SCHÖN IST EIN ZYLINDERHUT | |
作詞:不詳 / 作曲:R. シェーファー、但し伝承旋律の利用の可能性あり | |
邦題 『ユッパイディ』 『山腹を下ろう』など |
◆原歌詞:1~6番
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。 |
◆和訳と語句 |
1. シェーン イスト アィン ツィリンデァフーッ Schön ist ein Zylinderhut, ユッパィディ、ユッパィダ Juppheidi, juppheida, ヴェン マン イーン ベズィツェン トゥッ Wenn man ihn besitzen tut, ユッパィディ、ハィダ Juppheidi, heida. ドホ フォン ガンツ ベゾンドレァ グューテ Doch von ganz besond'rer Güte ズィン シュテーツ ツヴァィ ツィリンデァフューテ Sind stets zwei Zylinderhüte. ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、フィデラララ Juppheidi, juppheida, juppheidi, viderallala, ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、ハィダ Juppheidi, juppheida, juppheidi, heida. |
1.
シルクハットが一つあると素敵だな ユッパイディ、ユッパイダ それを持っていると〔素敵だな〕 ユッパイディ、ハイダ だけど特別に素晴らしいのは いつもシルクハットが二つあることさ ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、フィデラララ ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、ハイダ
besitzen【動詞・原形】所有する。
tut【動詞・三人称単数現在形】 <tun ここでは直前の動詞besitzenを強調する働きをしています。 stets【副詞】常に、いつも。 |
2. ハッ マン デァ ツィリンデァ ドラィ Hat man der Zylinder drei, ユッパィディ、ユッパィダ Juppheidi, juppheida, ハッ マン アィネン メーァ アルス ツヴァィ Hat man einen mehr als zwei; ユッパィディ、ハィダ Juppheidi, heida. フィーァ ツィリンデァ ダスズィン グラーッ Vier Zylinder das sind grad' ツヴァィ ツィリンデァ ツゥム クヴァドラーッ Zwei Zylinder zum Quadrat. ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、フィデラララ Juppheidi, juppheida, juppheidi, viderallala, ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、ハィダ Juppheidi, juppheida, juppheidi, heida. |
2.
シルクハットを三つ持っていたら ユッパイディ、ユッパイダ 二個よりも一つ多く持っているということさ ユッパイディ、ハイダ シルクハットが四つ、それはちょうど シルクハット二個の二乗ということさ ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、フィデラララ ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、ハイダ
grad'【副詞】=grade ちょうど。
「gerade」の省略された形。 Quadrat【数学】2乗、平方。 |
3. フュンフ ツィリンデァ ズィン ゲナォ Fünf Zylinder sind genau ユッパィディ、ユッパィダ Juppheidi, juppheida, フュァ ドラィ キンデァ、マン ウン フラォ Für drei Kinder, Mann und Frau; ユッパィディ、ハィダ Juppheidi, heida. ゼクス ツィリンデァ ダス イス トォル Sechs Zylinder, das ist toll, マハン ダス ハルベ ドゥッツェント フォル Mach'n das halbe Dutzend voll. ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、フィデラララ Juppheidi, juppheida, juppheidi, viderallala, ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、ハィダ Juppheidi, juppheida, juppheidi, heida. |
3.
シルクハットが五つあるとちょうど ユッパイディ、ユッパイダ こども三人と夫婦に行き渡るよ ユッパイディ、ハイダ シルクハットが六つ、こいつはすごい 一ダースまるまるの半分になるわけだ ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、フィデラララ ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、ハイダ
Mann und Frau【成句】夫婦。
Dutzend 数量の「ダース」、12個。 |
4. ズィーベン ツィリンデァ ズィン ゲヌーク Sieben Zylinder sind genug, ユッパィディ、ユッパィダ Juppheidi, juppheida, フュァ ネン クラィネン ラィヒェンツーク Für 'nen kleinen Leichenzug; ユッパィディ、ハィダ Juppheidi, heida. ハッ マン デァ ツィリンデァ アハト Hat man der Zylinder acht, ヴィァッ デァ パストーァ アォフ ベダハト Wird der Pastor auch bedacht. ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、フィデラララ Juppheidi, juppheida, juppheidi, viderallala, ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、ハィダ Juppheidi, juppheida, juppheidi, heida. |
4.
シルクハットが七つなら十分に ユッパイディ、ユッパイダ ちょっとしたお葬式にも間に合うよ ユッパイディ、ハイダ シルクハットを八個持っていたら 牧師さんへ贈ることもできるね ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、フィデラララ ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、ハイダ
Leichenzug 葬列。
Pastor【宗教】牧師。 bedacht【動詞・過去分詞形】 <bedenken 「熟慮する」の意味もありますが、ここでは「贈り物をする」の意味で用いられています。 |
5. ハッ マン デァ ツィリンデァ ノィン Hat man der Zylinder neun, ユッパィディ、ユッパィダ Juppheidi, juppheida, クリークト デァ クュステァ アォフ ノホ アィン Kriegt der Küster auch noch ein'n; ユッパィディ、ハィダ Juppheidi, heida. ツェーン ツィリンデァ ズィン ベクヴェーム Zehn Zylinder sind bequem フュァ ダス デツィマールズュステーム Für das Dezimalsystem. ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、フィデラララ Juppheidi, juppheida, juppheidi, viderallala, ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、ハィダ Juppheidi, juppheida, juppheidi, heida. |
5.
シルクハットを九つ持っていたら ユッパイディ、ユッパイダ 寺男もひとつもらえるよ ユッパイディ、ハイダ シルクハットが十個なら 十進法にうってつけさ ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、フィデラララ ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、ハイダ
kriegt【動詞・三人称単数現在形】
<kriegen もらう。 Küster【宗教】教会の雇い人、寺男。 ein'n【代名詞・男性単数4格】「einen(ひとつ)」を省略したもの。 Dezimalsystem【数学】十進法。 |
6. エルフ ツィリンデァ、オー ヴィー ファィン Elf Zylinder, o wie fein, ユッパィディ、ユッパィダ Juppheidi, juppheida, ズィン ツヴェルフ ツィリンデァ ミーヌゥス アィン Sind zwölf Zylinder minus ein'n; ユッパィディ、ハィダ Juppheidi, heida. ツヴェルフ ツィリンデァ、オー ヴィー シェーン Zwölf Zylinder, o wie schön, ヴューァデン デン アポステルン シュテーン Würden den Aposteln steh'n. ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、フィデラララ Juppheidi, juppheida, juppheidi, viderallala, ユップァィディ、ユップァィダ、ユップァィディ、ハィダ Juppheidi, juppheida, juppheidi, heida. |
6.
シルクハットが十一個、なんて素敵なんだ ユッパイディ、ユッパイダ シルクハット十二個から一個引いた数さ ユッパイディ、ハイダ シルクハットが十二個、ああなんて素晴らしい 十二使徒にだって似合いそうだよ ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、フィデラララ ユッパイディ、ユッパイダ、ユッパイディ、ハイダ
Aposteln【宗教・複数形3格】
<Apostel イエス・キリストの弟子である十二使徒のこと。 steh'n【動詞・原形】=stehen (3格の名詞・代名詞を伴って)~に似合う。 |
ガイド
『Schön ist ein Zylinderhut』は、ドイツ語圏の愛唱歌です。同一のもしくはよく似通ったメロディの歌曲が多数あることで知られています。 作曲はドイツのリヒャルト・シェーファー (Richard Schäfer, 1823-1886)という人物によって1845年に書かれたとされていますが、資料によっては作曲者不明の民謡旋律としているものもあり、シェーファーが既存の伝承曲の旋律に手を加えて自作として発表した可能性もあります。なお、シェーファーは後年に裁判官になっています。 上記のように、この歌と同じメロディ、ないしこのメロディを改変したと考えられるメロディを使った歌はいくつも存在しています。それらのうちで最も初期の歌として、だいたい1845~1850年あたりに『Studio auf einer Reis' (学生たちは旅路に出て)』という学生歌が歌われるようになっているという記録があります。シェーファーの書いた曲はもともとこの『Studio auf einer Reis'』の旋律として用いられたものであり、この歌の人気が高かったためにのちにさまざまな替え歌やパロディ歌が登場することになったと推測されています。このページで取り上げた『Schön ist ein Zylinderhut』は、そうした替え歌のひとつで1900年頃に登場したものですが、現在ではこれら一連の類似の旋律の歌のうちでも、子供向けの歌として特に親しまれているものとなっています。 歌詞の発祥や作詞者については明らかになっていません。ただし、この歌のバリアントのひとつに、リフレインの「Juppheidi, juppheida, juppheidi, viderallala」の部分が「Juppheidi, juppheida, Schnaps ist gut für die Cholera!(ユッパイディ、ユッパイダ、シュナップスはコレラに効くぞ!)」となっているものが知られており、1892年にハンブルクで発生したコレラの突発的流行(1881年から1896年のコレラのパンデミックの一部)を下敷きにした歌詞であろうと言われています。ちなみにシュナップスはドイツ発祥で世界で広く親しまれているアルコール度数の強い蒸留酒の一種ですが、コレラに対する医学的効果はべつだん認められていません。 フランス語圏では、同一のメロディの歌が『Youkaïdi(ユカイディ)』 というタイトルのスカウトソングとして親しまれています。作詞は、イエズス会員の神父であり、フランスにボーイスカウト活動を導入したことで知られるジャック・スヴァン (Jacques Sevin, 1882-1951)によるものですが、曲の由来については多くのインターネット資料で「スイス民謡」としてありました。歌の内容はシルクハットとは関係は無く(もちろんコレラとも関係なく)、キャンプなど野外活動の楽しさを歌ったものになっています。
ひとりごと |
参考URL: MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36) |