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作詞:K.T.ヒンクソン | |
邦題 『ロンドンデリー・エア』 『ダニー・ボーイ』など |
◆原歌詞:1〜2番 フリガナはイギリス英語の発音に基づいています。 歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。 |
◆和訳と語句 |
1. ウッ ゴド アィ ウヮー ヅァ テンダー アプォ ブロッサム Would God I were the tender apple blossom ヅァッ フロゥツ アン フォールス フロ・モフ ヅァ トゥィステッ バゥ That floats and falls from off the twisted bough トゥ ラィ アン フェィンッ ウィヅィン ユァ スィルクン ブザム To lie and faint within your silken bosom ウィヅィン ユァ スィルクン ブザム アズ ヅァッ ダス ナゥ Within your silken bosom as that does now. オ ウッ・ダィ ウヮー ア リトォ ブァーニシュト アプォ Or would I were a little burnish'd apple フォ ユゥ トゥ プラク ミ グラィディン゜ バィ ソゥ コゥォド For you to pluck me, gliding by so cold ワィォ サン アン シェィド ユァ ロゥブ オヴ ローン ウィォ ダプォ While sun and shade your robe of lawn will dapple ユァ ロゥブ オヴ ローン、アン ユァ ヘアズ スパン ゴゥォド Your robe of lawn, and your hair's spun gold. |
1. もし私が愛らしいリンゴの花なら ねじれ曲がった枝から漂い落ちて そなたの絹のような胸の中に、 横たわり気を失っただろうに そなたの絹のような胸の中に、 リンゴの花が今そうしているように! あるいは私が、小さくつやつやしたリンゴで 冷ややかに通り過ぎるそなたに 摘み取られればよいのに 太陽と陰が、そなたのローンの着物を まだらに染めているときに そなたのローンの着物――そして髪が 紡がれて金色になっているときに
would God I were 〜【熟語】
もし私が〜であったならよかったものを。 bosom 胸。 burnish'd【形容詞】=burnished (磨いて)つやの出た。 lawn ローン地。 薄手の綿または麻の織物。 dapple【動詞】〜をまだらにする。 |
2. イェ、ウッ トゥ ゴッ アィ ウヮー アマン゜ ヅァ ロゥズィズ Yea, would to God I were among the roses ヅァッ リーン トゥ キス ユ アズ ユ フロゥッ ビトゥイーン That lean to kiss you as you float between ワィォ オン ヅァ ロゥエス ブランチ ア バド アンクロゥズィズ While on the lowest branch a bud uncloses ア バド アンクロゥズィズ、トゥ タッチ ユ クゥイーン A bud uncloses, to touch you, queen. ネィ、スィンス ユ ウィォ ノッ ラブ、ウッ アィ ウヮー グロゥイン゜ Nay, since you will not love, would I were growing ア ハピ デイズィ、イン ヅァ ガードン パス A happy daisy, in the garden path ヅァッ ソゥ ユァ スィルヴァ フッ マィッ プレス ミ ゴゥイン゜ That so your silver foot might press me going マィッ プレス ミ ゴゥイン゜ イーヴン アントゥ デス Might press me going even unto death. |
2. ああ、もし私がバラの花々の中にいて その間をそぞろ行くそなたに接吻しようと 身を傾けられたらよいものを 最も低い枝につぼみが開き つぼみが開いて、女王よ、 そなたに触れようとするときに! いや、そなたは愛しなどしないだろうから、 私が庭の小道の幸せなヒナギクとなって 咲いていればよいものを それならば、そなたの銀の足が私を踏みつけ 私を踏みつけて 死なせさえするかもしれないから
uncloses【動詞・三人称単数現在】〜を開く。
nay【副詞】=no いいや、否。 |
ガイド
英国北アイルランドのロンドンデリー州が発祥とされる民謡です。作曲者が誰かは不明とされていますが、アイルランドのハーピストであったローリー・ドール・オケイアン(Rory Dall O'Cahan、「オカハン」とも。生没年未詳)が、17世紀初めごろ、基本となる旋律を作曲したという説があります。 世に知られるようになったのは、ロンドンデリー州に住んでいたジェイン・ロス(Jane Ross、1810〜1879)という人物がこの曲を採取し、1855年に出版された『アイルランドの古曲(The Ancient Music of Ireland)』に載ったのが、最初の記録とされています。ただし、この曲は、ロスが民謡の旋律に手を加えたものではないかという説もあるようです。 歌われ始めたころには、『デヴォージラの告白(The Confession of Devorgilla)』〔※1〕という詩の旋律として歌われていました。また、『若者の夢(Aislean an Oigfear)』〔※2〕や『エメルの別れ(Emer's Farewell)』といった題で、それぞれ固有の歌詞でも歌われていたようです。 現在の歌詞を施したのは、アイルランドの詩人・小説家であったキャサリン・タイナン・ヒンクソン(Katherine Tynan Hinkson、1861〜1931)です。 このメロディーを使った曲で知られる『ダニー・ボーイ(Danny Boy)』は、英国の法律家で作家でもあったフレデリック・エドワード・ウェザリー(Frederick Edward Weatherly、1848〜1929)が1910年に歌詞を書いて、1913年に出版したものです。 〔※1〕『おお、懺悔させてください、神父様(Oh! Shrive Me, Father)』という題でも知られています。
〔※2〕原題はゲール語です。 ひとりごと 美しくて、少し物悲しい、魅力的なメロディーです。昔のアイルランドの人たちも、ここに惚れ込んで、いろんな歌詞を施したのでしょうか。でも、曲が生まれてから今まで300年間のうちにさまざまな歌詞が作られたはずであろうのに、現代まで歌詞の内容の伝わっているものが、たいてい恋愛がらみの内容になっているというのは、「いつの時代でも、人間の感性って似たようなものなんだなあ…」という、妙にくすぐったい感覚を引き起こしてくれます。 |
参考URL: http://www.contemplator.com/tunebook/ireland/derryair.htm http://en.wikipedia.org/wiki/Londonderry_Air http://pages.britishlibrary.net/londonderryair/ http://www.bbc.co.uk/dna/h2g2/A3826136 MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36) |