ES TANZT EIN BI-BA-BUTZEMANN | |
作詞:上詳 / 作曲:上詳 / 19世紀初頭までに成立 | |
邦題 この歌には、定まった邦題はまだついていないようです。 |
◆原歌詞:1~4番 バリアントバージョン
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。 |
◆和訳と語句 |
1. エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム、ビデブム In unserm Haus herum, bidebum, エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム In unserm Haus herum. エァ ルュッテルト ズィヒ、エァ シュッテルト ズィヒ Er rüttelt sich, er schüttelt sich, エァ ヴィァフト ザィン ゼェクヒェン ヒンテァ ズィヒ Er wirft sein Säckchen hinter sich. エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム In unserm Haus herum. |
1.
ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると、ビデブム ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると 身を揺らしたり、震わせたり 持っている小袋を後ろにほうったり ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると
Bi-Ba-Butzemann【キャラクター】
ドイツの民間伝承に登場するButzemann(ブッツェマン)という想像上のキャラクターの吊前をもじって言葉遊びのようにしたもの。「ブッツェマン《そのものについての解説は、ガイドの項をご覧ください。 herum【副詞】回って、ぐるぐると。 bidebum【間投詞】ビデブム。 リズムを整えるための、特に意味のない間投詞です。バリアントによっては「dideldum(ディデルドゥム)《「fidebum(フィデブム)《「widebum(ヴィデブム)《などとなっています。 rüttelt【動詞・三人称単数現在形】 >rütteln 揺らす、揺さぶる。 schüttelt【動詞・三人称単数現在形】 >schütteln 振る、揺らす。 |
2. エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム、ビデブム In unserm Haus herum, bidebum, エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム In unserm Haus herum. エァ ヴィァフト ザィン ゼェクラィン ヘーァ ウン ヒン Er wirft sein Säcklein her und hin, ヴァス イスト ヴォール イン デム ゼェクラィン ドリン? Was ist wohl in dem Säcklein drin? エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム In unserm Haus herum. |
2.
ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると、ビデブム ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると 持っている小袋をあっちへこっちへとほうってるよ あの小袋は中にいったい何が入ってるのかな? ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると
wohl【副詞】いったい。
疑問文を強調するニュアンスがあります。 drin【副詞】その中に。 代吊詞と前置詞「in《とが融合した語。 |
3. エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム、ビデブム In unserm Haus herum, bidebum, エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム In unserm Haus herum. エァ ブリンクト ツーァ ナハト デム グーテン キント Er bringt zur Nacht dem guten Kind ディ エップェル ディー イム ゼェクラィン ズィント Die Äpfel die im Säcklein sind. エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム In unserm Haus herum. |
3.
ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると、ビデブム ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると ブッツェマンは夜になると、良い子のところへ 小袋に入っているリンゴを持ってきてくれるんだ ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると |
4. エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム、ビデブム In unserm Haus herum, bidebum, エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム In unserm Haus herum. エァ ヴィァフト ザィン ゼェクラィン ヒン ウン ヘーァ Er wirft sein Säcklein hin und her, アン モーァゲン イスト エス ヴィーデァ レーァ Am Morgen ist es wieder leer. エス タンツト アィン ビ・バ・ブッツェマン Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann イン ウンゼァム ハォス ヘルゥム In unserm Haus herum. |
4.
ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると、ビデブム ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると 持っている小袋をこっちへあっちへとほうって 朝になると袋はまた空っぽになってるんだ ビ・バ・ブッツェマンが踊るよ 僕らの家の中をぐるぐると
leer【形容詞】空っぽの、中身のない。
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ガイド
「Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann《はドイツ語圏で広く知られた童歌です。発祥はドイツ中央部のチューリンゲン地方だと言われています。 成立した年代は定かではありませんが、クレメンス・ブレンターノ(Clemens Brentano、1778年~1842年)とアヒム・フォン=アルニム(Achim von Arnim、1781年~1831年)によって編纂された詩集『Des Knaben Wunderhorn(少年の魔法の角笛)』の初版(1808年)に既にこの歌が載っていますので、それより以前に生まれていた歌であることが分かります。なお「Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann《が活字になったのはこの『Des Knaben Wunderhorn』が最初だということです。 現代では子供たちの遊び歌としても親しまれています。いわゆるハンカチ落としと同様の遊び方で、輪になって座った子供たちの後ろ(輪の外側)を鬼役の子供が走り、誰かの後ろに袋(またはそれになぞらえた品物)を落とします。落とされた子供はそれを拾って鬼を追いかけるというものです。 ブッツェマンはもともと南部ドイツからスイスにかけての地域に伝わる伝承で、家々に住む精霊の一種だったといわれ、暗闇に潜んでいて子供たちをさらいに出てきたり、ポルターガイストを起こしたりするものとされています。本来は恐ろしいものであるわけですが、この歌では陽気なキャラクターとして扱われています。 ひとりごと 怖いお化けであるはずのブッツェマンが楽しいわらべ歌の陽気な主人公になっているのは面白いものです。このブッツェマンの分布域では、子供を親がしつけるのに「悪い子だとブッツェマンにさらわれちゃうよ《などと言うそうですが、良い子のところへリンゴを持ってきてくれるような気立ての良い妖精だったらちっとも怖くありませんよね。 |
バリアント
「Es tanzt ein Bi-Ba-Butzemann《には下に掲げたようなバリアントがあります。歌詞の1番は上のメインバージョンと同じものであるので省略し、2番と3番の歌詞のみを載せています。
また、バリアントによっては、メインバージョンとして挙げた歌詞をすべて歌ってからこのバリアントの歌詞を歌うこともあるようです。そうするとこのバリアント歌詞の2番と3番はそれぞれ5番と6番になることになります。
◆原歌詞 メインバージョン
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。 |
◆和訳と語句 |
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2. |
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3. |
参考URL: MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36) |