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THE LAST ROSE OF SUMMER
夏の最後のバラ

咲き残ったバラの花をわが身に引き換えていとおしむ歌。

作詞:T.ムア
作曲:不詳、但しT.ムアにより補作
1830〜40年代成立

邦題
『庭の千草』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)



◆原歌詞:1〜3番
フリガナはイギリス英語の発音に基づいています。
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句

1.
ティス ヅァ ラスト ロゥズ オヴ サマ
'Tis the last rose of summer

レフト ブルーミン゜ アロゥン
Left blooming alone;

オーォ ヘァ ラヴリ コンパニョンス
All her lovely companions

アー フェィデッ アン ゴーン
Are faded and gone;

ノゥ フラゥワ オヴ ヘァ キンドレッ
No flower of her kindred,

ノゥ ロゥズバッ イズ ナィ
No rosebud is nigh,

トゥ リフレクト バク ヘァ ブラシィズ
To reflect back her blushes,

トゥ ギヴ サィ フォ サィ
To give sigh for sigh.

1.
夏の最後のバラが
一輪咲き残っている
彼女のかわいらしい仲間たちはみな
色あせて消えてしまった
彼女の赤らみを映し返したり
ため息にため息を返したりするような
彼女の身寄りの花はひとつもおらぬ
バラのつぼみは周りにはないのだ
'tis =it is。
faded【動詞・過去分詞】<fade 色あせる。
kindred 親族、血縁。
nigh 【形容詞】近い。nearの古形です。
blushes【複数形】顔を赤らめること。

2.
アィオ ナッ リーヴ ヅィー、ヅァゥ ロゥン ワン
I'll not leave thee, thou lone one!

トゥ パィン オン ヅァ ステム
To pine on the stem;

スィンス ヅァ ラヴリ アー スリーピン゜
Since the lovely are sleeping,

ゴゥ、スリープ ヅァゥ ウィヅ ヅェム
Go, sleep thou with them.

ヅァス カインッリ アィ スケァタ
Thus kindly I scatter

ヅァィ リーヴズ オゥァ ヅァ ベッ
Thy leaves o'er the bed,

ウェァ ヅァィ メィツ オヴ ヅァ ガードン
Where thy mates of the garden

ラィ センッレス アン デッ
Lie scentless and dead.

2.
ひとり寂しい者よ、そなたを
茎の上でやつれるままにはしておくまい!
美しき者たちは眠っているのだから、
そなたも行ってともに眠るのだ
かくして私は優しく
そなたの葉を地面に散らす
そなたの庭の友が
香りを失い死んで横たわっている所へと
pine【動詞】やつれる、恋焦がれる。
scatter【動詞】〜をまき散らす。

3.
ソゥ スーン メィ アィ ファロゥ
So soon may I follow,

ウェン フレンッシプス ディケィ
When friendships decay,

アン フロム ラヴズ シャィニン゜ セーァクォ
And from Love's shining circle

ヅァ ヂェムズ ドロプ アウェィ
The gems drop away.

ウェン トルー ハーツ ラィ ウィヅァド
When true hearts lie withered

アン フォンッ ワンズ アー フロゥン
And fond ones are flown,

オゥ! フゥ ゥウッ インヘァビッ
Oh! who would inhabit

ヅィス ブリーク ウェァォッ アロゥン?
This bleak world alone?

3.
間もなく私も後を追うだろう、
友のよしみが朽ちるときに、
そして愛の輝ける輪から
宝石が落ち去るときに
まことの心が衰えて
好きな者たちが飛び去ってしまったら
ああ!誰がこの寒々とした世界に
ひとり住もうとするだろう?
decay【動詞】衰える、崩れる。
withered【動詞・過去分詞】
<wither しおれる、衰える。
bleak【形容詞】荒涼とした、わびしい。

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 ガイド   アイルランドの著名な詩人トマス・ムア(Thomas Moore、1779〜1852)が、自作の詩に、エドワード・バンティング(Edward Bunting、1773〜1843)のアイルランド民謡集に収められていた『The Groves of Blarney(ブラーニーの木立)』をもとにして大きく書き換えた旋律を付けたものです。なお、『ブラーニーの木立』の旋律は、リチャード・アルフレッド・ミリキン(Richard Alfred Milliken/Millikin、1767〜1815)が、『Castle Hyde(ハイド城)』というアイルランドの古い民謡を書き直したものです。
 ムアは、大学生の時に、バンティングが著書に収載した曲に詞をつけようと思い立って、バンティングに申し出たものの、拒絶され、10年近くたってからようやく詞を提供する機会に恵まれたようです。
 1847年初演の、ドイツのフリードリヒ・フォン・フロトー(フォン・フロトフとも、Friedrich von Flotow、1812〜1883)のオペラ『Martha(マルタ)』では、村娘マーサ(マルタ)に変装した主人公のハリエット令嬢がこの歌を歌うシーンがあります。ドイツ人が書いたオペラなので、この歌もドイツ語の歌詞をつけて歌われています。

ひとりごと
 里見義(さとみ・ただし、1824〜1886)が日本語詞を施した『庭の千草』としても日本では知られていますが、こちらはバラを白いキクの花に置き換えています。詞に現れた日本的な美しさは、息を呑むばかりです。すっかり日本の歌になりきっているのがすごいところです。


参考URL:
http://www.bartleby.com/41/487.html(底本として利用)
http://www.lyricsdepot.com/charlotte-church/the-last-rose-of-summer.html
http://www.underthesun.cc/Classics/Moore/PoemsOfThomasMoore/PoemsOfThomasMoore4.html
http://www.ierlandweb.nl/Song-lastrose.htm
http://www.harpa.com/harpahom000z3l5h4x9r7/024-21.7.04/sheehan_print_e.htm

MIDI作成ソフト:てきとーシーケンサ Version2.15

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