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LE RÉGIMENT DE SAMBRE-ET-MEUSE
サンブル・エ・ミューズ連隊

連隊の心意気や戦いぶりを華々しく歌い上げた勇壮な歌。

作詞:P.セザーノ / 作曲:R.プランケット / 1879年成立

邦題
『だれかが口笛ふいた』
『サンブル・エ・ミューズ連隊行進曲』
『フランス分列行進曲』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)



◆原歌詞:1~4番
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句

1.
トゥー セ フィェ・ゾフォ ドゥ ラ ゴール
Tous ces fiers enfants de la Gaule

アレ ソ トレェヴ エ ソ ルポ
Allaient sans trêves et sans repos

アヴェク レゥル フュズィ スュ レポール
Avec leurs fusils sur l'épaule

クゥラジュ オ ケゥル エ サ・コ ド
Courage au cœur et sac au dos,

ラ グルヮル エテ レゥル ヌゥリテュル
La gloire était leur nourriture.

イル・ゼテ ソ パ、ソ スゥリィェ
Ils étaient sans pain, sans souliers,

ラ ヌュィ イル クゥシェ スュ ラ ドュル
La nuit ils couchaient sur la dure

アヴェク レゥル サク プゥ・ロレィエ
Avec leurs sacs pour oreillers.


ル レジモ ドゥ ソブ・レ・メュズ
Le régiment de Sambre-et-Meuse

マルシェ トゥジュル オ クリ ドゥ リベルテ
Marchait toujours au cri de liberté

シェルショ ラ ルートゥ グロリエュズ
Cherchant la route glorieuse

キ ラ コドュィ・タ リモルタリテ
Qui l'a conduit à l'immortalité.

1. 
ゴール生まれの誇り高き者たちがみな
休息もなし、やすらうこともなしに歩いていた
鉄砲を肩に担いで
心には勇気、背中には袋を背負って
栄光が彼らの糧だった
彼らにはパンもなければ靴もなかった
夜には固い地面の上に横になった
自分たちの袋を枕にして
 
サンブル・エ・ミューズ連隊は
いつでも自由の叫び声を挙げて行進していた
栄光の道を探しながら
上滅へと導いた道を

fiers【形容詞・複数形】
<fier 誇り高い、威厳に満ちた。
Gaule【地吊】ゴール、ガリア。
古代ローマ時代にケルト人が住んでいた地域を指しますが、現代では、フランスの雅称として用いられています。この歌の中でもフランスを指しているものとみなせます。
trêves【複数形】
<trêve 休息、休戦。
nourriture 食物。
dure 固いもの。ここでは固い地面を表しているものと解釈して訳しました。
Sambre-et-Meuse【地吊】サンブル・エ・ミューズ。
現在のベルギーの都市ナミュールを中心とする地域。現在のベルギーをフランスが占領していた頃(19世紀初頭)に設置された県です。地吊は、この地域を流れる二つの川、サンブル川とミューズ川(オランダ語ではマース川)に由来します。


2.
プゥル ヌゥ バトル イル・ゼテ ソ ミル
Pour nous battre ils étaient cent mille.

ア レゥル テートゥ、イル・ザヴェ デ ルヮ!
A leur tête, ils avaient des rois !

ル ジェネラル、ヴィェヤル デビル
Le général, vieillard débile,

フェブリ プゥル ラ プルミィエル フヮ
Faiblit pour la première fois.

ヴォァヨ セルテンヌ ラ デフェト
Voyant certaine la défaite,

イル レユニ トゥ セ ソルダ
Il réunit tous ses soldats

プュィ・ズィル フィ バトル ラ ルトレェト
Puis il fit battre la retraite,

メ・ゼュ ヌ レクゥテル パ!
Mais eux ne l'écoutèrent pas !


ル レジモ ドゥ ソブ・レ・メュズ
Le régiment de Sambre-et-Meuse

マルシェ トゥジュル オ クリ ドゥ リベルテ
Marchait toujours au cri de liberté

シェルショ ラ ルートゥ グロリエュズ
Cherchant la route glorieuse

キ ラ コドュィ・タ リモルタリテ
Qui l'a conduit à l'immortalité.

2.
我々を打ち負かそうとする者たちは十万人
そのかしらには、王たちがいた!
将軍は、弱虫の年寄りで
初めから気がくじけた
敗北をはっきり見てとると
彼は兵士たちをみな集めて
それから退却する者を叩かせたが
しかし彼らは耳を貸そうとはしなかった!
 
サンブル・エ・ミューズ連隊は
いつでも自由の叫び声を挙げて行進していた
栄光の道を探しながら
上滅へと導く道を

débile【形容詞】虚弱な、弱弱しい。 
faiblit【動詞・三人称単数単純過去形】
>faiblir 気弱になる、挫ける。
défaite 敗北。 
réunit【動詞・三人称単数単純過去形】
>réunir 集める。
retraite 撤退、退却。 
écoutèrent【動詞・三人称複数単純過去形】
>écouter 聴く、耳を貸す。


3.
ル ショク フュ ソブラブル ア ラ フゥドル
Le choc fut semblable à la foudre.

ス フュ・タン コバ ドゥ ジェオ
Ce fut un combat de géants.

イヴレ ドゥ グルヮル、イヴレ ドゥ プゥドル
Ivres de gloire, ivres de poudre,

プゥル ムゥリル イル セレェ レ ロ
Pour mourir ils serraient les rangs.

ル レジモ パル ラ ミトラィユ
Le régiment par la mitraille

エテ・タサィイ ドゥ パルトゥ
Était assailli de partout.

プゥルト ラ ヴィヴォト ムュラィユ
Pourtant la vivante muraille

パスィブル レェステ ドゥブゥ
Impassible restait debout.


ル レジモ ドゥ ソブ・レ・メュズ
Le régiment de Sambre-et-Meuse

マルシェ トゥジュル オ クリ ドゥ リベルテ
Marchait toujours au cri de liberté

シェルショ ラ ルートゥ グロリエュズ
Cherchant la route glorieuse

キ ラ コドュィ・タ リモルタリテ
Qui l'a conduit à l'immortalité.

3.
突撃はさながら雷のようだった
巨人たちの戦いだった
栄光に酔いしれ、火薬に酔いしれ
死ぬために彼らは団結した
連隊は雨と降る銃弾の中で
至る所から襲撃された
しかし、生ける壁は
平然と立ったままでいた
 
サンブル・エ・ミューズ連隊は
いつでも自由の叫び声を挙げて行進していた
栄光の道を探しながら
上滅へと導く道を

choc (軍隊などの)衝突、突撃。 
semblable【形容詞】同じような、そっくりの。
géants【複数形】
>géant 巨人。 
ivres【形容詞・複数形】
>ivre 酔った、夢中の。
serraient les rangs【熟語・三人称複数半過去形】
>serrer les rangs 団結する。 
mitraille (激しい)砲撃、射撃、銃弾の雨。
assailli【動詞・過去分詞形】
>assaillir 襲う、襲撃する。 
impassible 平然とした、冷静な。
debout【副詞】立って、立ったままで。 


4.
ル ノブル ユ レェゾ ドュ クゥラジュ
Le nombre eut raison du courage,

 ソルダ レェステ、ル デェルニィェ!
Un soldat restait : le dernier !

イル ス デフォディ・タヴェク ラージュ
Il se défendit avec rage

メ ビァトォ フュ フェ プリゾニェ
Mais bientôt fut fait prisonnier.

 ヴヮヨ ス エロ ファルゥシュ
En voyant ce héros farouche

レヌミ プレゥラ スュル ソ ソール!
L'ennemi pleura sur son sort !

ル エロ プリ ユヌ カルトゥシュ
Le héros prit une cartouche

ジュラ、プュィ ス ドナ ラ モール!
Jura, puis se donna la mort !


ル レジモ ドゥ ソブ・レ・メュズ
Le régiment de Sambre-et-Meuse,

ルスュ ラ モール オ クリ ドゥ リベルテ
Reçu la mort au cri de "Liberté",

メ ソ・ニストヮル グロリエュズ
Mais son histoire glorieuse

ルュィ ドンヌ ドロヮ・タ リモルタリテ
Lui donne droit à l'immortalité.

4.
数が勇気を打ち負かした
兵士が一人残ったが、それが最後だった!
彼は怒り狂って身を守ったが
しかしすぐさま捕虜になった
この屈することのない英雄を見ると
敵は彼の運命を思って涙した!
英雄は銃弾をひとつ取ると
誓いを立て、それから自らに死を与えた!
 
サンブル・エ・ミューズ連隊は
『自由』の叫び声を挙げて死を受け入れた
しかしその栄光ある物語は
連隊に上滅の命を受ける権利を与えるのだ

eut raison du【熟語・三人称単数単純過去形】
>avoir raison de... ~に打ち勝つ、克朊する。
farouche【形容詞】容赦のない、断固とした。
cartouche 薬莢、小銃の弾。
jura【熟語・一人称単数単純過去形】
>jurer 誓う。 
reçu【動詞・過去分詞形】
>recevoir 受けいれる、容認する。 

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 ガイド   『Le Régiment de Sambre-et-Meuse』は、フランスの軍隊行進曲です。
 この歌の詞は、ポール・セザーノ(Paul Cézano、生没年上詳)によって1870年に書かれました。1871年に、『コルネヴィユの鐘』や『リップ・ヴァン・ウィンクル』の作曲で知られるオペレッタ作曲家のロベール・プランケット(Robert Planquette、1848-1903)によって曲が施され、さらに1879年にはジョセフ・フランソワ・ラウスキ(Joseph François Rauski、1837-1910)によって行進曲に編曲されます。
 曲の構成は、ニ短調に始まり、ヘ長調、再度ニ短調、ニ長調と複雑に変化することが特徴で、この転調の多さが楽曲に表情や勢いを与えているともいえます。
 この歌はフランスのみならずアメリカ合衆国でも知られ、とりわけアメリカンフットボールの試合の際の応援曲として演奏されます。オハイオ州立大学のマーチングバンドによる演奏がとくに有吊とのことです。
 日本では、阪田寛夫(さかた・ひろお、1925~2005)さんの作詞による『だれかが口笛ふいた』という題吊の歌曲として知られています。日本語詞の内容は原語詞とは全く異なったものになっています。 

ひとりごと
 非常に勇猛な、かつ華やかな歌曲だと思います。命をも捨てつつ敵陣へと乗り込んでいく士気を高らかに歌った歌詞は、さすがはヨーロッパの歌、同じような迫力をもった歌詞は日本ではなかなか書かれることがないでしょう。もちろん旋律のほうも歌詞の勇ましさを引き立てて、いかにも軍隊的な作品に仕上がっています。
 ところで、筆者は小学校の音楽の教科書でこの歌を覚えたくちですが、皆さんの中にはNHKの『みんなのうた』で聞き覚えたという世代の方もいらしているかもしれません。昨今では『だれかが口笛ふいた』は教科書に掲載されておらず、そのため世代によって知られていたりいなかったりすると当ページを作成している間に聞き及びました。この歌を知らない世代がいるというのはなんだか寂しい気がします。  



◎各種参考URL
【歌詞・楽譜】
○http://www.1579.be/music/sambre-et-meuse-partition.jpg
【歌詞・音源】
○http://www.fncv.com/biblio/musiques/chants_republique_empire/sambre_meuse/index_va.html
【歌詞のみ】
○http://www.premiumorange.com/archives-autran/archives/chansons/chants_patriotiques.html#5(底本として使用)
○http://fr.wikisource.org/wiki/Régiment_de_Sambre-et-Meuse
○http://www.paroles-musique.com/paroles-Andre_Dassary-Le_Regiment_De_Sambre_Et_Meuse_And-lyrics,p67710
○http://fr.lyrics-copy.com/lucien-fugere/le-regiment-de-sambre-et-meuse.htm
○http://www.arquebusiers.be/composition.htm
○http://www.chantsmilitaires.fr/sambre.html
○http://keskidi.net/chansons/

MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36)
ページ初版作成:2017/12/23

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