は縦に赤、残りは上から緑・白・黒の横縞 色と言うより、ビル街のイメージで、きらきらと輝いています
イラク 上から赤・白・黒の横縞、白には緑の星3個 ・「肥沃な三日月地帯」の緑
・砂漠の土壌の暗褐色

※ここで挙げていないが、ラジオNHK第2放送・NHK教育テレビで語学講座放送が組まれたことのある言語には、ポルトガル語、インドネシア語、タイ語、ベトナム語、広東語、トルコ語、ネパール語があります。(2007年8月現在)

 どうでしょうか。皆さんの脳裏に、「ロシアっぽい色」「ドイツっぽい色」「フランスっぽい色」「イギリスっぽい色」などが浮かんできたでしょうか。
 浮かんできたのであれば、筆者の思うところです。なぜって、皆さんのイメージを覆せる可能性が高まったということになりますから!

 そもそも、私が皆さんにしていただきたいのは、「サイトの内容を見たり利用したりすること」であって、「社会通念と私の感覚が一致しているのを確認すること」ではないのです。皆さんだって、このサイトに何か目的を持って来たのなら、それは「サイト内の情報、すなわち歌詞や解説などを見たり利用したりするため」であって、「皆様ご自身が世界の国々に対して抱いているイメージの裏付けをとるため」ではないでしょう。
 「ロシアは、国旗の色からして、冷たくて寒々としたイメージ」だとか、「スペインは太陽と情熱の国だから、明るいオレンジ色こそイメージにふさわしい」だとか、社会が勝手に提供しているイメージで外国を眺めて、なにが面白いと言うんでしょうか。そして、何を得ることがあると言うんでしょうか。
 更に、フランスに至っては、日本人のみならず世界中の人がこぞって「赤・白・青」のトリコロールのイメージで見つめているんです。これじゃフランスの皆さんがかわいそう。まるで、「フランスに行くと、あらゆるものが赤・白・青の三色で塗り分けられている」かのような威圧感を作ってしまっているではありませんか。
 だいたい、世界の国のことを知るのに、なにかイメージや先入観や、さらに変な言い方をすれば偏見(現実よりも良く見てしまうものも偏見に含みます)というものが、絶対に必要なのでしょうか。
 そりゃ、ある事実から論理的、演繹的に導き出せる事柄があって、それをイメージとして利用しているのならば、それはべつだん問題はありません(たとえば、「リヒテンシュタインは、面積の小さい国だから、人口も少ないだろう」とか、「モーリタニアは大半が砂漠の国だから降雨量が少なく、従って植物もあまり多くないだろう」とか)。
 でも、イメージというものは、受け取った情報の内容をしょっちゅう狂わせるものです。たとえば、「ノルウェーは最南部でも北緯58度だから、冬場は恐ろしく冷え込むに違いない」だの、「中国は世界最多の人口を抱える国だから、どこへ行っても人だらけに違いない」だの。実際には、北緯68度のナルヴィクでは、暖流のおかげで真冬でも平気で雨が降りますし、中国でもチベットや内モンゴルの人口密度はほとんどすかすかです。
 この手のネタにはもっと酷いものもあります。(いちいち書かんでいいとは思うが書いてしまう)

 そういえば、「パリ症候群」なんて言葉もありますよね。あれも、自分が抱え込んでいる先入観から脱却できないでいるために起こるものなのでしょう。

 ある国の新たな魅力を発掘するためには、まず、その国に対して自分が抱いているイメージや、社会に蔓延していて自分にも押しつけられているイメージを、拭えるだけ拭い落とすこと!
 こんな小さなサイトでは、閲覧する皆さんの抱えている先入観を剥ぎ落とすなんて役割はろくろく果たせそうにもないでしょうが、「自分のもっている先入観やイメージをほうり出して、よその国を眺めてみるべし」というメッセージだけは、ここにちゃんと書き付けました。

 さて、なぜ「社会通念からなるべく外れるような色合い」をわざわざ選んでサイトをデザインしたか、ですね。「そんな色合いをわざわざ考えるくらいなら、ページを全部モノクロにするとか、色を全部一緒にするとかしちゃえばいいのに」と考える向きもあるかもしれませんし。
 その理由は、「社会通念的なイメージに、逆バイアスを掛けるため」です。あと、「いろんな色があるほうが、製作者が楽しいし、分類の一助にもなるから」という理由もあります。
 だって、たんに白紙にするよりも、心理的な逆バイアスの色を掛けたほうが、先入観や偏見が崩しやすいでしょう?



(↑ラストが投げやりですか?ですが、この項の表題は「このサイトの色使いについての投げやりな言いわけ」ですので。)


−−この項終わり−− (記:2007/03/01、最終加筆:2007/08/01)

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