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КОРОБЕЙНИКИ
行商人

旅の商人と村娘の一夜の逢瀬。

作詞:Н.А.ネクラーソフ  /  作曲:上詳  /  19世紀後半成立

邦題
『コロブチカ』『コローブニキ』
『あの踊りの輪の中に』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)



◆原歌詞:1~9番
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句

1.
オイ、パルナー パルナー マィヤー カローブゥシカ
"Ой, полна, полна моя коробушка,

イェースチ イ スィーチィツ イ パルチャー
Есть и ситец, и парча,

パジャレーィ マィヤー ザズノーブゥシカ
Пожалей, моя зазнобушка,

マラヂェーツカヴァ プリィチャー!
Молодецкого плеча!

パジャレーィ マィヤー ザズノーブゥシカ
Пожалей, моя зазнобушка,

マラヂェーツカヴァ プリィチャー!
Молодецкого плеча!

1.
『おお、いっぱいだ、いっぱいだ、私の行李は
 キャラコもあれば、錦もある
 哀れんでくれ、私のいとしい人よ、
 勇ましい若者の肩を!
 哀れんでくれ、私のいとしい人よ、
 勇ましい若者の肩を!
коробушка【指小形】小さな箱。ここでは行商人の商品を入れる箱のことなので「行李《と訳出しました。
ситец 綿織布、更紗(さらさ)、キャラコ。
парча 錦(にしき)、ブロケード。
молодецкого 【形容詞・男性生格形】
 <молодецкий 勇ましい若者の。

2.
パィドゥー ヴィードゥ フ ローシ ヴィソークユ
Пойду выйду в рожь высокую,

ターム ダ ノーチキ パガジュー
Там до ночки погожу,

ア ザヴィージュ チェルナオークユ
А завижу черноокую –

フシェー タヴァールィ ラズラジュー
Все товары разложу."

2.
背の高いライ麦の畑へ出て行って 
そこで夜までしばらくお待ちしよう
黒い瞳の人が遠くに見えたら
すべての商品を広げよう』
рожь ライ麦。
погожу【動詞・一人称単数現在形】
 <погодйть 少しのあいだ待つ。
завижу【動詞・一人称単数現在形】
 <завидеть ~を遠くから見つける。
черноокую【形容詞・女性単数対格】
 <черноокий 黒い瞳の。
разложу【動詞・一人称単数現在形】
 <разложить 広げる、並べて置く。

3.
ヴォー・ティ パーラ ノーチ トゥマーンナヤ
Вот и пала ночь туманная,

ジデョーッ ウダーリイ マラヂェーツ
Ждёт удалый молодец:

チュー! イヂョーッ、プリシラー マヤ ジェラーンナヤ
"Чу! Идёт, пришла моя желанная!"

プラダィヨーッ タヴァール クゥピェーツ
Продаёт товар купец.

3.
さてさて、もやの立ちこめる夜が降りた
威勢のよい若者は待つ
『ほら、俺のお待ちかねの人がやって来るぞ!』
商人は品物を売っている
пала【動詞・女性過去形】
 <пасть 降る、(夜などが)やって来る。
туманная【形容詞・女性単数主格】
霧・霞のかかった。
удалый【形容詞・男性単数主格】
大胆な、向こう見ずな。
пришла【動詞・女性過去形】
 <прийти やって来る。
желанная【形容詞・女性単数主格】
望ましい、待望の。

4.
カーチャ ビェーリジナ タルグゥーィエッツャ
Катя бережно торгуется,

フシェー バイーッツャ ピリェダーチ
Все боится передать,

パーリィヌ ス・ヂェーヴィツェィ ツェルゥーィエッツャ
Парень с девицей целуется,

プロースィッ ツェーヌィ ナバヴリャーチ
Просит цены набавлять:

4.
カーチャは用心深く値段を交渉し
すべてを引き渡してしまうのを危ぶんでいる
若者は娘と口づけを交わし
値段を上増ししたいと頼む
торгуется【動詞・三人称単数現在】
 <торговаться 値段の交渉をする、値切る。
боится【動詞・三人称単数現在】
 <бояться 恐れる、心配する。
целуется【動詞・三人称単数現在】
 <целоваться (互いに)キスをしあう。
набавлять【動詞・原形】
 ~に追加する、増額する。

5.
ツェーヌィ サーム プラチール ニマールィエ
"Цены сам платил немалые,

ニェ タルグゥーィスャ、ニェ スクゥピース
Не торгуйся, не скупись,

パッスタヴリャーィカ グープキ アールィエ
Подставляй-ка губки алые,

ブリージェ ク・マラッツゥー サヂース
Ближе к молодцу садись!.."

5.
『俺だってかなりの値段を支払ったんだ、
 値切らないでくれ、けちけちしないでくれ
 紅色の唇を近寄せてくれよ
 もっと若者のそばに座ってくれ!』
немалые【形容詞】かなり大きい。
скупись【動詞・単数命令形】
 <скупиться (金など)を出し惜しみする。
подставляй【動詞・単数命令形】
 <подставить ~を近づける、差し出す。

6.
ズナーラ トーリカ ノーチカ チョームナィヤ
Знала только ночка тёмная,

カーク パラーヂリ アニー
Как поладили они.

ラスプリャミース チィ ローシ ヴィソーカィヤ
Распрямись ты, рожь высокая,

ターイヌゥ スヴャータ サハラニー!
Тайну свято сохрани!

6.
陰鬱な夜だけが知った
二人がどのように折り合いをつけたのかを
まっすぐに立て、背の高いライ麦よ
しっかりと秘密を守れ!
тёмная【形容詞・女性主格形】陰気な、暗い。
поладили【動詞・複数過去形】
 仲良くなる、折り合いをつける。
распрямись【動詞・単数命令形】姿勢を正す。

7.
オィ、リェフカー リェフカー カローブゥシカ
"Ой, легка, легка коробушка,

プリェーチ ニェ リェージェッ リメショーク
Плеч не режет ремешок,

ア フシェヴォー ヴズャラー ザズノーブゥシカ
А всего взяла зазнобушка

ビリュゾーヴィ ピィルスチィニョーク
Бирюзовый перстенёк."

7.
『おお、軽いぞ、軽いぞ、行李が
 肩に革帯が食い込まない
 そしていとしい人が取ったのは
 トルコ石の入った指輪だけ』
режет【動詞・三人称単数現在形】
 <резать ~を切る/彫る/食い込む。
ремешок 革帯、ベルト。ここでは行李についている肩帯のことです。
бирюзовый【形容詞・単数主格】トルコ石の。
перстенек 宝石のついた指輪。

8.
ダール ィエーィ スィーッツゥ シトゥークゥ ツェールィユ
Дал ей ситцу штуку целую,

リェーントゥ アーリュユ ヅリャー コース
Ленту алую для кос,

パィヤソーク ルゥバーシクゥ ビェールィユ
Поясок – рубашку белую

パトパィヤーサチ フ・スェナコース
Подпоясать в сенокос…

8.
彼女に贈ったのは、キャラコをまるまるひと巻きと
おさげ髪に結ぶ真っ赤なリボンと
草刈りのときに白いシャツを
締めるためのベルト
штуку【単数与格】<штука
 (織物の)一巻きぶん。
кос【複数生格】<коса お下げ髪。
поясок【指小形】ベルト、帯。
подпоясать【動詞・原形】帯・ベルトで締める。
сенокос 草刈り。

9.
フシェー パクラーラ ニィナグリャードナィヤ
Все поклала ненаглядная

フ・コーラプ、クローミ ピィルステヌカー
В короб, кроме перстенька:

ニェ ハチュー ハヂーチ ナリャードナィヤ
"Не хочу ходить нарядная

ビェース シィルヂェーシナヴァ ドルゥシカー
Без сердечного дружка!"

9.
いとしいあの人は、指輪を除いて
行李のなかへ全てをしまい込んだ
『私はお洒落なんてしたくないの、
 親しい友達がいないなら!』
поклала【動詞・女性過去形】
 <покласть (全部・多くを)しまう。
ненаглядная【形容詞・女性単数主格】
 いとしい、見飽きることのない。
кроме【前置詞】~を除いて。
нарядная【形容詞・女性単数主格】着飾った、盛装した。
сердечного【形容詞・男性単数生格】
 心臓の/いとしい/心からの。


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 ガイド   19世紀ロシアを代表する詩人のひとりであるニコライ・アレクセーイェヴィチ・ネクラーソフ(Николай Алексеевич Некрасов、1821~1878)が1861年に出版した長編詩『Коробейники(行商人たち)』の出だし部分が、一般に出回って愛唱歌になったものです。日本ではフォークダンスの曲の代表として知られています。
 元になった詩は、こちらのページに掲載されています(いずれもロシア語のみ)。
  ○http://ilibrary.ru/text/1240/index.html
  ○http://orel.rsl.ru/nettext/russian/nekrasov/korobeiniki.pdf

 作曲者は上明です。ネクラーソフの詩には、『ボリス・ゴドゥノフ』『展覧会の絵』などで知られるモデスト・ペトローヴィチ・ムソルグスキー(Модест Петрович Мусоргский、1839~1881)が曲を施したものがいくつかありますが、『Коробейники』はムソルグスキー作曲ではありません。
 インターネット上では、ロシアの作曲家ヤーコフ・フョードロヴィチ・プリゴージー(Яков Федорович Пригожий、1840~1920)が作曲したと書いてあるページも見つかりましたが、確実なデータとはいえません。

ひとりごと
 フォークダンス曲の定番中の定番…といったところでしょうか。歌詞を見てみると、いささか意味深な含みもあるんですが、おかげで、この曲がフォークダンスの定番ナンバーになったいきさつについて、いろいろと余計な想像を逞しくしてしまいます。
 旧ソヴィエト連邦で開発されたビデオゲーム『テトリス』のBGMに使われていたのも懐かしい話です。
 テレビやラジオの宣伝でもときどき使われる曲です。1990年ごろにカ○ビーの「ポ○トチッ○ス《のTVCMで使われていたのが、私の記憶には印象的に残っています。


参考URL
http://pesni.retroportal.ru/np1/40.shtml
http://a-pesni.narod.ru/popular20/ojpolna.htm
http://publ.lib.ru/ARCHIVES/N/NEKRASOV_Nikolay_Alekseevich/_Nekrasov_N._A..html
http://nikolay-nekrasov.narod.ru/
http://musorgskiy1839.narod.ru/
http://orel.rsl.ru/nettext/russian/nekrasov/korobeiniki.pdf
http://ilibrary.ru/text/1240/index.html
http://az.lib.ru/n/nekrasow_n_a/text_0020.shtml#35

MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36)
ページ最終更新:2008/02/22

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