WENN ALLE BRÜNNLEIN FLIESSEN | |
作詞:不詳 / 作曲:不詳、F.ジルヒャーによる編纂あるか | |
邦題 『すべての泉から水があふれ』など |
◆原歌詞:1~4番 バリアントバージョン
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。 |
◆和訳と語句 |
1. ヴェン アッレ ブルュンラィン フリーセン Wenn alle Brünnlein fließen, ゾー ムス マン トリンケン So muss man trinken ヴェン イヒ マィン シャッツ ニヒト ルーフェン ダーァフ Wenn ich mein Schatz nicht rufen darf, トゥー イヒ イーム ヴィンケン Tu ich ihm winken, ヴェン イヒ マィン シャッツ ニヒト ルーフェン ダーァフ Wenn ich mein Schatz nicht rufen darf, ユー、ヤー、ルーフェン ダーァフ Ju, ja, rufen darf, トゥー イヒ イーム ヴィンケン Tu ich ihm winken. |
1.
すべての泉が湧き出ているなら 人は飲まなくてはならない 僕が僕のいとしの人を声をかけてはならないのなら あの人に手を振るよ 僕が僕のいとしの人に声をかけてはならないのなら ユー、ヤー、声をかけてはならないのなら あの人に手を振るよ
Brünnlein【指小形】
<Brunnen 井戸、(特に人工の)泉。 tu【動詞・一人称単数現在形】=tue <tun 動詞(ここではwinken)を強める働きをしています。 ihm【代名詞】上の行のSchatz(いとしの人)を受けています。この「いとしの人」は歌の内容上では女性ですが、「Schatz」が男性名詞であるため、男性代名詞であるihmで受けているものです。 winken【動詞・原形】(身振りなどで)合図をする、手を振る。 |
2. ヤー、ヴィンケン ミッ デン オィゲラィン Ja, winken mit den Äugelein, ウン トレーテン アォフ デン フース Und treten auf den Fuß; ズィスト アィネ イン デァ シュトゥーベ ドリン ‘s ist eine in der Stube drin, ディ マィネ ヴェーァデン ムス Die meine werden muß, ズィスト アィネ イン デァ シュトゥーベ ドリン ‘s ist eine in der Stube drin, ユー、ヤー、シュトゥーベ ドリン Ju, ja, Stube drin, ディ マィネ ヴェーァデン ムス Die meine werden muß. |
2.
そうさ、目配せをして 足を踏むのさ あそこの客間にいる人が 僕のものになる人なんだ あそこの客間にいる人が ユー、ヤー、あそこの客間 僕のものになる人なんだ
Stube【建築】部屋、客間。
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3. ヴァルゥム ゾルト ズィー・ス ニッ ヴェーァデン Warum sollt sie’s nit werden, イヒ ハブ ズィー ヤー ゾー ゲーァン Ich hab’ sie ja so gern; ズィー ハッ ツヴァィ ブラォエ オィゲラィン Sie hat zwei blaue Äugelein, ディ ロィヒテン ヴィー ツヴァィ シュテーァン Die leuchten wie zwei Stern, ズィー ハッ ツヴァィ ブラォエ オィゲラィン Sie hat zwei blaue Äugelein, ユー、ヤー、オィゲラィン Ju, ja, Äugelein, ディ ロィヒテン ヴィー ツヴァィ シュテーァン Die leuchten wie zwei Stern. |
3.
どうしてあの人は僕のものにならないんだ とても好きなのに あの人はふたつの青い瞳をしていて その瞳は二つの星のように輝いている あの人はふたつの青い瞳をしていて ユー、ヤー、瞳 その瞳は二つの星のように輝いている
nit【副詞】=nicht ~ではない。
leuchten【動詞・三人称複数現在形】 <leuchten 輝く。 |
4. ズィー ハッ ツヴァィ ローテ ヴェンゲラィン Sie hat zwei rote Wängelein, ズィン レーテァ アルス デァ ヴァィン Sind röter als der Wein; アィン ゾルヒェス メーデル フィンヅト ドゥ ニヒト Ein solches Mädel findst du nicht ヴォール ウンテーァム ゾンネンシャィン Wohl unterm Sonnenschein; アィン ゾルヒェス メーデル フィンヅト ドゥ ニヒト Ein solches Mädel findst du nicht, ユー、ヤー、フィンヅト ドゥ ニヒト Ju, ja, findst du nicht, ヴォール ウンテーァム ゾンネンシャィン Wohl unterm Sonnenschein. |
4.
あの人はふたつの赤い頬をしている ワインよりも赤いんだ このような娘はきっと見つからないよ お日様の光のもとでは このような娘はきっと見つからないよ ユー、ヤー、見つからないよ お日様の光のもとでは
Wängelein【人体・指小形・複数形】
<Wange 頬。 wohl【副詞】きっと、おそらく。 |
ガイド
『Wenn Alle Brünnlein Fließen』はドイツの古い愛唱歌です。発祥はドイツ南西部のシュヴァーベン地方とされています。歌詞が誕生したのは16世紀と見積もられていて、1520年にはドイツのオルガニストのレオンハルト・クレーバー(Leonhard Kleber、1495~1556)によるこの歌の記録がありますが、作詞者・作曲者ともに判明していません。 現行のメロディーの一部は、ウォルフガング・アマデウス・モーツァルトの歌劇『Zauberflöte(魔笛)』の中の『Ein Mädchen oder Weibchen(恋人か女房か)』に由来するともされています。 この歌が現在のような知名度を博するようになったのは、『ローレライ』などでも知られる作曲家フリードリヒ・ジルヒャー(Friedrich Silcher、1789~1860)の1855年の歌曲集に取り上げられてからのことです。 ひとりごと この歌は「すべての泉が湧き出ているなら/人は飲まなくてはならない」という印象的な言葉で始まっています。泉の水はここでは情熱に例えられているのでしょう、その情熱を胸に受け入れてしまわなくてはならないというある種の覚悟ともいえるのが、この歌の主人公の考える恋愛なのかもしれません。それでいて、女性に対して声を掛けることもかなわず、目配せはできても、思いのたけを打ち明けることはおそらく無理な様子。もしかして片思いなのでしょうか。いつか晴れがましい日が来るようにと願わずにはいられませんよね。 |
バリアント
バリアントによっては、上記の歌詞のあとにさらに歌詞が続き、全体で7番まで歌詞があるものもあります。
歌詞の続きの部分のみを下に記載しました。
◆原歌詞:5~7番 |
◆和訳 |
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5. |
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6. |
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7. |
参考URL: MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36) |