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IHR KINDERLEIN, KOMMET
子供たちよ、さあおいで

イエスの誕生をことほぎに子供達が集まってきます。

作詞:C.フォン=シュミット (1768 - 1854)
作曲:J.A.P.シュルツ (1747 - 1800)
1832年頃に現在の形式で成立

邦題
『さあおいで、子供たち』など

MIDIと楽譜
(別窓で開きます)


◆原歌詞:1~6番
歌詞についての解説はガイドの項をご覧ください。
◆和訳と語句

1.
イーァ キンデァラィン、コメッ、オー コメッ ドホ アル!
Ihr Kinderlein, kommet, o kommet doch all!

ツゥァ クリッペ ヘーァ コメッ イン ベトレヘムス シュタル
Zur Krippe her kommet in Bethlehems Stall,

ウン ゼーッ、ヴァス イン ディーゼァ ホーホハィリゲン ナハト
Und seht, was in dieser hochheiligen Nacht

デァ ファーテァ イム ヒンメル フュァ フロィデ ウンス マハト
Der Vater im Himmel für Freude uns macht.

1.
子供たちみんな、おいでなさい、
さあ、みんなおいでなさいって!
ベツレヘムの馬小屋の中にある
このまぐさ桶のところにやって来て
ご覧なさいよ、この聖なる夜に
天なる父が私達を喜ばせるために
何を創りだしたかを

kommet【動詞・二人称複数現在形】
<kommen 来る。
現在では「kommt《という形をとることが一般的です。
Krippe まぐさ桶、飼葉桶。
Stall 家畜小屋。ここではキリストの生誕のことを歌っているので「馬小屋《と訳しました。


2.
オー ゼーッ イン デァ クリッペ イム ネヒトリヒェン シュタル
O seht in der Krippe im nächtlichen Stall,

ゼーッ ヒーァ バィ デス リヒトラィンス ヘルグレンツェンデム シュトラール
Seht hier bei des Lichtleins hellglänzendem Strahl

イン ラィンリヒェン ヴィンデルン ダス ヒムリシェ キント
In reinlichen Windeln das himmlische Kind,

フィール シェーネァ ウン ホルデァ、アルス エングラィン エス ズィント
Viel schöner und holder, als Englein es sind.

2.
さあ、夜の馬小屋の中にある
まぐさ桶の中をごらんなさい
小さな灯りの明るく放たれる光のもとで
こちらをご覧なさい
清潔なおむつにくるまれて
天から来たような子供がいますよ
たいへんに美しく愛くるしいこと
まるで小さな天使であるかのようです

hellglänzendem【形容詞・単数男性三格】
<hellglänzend 明るく輝く。
Strahl 光線。
reinlichen【形容詞・単数複数三格】
<reinlich 清潔な、きれいにした。
Windeln【複数形】おむつ。


3.
ダ リークト エス、ダス キンデァラィン、アォフ ホィ ウン アォフ シュトロー
Da liegt es, das Kindlein, auf Heu und auf Stroh;

マリーァ ウン ヨゼフ ベトラハテン エス フロー
Maria und Joseph betrachten es froh.

ディ レーッリヒェン ヒーァテン クニーン ベーテント ダフォーァ
Die redlichen Hirten knien betend davor,

ホーホ オーベン シュヴェプト ユーベルント デァ ヒムリシェ コーァ
Hoch oben schwebt jubelnd der himmlische Chor.

3.
そこで干草と藁の上に
横になっているのがその子供です
マリアとヨゼフが喜ばしげに
その子を眺めています
誠実な羊飼いたちが
その前でひざまずいて祈っています
はるか上では天の国の合唱隊が
喜びの声を挙げつつ宙を舞っています

betrachten【動詞・三人称複数現在形】
観察する、眺める。
redlichen【形容詞・複数一格】
正直な、誠実な。
betend【動詞・現在分詞】
<beten 祈る。
jubelnd【動詞・現在分詞】
<jubeln 歓声を上げる。



4.
オー ボィクト ヴィー ディ ヒーァテン アンベテント ディ クニー
O beugt wie die Hirten anbetend die Knie,

エァヘーベッ ディ ヘンッラィン ウン ダンケッ ヴィー ズィー
Erhebet die Händlein und danket wie sie.

シュティムト フロィディヒ、イーァ キンデァ、ヴェァ ゾルト ズィヒ ニヒト フロィン?
Stimmt freudig, ihr Kinder - wer sollt' sich nicht freu'n? -

シュティムト フロィディヒ ツゥム ユーベル デァ エンゲル ミッ アィン!
Stimmt freudig zum Jubel der Engel mit ein!

4.
さあ、羊飼いたちが讃え上げながら
いかにひざまずいていることか
彼らが如何に手を挙げて
感謝の念を述べていることか。
嬉しい事だと思いましょう、子供たちよ
嬉しくない人など誰がいるでしょう?
天使の挙げる歓声に合わせて
喜びながら歌いましょう!

anbetend【動詞・現在分詞】
<anbeten 崇拝する。
stimmt~ein
【動詞・二人称複数命令形】
<einstimmen (合唱・演奏)に加わる。



5.
ヴァス ゲーベン ヴィァ キンデァ、ヴァス シェンケン ヴィァ ディーァ
Was geben wir Kinder, was schenken wir dir,

ドュ ベステス ウン リープステンス デァ キンデァ、ダフューァ?
Du bestes und liebstes der Kinder, dafür?

ニヒツ ヴィルスト ドュ フォン シェッツェン ウン ラィヒトゥム デァ ヴェルト
Nichts willst du von Schätzen und Reichtum der Welt,

アィン ヘーァツ ヌーァ フォル デムーッ アラィン ディーァ ゲフェルト
Ein Herz nur voll Demut allein dir gefällt.

5.
われわれ子供らは何をあげましょう
あなたに何を送りましょうか
子供達の中で最も
優れていて愛らしいあなたのために?
あなたは、この世の宝や富のうちからは
何も欲しいとはお思いになりません
謙虚さに満ちた心だけが
あなたのお気に召すのです

Reichtum 富。
Demut 謙虚さ、謙遜。



6.
ゾー ニム ウンズレ ヘーァツェン ツゥム オップェァ デン ヒン
"So nimm uns're Herzen zum Opfer denn hin;

ヴィーァ ゲーベン ズィー ゲーァネ ミッ フレーリヒェム ズィン
Wir geben sie gerne mit fröhlichem Sinn;

ウン マッヘ ズィー ハィリヒ ウン ゼーリヒ ヴィー ダィンス
Und mache sie heilig und selig wie deins,

ウン マハ ズィー アォフ エーヴィヒ ミッ ダィネム イン アィンス
Und mach' sie auf ewig mit deinem in eins."

6.
『それでは私達の犠牲心を
 受け取ってくださいな
 私達は喜びの意をもって
 それを差し上げたく思います。
 そしてそれを、あなたの心のように
 神聖で祝福されたものにしてください
 そしてそれを永遠に
 あなたの心とひとつにしてください』

nimm~hin【動詞・二人称単数命令形】
<hinnehmen (あっさりと)受け取る。 Sinn 意志。
auf ewig【熟語】永遠に。



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 ガイド   『Ihr Kinderlein Kommet』は、ドイツ語圏をはじめ世界でクリスマス・キャロルのひとつとして馴染みの深い歌です。作詞者は19世紀ドイツの児童書著述家であるクリストフ・フォン=シュミット(Christoph von Schmid、1768 - 1854)で、この詩を発表したのは1811年のことでした。当時の詩のタイトルは『Die Kinder bey der Krippe(揺りかごのそばの子供たち)』というものでした。
 楽曲にはいささかややこしい経歴があります。現在『Ihr Kinderlein Kommet』のメロディーとして親しまれている旋律(このページに置いてあるMIDIのメロディーです)は、マティアス・クラウディウスの詩「Der Mond ist aufgegangen(月が昇った)』へ曲を施したことでも知られるドイツの作曲家、ヨハン・アブラハム・ペーター・シュルツ(Johann Abraham Peter Schulz、1747 - 1800)が1794年に書いたものです。このシュルツの旋律をフォン=シュミットの書いた詩に付けて初めて歌ったのは、ドイツの教師でオルガニストでもあったフリードリヒ・ハインリヒ・アイクホフ(Friedrich Heinrich Eickhoff、1807–1886)で、1832年ごろのことでした。アイクホフの作品集『Sechzig deutsche Lieder für dreißig Pfennig(三十ペニヒで六十曲のドイツの歌を)』にこのバージョンが収められています。
 いっぽうでこの歌には、ドイツの作曲家フランツ・クサーヴァー・ルフト(Franz Xaver Luft、生没年上詳)が1837年に施した別のメロディーもあります。

ひとりごと
 ヴァイオリンのスズキ・メソッドの初級者向けテキストには、この歌が収録されています。今回この歌を当サイトにアップしたのも、同ヴァイオリンのテキストでこの曲を知ったという方からのリクエストにお答えしたものです。
 この歌は、歌詞も明るく、曲調も朗らかで良い歌なのに、日本ではクリスマス・キャロルとしての知吊度はどうも低いようです。ちょっぴり残念です。



参考URL:
【歌詞・楽譜】
○http://www.lieder-archiv.de/lieder/show_song.php?ix=200066(底本として使用)
○http://www.labbe.de/liederbaum/index.asp?themaid=10&titelid=504(底本として使用)
○http://www.weihnachtsseiten.de/weihnachtslieder/noten-und-texte/ihr-kinderlein-kommet/home.html
○http://www.friedemann-wilcke.de/klaviernoten/ihr-kinderlein-kommet-noten.htm
○http://www.herbert-fritz.de/weihnachttext/ihr_kinderlein_kommet.html(音源もあり)
【歌詞・解説】
○http://de.wikipedia.org/wiki/Ihr_Kinderlein_kommet(音源もあり)
【歌詞】
○http://www.musicanet.org/robokopp/Lieder/ihrkindr.html
○http://www.weihnachtsstadt.de/Lieder/Heiligabend/ihr_kinderlein_kommet.htm
○http://www.colibu.de/weihnachtslieder/ihr-kinderlein-kommet.htm
○http://www.volkslieder-songarchiv.de/text_akkorde.php?lied=ihr_kinderlein_kommet

MIDI作成ソフト:サクラ 第二版(Ver.2.36)
ページ最終更新:2010/08/17

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